Cちゃんシリーズに続き、「逢衆シリーズ」(と言っても2回だけだが)をお届けする。
どうして、こんなことを書いたのかよくわからないが、妙に記憶がよみがえってきた。
初めて「東北校長会」なるものに参加したときだのようだ。
◆逢衆列車が行く
~07/10/2006~
八戸発のスーパー白鳥は、ひどく混みあっていた。
狭いデッキにひしめくあう人々。
最初の駅で数人が降りたが、降りた以上の人数がまた乗り込んで、ますます息苦しさがつのってきた。
二つ目の駅で、そいつは乗り込んできた。
開いたドアの中を見て、ギラリ
ステップに足をかけて、ギラリ
周囲の乗客を威嚇する目で、肩を少し揺さぶりながら
そいつは、この空間に入り込んできた。
短髪、ややパーマがかかっている。
色黒、やけに細い眼鏡をかけて、あごひげに、金のネックレスが音を立てている。
ゆっくりめの開襟シャツに、茶のスラックス、、白いエナメルの靴。
そして、約束のように黒いセカンドバックを携えて。
つり革などないデッキの中では、寄りかかるスペースをいかに確保するかは死活問題である。
まして、新幹線ではない地方の特急。
揺れは、意外な局面で起こってくる。
そいつは、通路側の一角を占めたが、さすがに、周囲はみんな背を向けている。
起こるべくして、揺れが大きくなった。
黒い上下の服をきたサラリーマン風の男が、そいつの脚部にぶつかったようだ。
まあ、一般の客であれば、この揺れでの接触は、当然のような顔で受けとめるのだが…
そいつの視線が、サラリーマンの後姿の、背中から後頭部にかけてゆっくりと上がっていく。
細い眼鏡の奥の瞳は、異常に大きく見開かれている。
始まるか…
「間もなく青森です。お降りの方は…」
アナウンスが入る。
そいつの目が少し気勢をそがれたように伏せられた。
ほっ、気弱な観察乗客は、つめていた息を少しだけ吐いた。
どうして、こんなことを書いたのかよくわからないが、妙に記憶がよみがえってきた。
初めて「東北校長会」なるものに参加したときだのようだ。
◆逢衆列車が行く
~07/10/2006~
八戸発のスーパー白鳥は、ひどく混みあっていた。
狭いデッキにひしめくあう人々。
最初の駅で数人が降りたが、降りた以上の人数がまた乗り込んで、ますます息苦しさがつのってきた。
二つ目の駅で、そいつは乗り込んできた。
開いたドアの中を見て、ギラリ
ステップに足をかけて、ギラリ
周囲の乗客を威嚇する目で、肩を少し揺さぶりながら
そいつは、この空間に入り込んできた。
短髪、ややパーマがかかっている。
色黒、やけに細い眼鏡をかけて、あごひげに、金のネックレスが音を立てている。
ゆっくりめの開襟シャツに、茶のスラックス、、白いエナメルの靴。
そして、約束のように黒いセカンドバックを携えて。
つり革などないデッキの中では、寄りかかるスペースをいかに確保するかは死活問題である。
まして、新幹線ではない地方の特急。
揺れは、意外な局面で起こってくる。
そいつは、通路側の一角を占めたが、さすがに、周囲はみんな背を向けている。
起こるべくして、揺れが大きくなった。
黒い上下の服をきたサラリーマン風の男が、そいつの脚部にぶつかったようだ。
まあ、一般の客であれば、この揺れでの接触は、当然のような顔で受けとめるのだが…
そいつの視線が、サラリーマンの後姿の、背中から後頭部にかけてゆっくりと上がっていく。
細い眼鏡の奥の瞳は、異常に大きく見開かれている。
始まるか…
「間もなく青森です。お降りの方は…」
アナウンスが入る。
そいつの目が少し気勢をそがれたように伏せられた。
ほっ、気弱な観察乗客は、つめていた息を少しだけ吐いた。