すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

連休鑑賞記

2013年05月05日 | 雑記帳
 映像編である。

 天気の良くないこの連休,録りためておいたドラマなどじっくり観た。

 
 「さらば向田邦子 風立ちぬ」

 戦争前の東京を舞台にした,ある一家族のドラマ。向田邦子は,人の心に棲む本性や多種の感情を見逃さない。それが生い立ちや時代によって翻弄されていく姿を的確に描く。「生」が振れる幅が,喜びであり悲しみである。みんなその振り子を抱えて生きることが伝わってくる。特に母親役の加藤治子の表情。懐かしい。


 「お日柄もよくご愁傷さま」

 監督があの「相棒」の和泉聖治であることにちょっと驚く。結婚式の仲人をする当日に父親が急死する設定はいかにもという感じで,少し端折りのある展開だが,芸達者なキャストと漂う生活感に惹きこまれてしまう。橋爪功と吉行和子の夫婦役は,昨年話題の「東京家族」もそうだったし,鉄板コンビのように見える。


 「まほろ駅前多田便利軒」

 瑛太に髭は似合わないというのは家族揃っての評価だが,多彩な演技の幅があり好きな俳優だ。松田龍平という絶妙の相手役によって,ぐっと存在感が際立つ作品になった。それにしても「便利屋」という職業?そのものが持つ象徴性は深いような気がする。その対象はレベルの高低差はあるが見事に「困っている人」だ。