産経歌壇(2012年7月4日)
伊藤一彦選のはじめに
ささやかな恩送りとして
肩をかす車内で眠る就活生に
川崎市・大平真理子
その選評は
「恩送りとは、誰かから受けた恩をその人でなく別の人に送ることだ。『ささやかな』その場面の具体的描写が生きている。かつての恩義を忘れぬ清々しい心。」
とあります。
そういえば、
佐高信・田中優子「池波正太郎『自前』の思想」(集英社新書)を
パラパラとめくっていたら、第三章「家族の肖像」に、こんな対談箇所がありました。
田中】 あるお寺に行ったときに『恩送り』という言葉を聞いたんです。恩返しの中に恩送りというものがあるそうなのですが、誰かから恩を受けたとき、その人に返すのではなくて、まったく別の人にお返しをすることです。そうやって、恩を送っていくという考えかたなんです。実際に江戸時代の言葉としてありました。
佐高】 なるほど。普通は恩を受けた相手にと考えるところだけど。恩を受けた人に返すんじゃないところが面白いですね。一対一の人間関係の枠を超えた考えかただと思います。恩そのものをお返しするということなんでしょうね。次の世代に送るという考えかたであるとも考えられますね。・・・・(p114)
ということで、
いま「池波正太郎『自前』の思想」という対談を読んでいます。
伊藤一彦選のはじめに
ささやかな恩送りとして
肩をかす車内で眠る就活生に
川崎市・大平真理子
その選評は
「恩送りとは、誰かから受けた恩をその人でなく別の人に送ることだ。『ささやかな』その場面の具体的描写が生きている。かつての恩義を忘れぬ清々しい心。」
とあります。
そういえば、
佐高信・田中優子「池波正太郎『自前』の思想」(集英社新書)を
パラパラとめくっていたら、第三章「家族の肖像」に、こんな対談箇所がありました。
田中】 あるお寺に行ったときに『恩送り』という言葉を聞いたんです。恩返しの中に恩送りというものがあるそうなのですが、誰かから恩を受けたとき、その人に返すのではなくて、まったく別の人にお返しをすることです。そうやって、恩を送っていくという考えかたなんです。実際に江戸時代の言葉としてありました。
佐高】 なるほど。普通は恩を受けた相手にと考えるところだけど。恩を受けた人に返すんじゃないところが面白いですね。一対一の人間関係の枠を超えた考えかただと思います。恩そのものをお返しするということなんでしょうね。次の世代に送るという考えかたであるとも考えられますね。・・・・(p114)
ということで、
いま「池波正太郎『自前』の思想」という対談を読んでいます。