今回は、令和4年就労条件総合調査による「賃金制度・基本給」です。
(1)決定要素
基本給の決定要素(複数回答)別に企業割合をみると、管理職、管理職以外
ともに、「職務・職種など仕事の内容」が最も高く(管理職79.3%、管理職
以外76.4%)、次いで「職務遂行能力」(管理職66.6%、管理職以外66.3%)
となっています。
(2)基本給の決定要素となる「業績・成果」の主な内容
「業績・成果」を基本給の決定要素とする企業について、その主な内容を
みると、管理職では、「長期の個人の業績・成果」が24.4%で最も高く、
次いで「短期の個人の業績・成果」と「長期の事業部門、会社の業績・成果」
が19.7%となっています。管理職以外では、「短期の個人の業績・成果」と
する割合が41.6%で最も高く、次いで「長期の個人の業績・成果」が33.7%
となっています。
これらについては、次の出題があります。
【 H22-1-C 】
基本給を決定する要素は、管理職、管理職以外ともに「職務・職種など
仕事の内容」が最も高く、「職務遂行能力」がそれに続いており、また、
学歴、年齢・勤続年数などを基本給の決定要素とする企業の割合は、前回
の調査(平成13年)と比較して減少している。
【 H22-1-D 】
「業績・成果」を基本給の決定要素とする企業について、その主な内容を
みると、管理職、管理職以外ともに「短期の個人の業績・成果」とする
割合が最も多く、次いで「長期の個人の業績・成果」となっており、管理
職は、管理職以外に比べて、部門や会社全体の業績・成果を決定要素と
する割合が高くなっている。
【 H27-4-B 】
基本給の決定要素別の企業割合をみると、平成13年調査以降、管理職、
管理職以外ともに、「業績・成果」の割合が上昇している。
出題当時、【 H22-1-C 】と【 H22-1-D 】は正しく、
【 H27-4-B 】は誤りでした。
いずれの問題も完全に正しいとか、誤っているとかの判断をできるように
するためには、調査結果を詳細に覚えておく必要があります。
ただ、そこまでは必要ないでしょう。
まずは、【 H22-1-C 】にある基本給を決定する要素について、何が
高いのかという点、それと、「業績・成果」を決定要素とする割合は、
それほど高くなくという点を知っておくと、出題されたとき、もしかしたら
1点とれたなんてことがあるかもしれません。
ちなみに、
基本給の決定要素に関する調査は平成13年、平成21年、平成24年、
平成29年、令和4年の調査で実施されていて、「業績・成果」を基本給
の決定要素とする割合は、下記のように「管理職」「管理職以外」ともに、
調査ごとに低下していましたが、令和4年調査では上昇しています。。
平成13年調査 管理職64.2% 管理職以外62.3%
平成21年調査 管理職45.4% 管理職以外44.4%
平成24年調査 管理職42.2% 管理職以外40.5%
平成29年調査 管理職40.0% 管理職以外39.0%
令和4年調査 管理職43.4% 管理職以外42.0%