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奴の攻撃,最終章?

2013年03月15日 | 雑記帳
 高校生の時だった。
 通っていた校舎から下ったところにあった皮膚科で、女医さんにこんなふうに言われたのを覚えている。

 「あなたのじんましんは、神経性でしょうね」

 何のアレルギーなのか検査をした後に、特定の食材などでは反応がなかったらしく、そう片づけられたようだ。
 寒冷や圧迫ということもあるのだろうが、「神経性」というその一言が妙に記憶にある。

 当時は「ストレス」なんていう言葉を知っていたかどうかは定かでない。しかし「ああ精神的に弱い男なんだ」という自覚?が芽生えたのは、それが始まりだったかもしれない。

 ということもあり予防意識が強かったせいか、大学に入ってあまりじんましんは出なくなっていた。
 ギターなどを抱えて、のんびりだらりんとした生活をしていたかもしれない。
 貧乏ではあったが優雅な?大学生活で、あんまり身体に異常を来さなくなくてもいい前半だった。

 ところが三年次。教育実習が始まった頃からではなかったか。

 そいつは、胃にきた。

 無理もない。満足な食生活をするべくもないアパート生活。そこに今までとは違う忙しさが加わってきた。
 ああ、神経性はじんましんから胃に移ったか、と思った。

 ストレスからの胃炎、胃潰瘍などは実に平凡だろうし、まあ自分も一般レベルになったかという安心感もあり?この傾向は結婚後しばらく経つまで、比較的長く付き合ったと思う。
 三十代中頃、かかりつけの医師は、胃カメラを覗きながら、こう宣告した。

 「こりゃあ、七十代の胃だな。ひだがない」

 その言葉であっさり煙草を止めてみた。数年後、胃痛の頻度は下がり、ごく一般的になったようだ。

 今でも胃炎などは慢性的だが、結構上手につき合ってきている。

 しかし、胃が収まった辺りから強い肩こりに悩まされることになった。
 ストレスは、胃から肩、背中に攻撃の方向を変えたらしい。

 いつだったか、出張の折に初めてホテルマッサージを呼び、60分コースをしてもらった後、延長したら、そのマッサージ師がこんなことを言った。

 「お客さんのこりは、もう一時間延長しても、ほぐせませんよ。」

 もう降参か。

 いや、最強助っ人、マッサージ機が登場してくれた。

 家の新築に合わせて買ったのでもう十年近く経とうとはしているが、よき相棒になっている。
 もちろんそれでも多少肩こりはするが、それはもはや加齢なのか、体質なのか定かではない。

 攻撃を仕掛けてくる奴…ストレスはどこで眠っている?


 先週末、一週間で一番ゆっくりできる時間帯。
 風呂上がりに一本の電話をうける。

 強いストレスを感じる内容だった。
 土日とずいぶんと気持ちがそちらに流れたが、日頃から修行(笑)をしているせいか、さほどの落胆もなく今週を迎えた。

 順調に仕事をこなした三日目、水曜夕刻。

 突如、そいつは、腸を襲ってきた。

 前兆もなく、また痛みという供も連れないで、激しく丸一日暴れまわった。
 そこにねらいを定めたとは、さすがとしか言いようがない。

 しかしかなりの疲労感、衰弱があっても、全部出し切ったと思えば、希望は見えてくるか。

 身体構造上は、これでオチにしたいが…
 (尾籠な話です)
 奴は、密かに身体に根を残しているに違いない。