以前観たテレビ番組の中で、放置された竹林の整備作業の合間に、竹水を採るというシーンがあった。
竹の間隔は傘をさして歩けるくらいに間引くというのが印象的で、それ以来うちもそのようにすべしと思いながら、なかなか切り倒すことができない。
切るだけなら簡単なのだが、その後かさばるので倒しっぱなしにするわけにもいかず、枝も払わなければならないことを考えると、独りではなかなかその気にならない。
そうこうしていると春が来て、タケノコも好き勝手に生えて来て、そうだ今年こそ竹水を摂ってみようと思うのだ。
ところが、春の農作業に追われ、ミツバチの分蜂なんかにも気を取られていると、いつの間にか6月が過ぎてしまった。
7月でも採れないことはないだろうと、1本だけ今年の若竹を2mほど残してバッサリと切る。
切り屑を払い、切り口もナイフできれいにしてポリ袋をガムテープで固定して、待った。
ネットで見ると、時期がよければ何リットルも採れるということで期待したけれど、4日経ってこの程度。
まずはそのまま匂いを嗅ぐと、かすかにタケノコの匂いがして、色は微妙に黄色系の濁り。
味見をしてみると、甘くはないがおいしいという感じではなく、ぬるいからこのままでは飲めない。
せっかくだから、水道水に混ぜ、沸かしてインスタント・コーヒーとして飲んでみた。
体調に変化はないけれど、ありがたみもなく、語れるほどの体験にもならなかった。
やはり6月でなければいけなかったのかもしれないし、何リットルも摂って冷やしたり、それだけでコーヒーを淹れたり、
梅酒を薄めるのに使ったり、オンザロックの氷にしてみたりしないと、良さは味わえないのかもしれない。
後悔先に立たず、竹水思うに任せず。
ポリ袋は下半分を切り取ったので、若竹の切り口が保護される格好になり、1日経ったら1センチほど節に水が溜まっていた。
昨夜はかなり降ったが、溜まっているのは雨ではなく間違いなく竹水なので、さぁどうやって掬うか。
オタマは大きすぎるのでスプーンを曲げるか、期待したほどではなかったので積極的になれない。