和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

愚直なまでに。

2010-12-13 | 短文紹介
週刊誌「サンデー毎日」の特集「本誌執筆陣 3冊で振り返る2010年」で、
梯久美子さんが、岩比佐子著「パンとペン」をまず最初にあげております。

その推薦の言葉が、しっくりと印象に残ります。
ということで、その短い言葉を引用しておきたいのでした。
最近の先が見えない出版界を書いたあとに、

「こんなときこそ、地道に取材を重ね、手間隙をかけた作品が光ります。『パンとペン』はその代表で、徹底した調査と誠実な執筆姿勢が埋もれていた歴史を掘り起こした労作。・・・・」

その短い文の最後は、こうでした。


「軽い本ばかりが売れる世の中ですが、
愚直なまでに一冊の本にエネルギーを注ぐ書き手に惹かれます。」

そういえば、梯久美子の著作は何冊か読んでおりました。
梯久美子著「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」(新潮社・2005年)
ちなみに、2006年に栗林忠道著「栗林忠道 硫黄島からの手紙」(文芸春秋)が出ました。
昨年は、梯久美子著「昭和二十年夏、僕は兵士だった」(角川書店)
今年は、梯久美子著「昭和二十年夏、女たちの戦争」(角川書店)
そういえば、この3冊を印象深く読んでおりました。

うんそうかと

「愚直なまでに一冊の本にエネルギーを注ぐ」

この言葉を反芻してみるのでした。
そうなんだ。私は「パンとペン」に、
その愚直なまでのエネルギーを読んでいたんだ。
と、梯さんの短い言葉に、教えられるのでした。
コメント
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