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二手前から振り返る

2016年09月27日 | 雑記帳
 こんなに熱心に大相撲を見たのは初めてである。初めて両国国技館に足を運んだことがきっかけにはなったが、やはり見続けてある程度ポイントがわかると、より面白くなってきた。今場所、印象に残ったのは嘉風と遠藤。嘉風は取り口が明確、遠藤は落ち着きが素晴らしく映える。あっ、県民栄誉賞の豪風は別格です。


 テレビ観戦の楽しみの一つは、解説の話である。複数回登場する「親方」もいれば、単発という人もいる。今までは元舞の海の話がわかりやすく、一番適切かと思っていたが、それと並ぶ人材がまだまだ居ることも確認できた。しかし無鉄砲さ(笑)にかけては、レギュラーとも言える元北の富士を超える人はいない。



 細かい相撲技能についても理解が深まったように思う。14日目のラジオ放送!解説で、舞の海が語った点は全ての競技や仕事などに共通するのではないかと得心した。曰く「敗れた理由を振り返ることが大事です。どうしてそうなったかを、一手前、二手前から考えていくのです」。結果を遡って分析していく大事さだ。


 さて、場所前の多くの予想とは全く違う結果になってしまった。個人競技では珍しくないかもしれない。優勝した豪栄道は、前半はごく普通のように感じたが、勝つことでリズムを得て、それが勢いに変わったことが手に取るようにわかった。序盤の連勝で原動力を作る。そして気迫を持ち続けると、結果が生まれる。


 一方の稀勢の里。家庭内で勝手に「がっかり山」と名づけた。素人が見てもわかる技術的な欠点を修正できないままに、夢が小さく萎む結果となった。これだけ日本中の声援を受けながら上へ進めないのは、稽古や準備の様子を聞くにつけ、本人はもちろんだが、周囲にも責任があるような気がしてならない。残念だ。