すぷりんぐぶろぐ

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あの戌年の夏~逢衆②

2018年07月09日 | 教育ノート
 これは確か全体の懇親会が終了した後に、ホテル周辺をぶらついたときのことだ。


◆逢衆ラーメン屋にて
 ~07/12/2006~


 「手打ちラーメン」の旗がたなびいている。

 宿にも近いし、田酒を飲んだ「しめ」にはもってこいだろう。

 店の前まで来ると、戸口の前には「焼鳥」と大きな字。
 焼き鳥屋崩れ?か、しかしここまで来たら仕方あるまい。


 暖簾をくぐると、カウンターだけの空間。
 しかも角があって8席、理想のパターンではないか。
 先客は中年男性が一人、焼鳥をつまんで、上方にあるテレビに見入っている。

 じゃあ、とりあえずビールと言おうとしたが、残念ながら、飲まないと決めてあるA社である。
 では一気に、ということで

 「手打ちラーメンを

 少し気弱そうな親父が、すばやく麺を出し、準備にかかった。

 スープが煮えたぎっている。
 丼に入れられたタレが、妙に黒いのが気にかかる。


 数分後、手打ちラーメン登場。

 いかにも醤油が濃そうなスープ、
 手打ち風ではあるが、もっさりしてそうな麺
 ごく普通のメンマ、チャーシュー
 そして、麩が入っている。

 味については…

 言うまい。

 少し侘しいシチュエ−ションに実に相応しいとだけ
 言っておくか。


 ふと、昨夏急逝したKさんのことが思い浮かんだ。

 こうした場末に一緒に来たかったなあ
 このラーメンの味に、なんて言葉を返すだろう。

 いや、もうここに来るまでは随分と飲んでいるから、食べ物は口にせず、親父と語るだけか


何やってんだこの国は!なあ、親父

 突然、先客の男性が話しかけた。

 テポドンが発射されるシーンが、さっきから何度も画面に映っている。