マスクをしてまで人と会いたくないという気持ちがあってこもりがちだから、買い物に行くのだって回数は半減した。
そうして自分の敷地内で農事やら独り遊びやらをしていると、いちばんよく会うのが蛙で、それぞれの種の個性などを観るにつけ、人間に近い表情を感じたりする。
鳥獣戯画を描いた鳥羽僧正という人がどういう人か知らないけれど、独り暮らしの無聊を埋めるべく擬人化ファンタジーを創り上げていたのだろう。
それはともかく、ヤマアカガエルをネット検索すると、うちにいる奴らはどれも皆、正統派ではないような気がする。
背中の両端にあるとびでた筋が、パソコンで見るヤマアカガエルはくっきりと素直な線なのだが、うちのはどれも青筋立てているような静脈瘤のようなものを連想させる曲がり方。
人間の指紋、牛の鼻紋のように、個体識別には役立つようで、いつもの場所で見るヤマアカガエルは撮ってみると、同じ奴だと背中の筋模様から判別でき、私からは逃げるくせに狭い範囲を生活圏としているようだ。
オリンピックのボクシングで金メダルを勝ち取った女子大生が、蛙好きを常にアピールしていて、蛙とどう関連するのか、そのような就職先を得たとか。
私は蛙が好きだけれど、信楽焼の蛙を欲しいとも思わないし、ぬいぐるみもごめんだし、蛙イラストのシャツを着たいとも思わない。
これを打ち込んでいる今、外でアマガエルの鳴く声がする。
外は小雨が降っていて、こんなことをしていても、何か外でやらなければいけないことがあったはず、と焦ることがないので雨の日は心穏やか。