今日の過去問は「労災法H29-6-E」です。
【 問 題 】
労災保険法に基づく保険給付の原因となった事故が第三者の行為
により惹起された場合において、被災労働者が、示談により当該
第三者の負担する損害賠償債務を免除した場合でも、政府がその後
労災保険給付を行えば、当該第三者に対し損害賠償を請求すること
ができるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
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【 解 説 】
政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた
場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、
保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を
取得します。
この代位取得は、被災労働者が第三者に対する損害賠償請求権が
あることが前提となっているので、被災労働者が示談により第三者
の負担する損害賠償債務を免除したときは、その限度において被災
労働者の損害賠償請求権は喪失するため、その後保険給付をしても、
政府は第三者に対する損害賠償請求権を得ることはできません。
誤り