今回は、令和4年就労条件総合調査による「定年制等」です。
(1)定年制の有無、定め方
定年制を定めている企業割合は94.4%(平成29年調査95.5%)となっており、
そのうち、定年制の定め方別の企業割合をみると、
「一律に定めている」が96.9%(同97.8%)、
「職種別に定めている」が2.1%(同2.2%)
となっています。
(2) 一律定年制における定年年齢の状況
一律定年制を定めている企業のうち、「65歳以上」を定年年齢としている企業
割合は24.5%(平成29年調査17.8%)で平成17年以降の調査年において
過去最高となっています。
(3)一律定年制における定年後の措置
ア 勤務延長制度及び再雇用制度の実施状況
一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度又は再雇用制度もしくは
両方の制度がある企業割合は94.2%(平成29年調査92.9%)となっています。
企業規模別にみると、
1,000人以上:95.6%
300~999人 :94.9%
100~299人 :95.1%
30~99人 :93.8%
となっています。
制度別にみると、
「勤務延長制度のみ」:10.5%
「再雇用制度のみ」 :63.9%
「両制度併用」 :19.8%
となっています。
イ 勤務延長制度及び再雇用制度の最高雇用年齢
一律定年制を定めており、かつ勤務延長制度又は再雇用制度がある企業の
うち、最高雇用年齢を定めている企業割合は、勤務延長制度がある企業で
55.1%(平成29年調査56.9%)、再雇用制度がある企業で76.5%
(同80.8%)となっています。
最高雇用年齢を定めている企業における最高雇用年齢をみると、
「66歳以上」を最高雇用年齢とする企業割合は、勤務延長制度がある
企業が31.7%(同16.9%)、再雇用制度がある企業が22.0%(同9.8%)
で、両割合とも平成17年以降の調査年において過去最高となっています。
定年後の措置については、次のような出題が行われたことがあります。
【 H12-4-D 】
2000年の春闘では、高齢者雇用についての労使交渉が進展した。既に
多くの企業に定年後の継続雇用制度は存在するが、1999年の労働省
「雇用管理調査」によると、勤務延長制度と再雇用制度では、勤務延長
制度を有する企業の方が多い。
「勤務延長制度」と「再雇用制度」の導入割合を論点とした問題ですが、
逆になっているので、誤りです。
現在も、再雇用制度を採用している企業のほうが多くなっているので、
最新の調査結果として出題されたとしても、誤りです。
高齢者雇用に関しては、
平成22年度に択一式で、まるまる1問、出題されています。
そのほか、
平成25年度には、高齢社会白書から「高齢者問題」に関する問題が1問あり、
平成29年度には、厚生労働白書から「我が国の高齢者」に関する問題が1問
ありました。
過去に高年齢者雇用安定法と組み合わせた出題もあります。
ということで、
この結果は、細かいところは置いといて、概略は押さえておきましょう。