今回の白書対策は、「障害者の職業的自立に向けた就労支援の総合的推進」に
関する記載です(平成20年度版厚生労働白書P222)。
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<障害者雇用促進法の改正について>
障害者の就労意欲の高まり等を背景として、障害者雇用は着実に進展しているが、
企業全体ではいまだに法定雇用率に達しておらず、特に地域の身近な雇用の場
である中小企業での障害者雇用が低下傾向にある。このため、2008(平成20)年
の通常国会に、
1)障害者雇用納付金の納付義務等の対象範囲を現行の常用雇用労働者301人以上
の企業から101人以上の企業へと段階的に拡大すること、
2)障害者雇用義務の対象に短時間労働者(週20時間以上30時間未満)を追加
すること等
を内容とする「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」を
提出し、継続審査とされている。
<障害者の雇用状況>
障害者の雇用状況については、ハローワークを通じた障害者の就職件数は2007
(平成19)年度には年間45,565件と過去最高の就職件数となったところであり、
また2007年6月1日現在、民間企業の実雇用率は1.55%と前年に比べて0.03
ポイント上昇するなど、着実な進展が見られる。
しかし一方で、有効求職者数は、140,791人(2008(平成20)年3月末現在)
と依然として多数であり、また、雇用率達成企業の割合も43.8%にとどまって
いる。
我が国の障害者雇用対策については、「障害者基本計画」(2002(平成14)年
12月閣議決定)や「障害者雇用対策基本方針」(2003(平成15)年3月厚生
労働省告示第136号)等に基づき、障害者がその能力を最大限発揮し、働くこと
によって社会に貢献できるよう、様々な施策を講じている。
また、2007年2月に取りまとめられた「成長力底上げ戦略」に基づき同年12月
には、2007年度から2011(平成23)年度までの5年間を計画期間とする
「『福祉から雇用へ』推進5か年計画」
が取りまとめられ、同年12月には障害者基本計画に基づく2008年度から2012
(平成24)年度を計画期間とする「重点施策実施5か年計画」が取りまとめられ
たところであり、働くことを希望する障害者が、その能力を最大限に発揮し、
就労を通じた社会参加を実現し、職業的自立を図ることができるようにするため、
障害者の就労支援の更なる充実を図っていくこととしている。
具体的な施策については、以下のとおりである。
<雇用率制度の推進等による雇用機会の拡大>
(1)法定雇用率達成指導の充実・強化
我が国の障害者雇用対策の柱は、障害者雇用率制度である。「障害者の雇用の
促進等に関する法律」に基づき、事業主は、その法定雇用率に相当する数以上
の身体障害者、知的障害者を雇用しなければならないこととされている(精神
障害者については、精神障害者保健福祉手帳所持者を雇用している場合は、
各企業における雇用率にカウント)。雇用率達成に向けて、企業における障害
者の計画的な雇用に向けた取組みを促進するため、ハローワークでは、障害者
の雇用率が低い事業主に対して雇入れ計画の作成を命じ、計画に沿って雇用
率を達成するよう指導している。計画が適正に実施されない場合には、勧告
や企業名の公表を行うなどの指導を行っており、2006(平成18)年度からは、
未達成企業に対する指導基準を見直し、雇用率達成指導を更に強化している。
また、国、地方公共団体等の公的機関についても、2006年10月には、都道
府県教育委員会を始めとする公的機関について、法定雇用率達成に向けた指導
の目標を設定し、この目標の達成に向けて引き続き指導を徹底しているところ
であり、2007(平成19)年11月には、すべての公的機関について、同年6月
1日現在の雇用状況を発表し、各省庁・地方公共団体及び特殊法人等に対し
障害者の更なる採用について勧奨している。
(2)納付金制度に基づく各種支援措置
障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用を
容易にし、社会全体としての障害者の雇用水準を引き上げるため、事業主の
共同拠出による障害者雇用納付金制度が設けられている。
この制度により、法定雇用率未達成の事業主(規模301人以上)から納付金を
徴収し(不足数1人につき月額5万円)、一定水準を超えて障害者を雇用して
いる事業主に対して、障害者雇用調整金、報奨金を支給するほか、施設、設備
の改善等を行って障害者を雇い入れる事業主等に対する各種の助成金の支給や
在宅就業障害者等に仕事を発注する企業に対する特例調整金等の支給を行って
いる。
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「障害者雇用」に関する記載です。
まず、「障害者雇用促進法の改正について」の記載ですが、
白書では、「継続審査」とありますが、この法案は成立しています。
ただ、記載されている内容は、平成21年度試験の範囲ではありません。
ですので、誤った内容として出題してくるってことが考えられますので。
その点は、注意しておいたほうがよいですね。
この改正法の中には、平成21年度試験の対象となっているものもあります
から、当然、そちらも確認を怠らないように。
で、改正があったということから、法令ではなく、それに関連する施策に
ついて、選択式で出題してくるってこともあり得ます。
平成17年に、育児介護休業法が改正されましたが、その年の選択式は、
女性の労働力率などに関する出題が行われました。
改正された法律ではなく、それに関連する事項を出題したということです。
平成20年の選択式は、最低賃金法のほか、賃金関連が出題されました。
これは改正が確定していたけど、まだ施行される前という状況での出題
でしたが・・・
改正前、改正後、いずれにしても、その法律そのものではなく、それに関連
する労働経済や施策について出題してくるってことは、度々あります。
ということで、この白書の記載内容、きちっと確認しておいたほうが
よいですね。