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捨てられない名刺

2018年07月30日 | 雑記帳
 思い出したように机の中を整理していて、ずっと処分していなかった名刺に手をかけ始めた。頻繁に名刺を交換したりする仕事ではなかったにしても、ずいぶんと溜っていた。処理する基準は…パッと顔が浮かばない人、頂いた時の肩書、勤務先しか記していない人、それにすぐ連絡先がわかる人ということだろうか。


 めくっていくと、ずいぶん有名な方の名刺がある。現内閣官房長官が総務大臣だった時の筆書き書体の立派な一枚。もちろん直接お会いしたわけではないが…マニア(笑)の方から頂いた。bjリーグ時代の河内コミッショナーの名刺もある。これは直接交換した記憶がある。bj発足を間近に控えていた頃だったなあ。


 あっと思ったのは、有田和正先生の一枚。初めて講義を受けてから30年ほど経つが、直接名刺を交換できたのは、10年前の名古屋だった。その後二度講師依頼をした記憶がある。残念ながら都合がつかず直筆の手紙を頂いた。「次は必ず」と綴られていたが…。自分の仕事として我が町へお招きできなかった無念さが残る。


 先日その訃報を初めて知ったが、坪田耕三先生の名刺もある。付属小から出て教授になられた時の一枚だから、交換は近年だった。しかし私のかつての同僚が中心になって、ずいぶん前から継続して当町にお招きしていた。私も畑違いとはいえ、何度となく研修会に参加した。まだまだご活躍されると思っていたが…。



 初めて当町に見えられた時、忘れられない一コマがある。場所は某小体育館、百人程度の聴衆を前に模擬授業風に進められていて、ある質問で挙手を促された。その時会場でたった一人応えたのが私だった。周囲の空気は記憶にないが、ぐっと引き込まれ思わず手を挙げたのだった。一枚の名刺があの夏を呼びおこす。