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総合教育技術誌に呟く

2013年03月30日 | 読書
 『総合教育技術』誌(小学館)4月号を読んで

 作家重松清と北陸学院大学教授金森俊朗の巻頭対談の結論は「教師の想像力の復権を」ということになるのではないか。それを目指す教師を取り巻く状況の改善が図られねばならない。仕事の面でも生活の面でも。金森氏の「重松さんの本を読んでいるのが教員の3%」という指摘は、断片ではあるが象徴的だ。


 巻頭対談とある意味で対極的なのが下村大臣へのインタビュー。もちろんその願いは正当と受け止めるが、具体的な場でそれがどのように姿を変えるのか。「学校の先生が、これまで以上に子どもと向き合う時間を確保できるようにしています」は、実に頼もしいが「向き合う」とはそんな単純なものじゃない。


 新年度の野口芳宏先生の連載は道徳がテーマである。「学力の落ちこぼれ」をなくすのは難しいが、「道徳の落ちこぼれ」はなくすことができると強く仰る。道徳が「能力の差に関係なく、誰にも身に付けられる」ものかどうか、少し悩む。育つ環境の多様化の中で、能力以上に格差のある現状があることも確かだ。


 数年前から編集スタイルが変わった印象のある本誌。特集にもこんな形容がつけられるようになった。「まだ間に合う!」…4月号だからその下は当然ながら「平成25年度全国学力調査」。記事内容そのものの批判ではないが、間に合うとか間に合わないとか、公にそんな言葉が交わされる新年度はダメだろう。