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「お陰様で」を温める

2016年09月28日 | 読書
Volume22~山﨑武也の言葉シリーズ②

 「会話の中でよく『お陰様で』という表現を使っているが、ただ口先だけでいうのではなく、さまざまな恩恵に感謝する思いを、一度胸の中に入れ温めたうえで言葉にしてみることが必要であろう」


 いくら年齢を重ねても精神的成長をなかなか実感できない自分だが、周囲に対する「感謝」の念だけは、年々強くなっている。
 この思いは、唯一と言っていいほど確かだ。
 それが齢をとるということなのかもしれない。

 単なる挨拶代わりに「お陰様で」と使っている場合が全くないとは言えない。
 しかし、多くの人に対して何らかの関わりを持ち、いくつかの影響をうけ、力を与えていただいているんだなあと、しみじみ思うことは年々増えている。



 「一度胸の中に入れ温め」るという習慣は、きっと自分自身の心も温めるに違いない。
 そのためには、ふだんからモノやコトを持ち過ぎず、目の前のことに集中していけるような姿勢が必要だ。
 抱え過ぎている身体や心は、それを実行するスペースを狭めていることだろう。

 複雑になっている今の世の中だからこそ、昔のCMコピーにあった「シンプルライフ」的な暮らしを求めたいものだ。

 温かい「お陰様で」を、常に口にできるようにしたい。