和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

他の書にうつり。

2020-01-31 | 古典
さてっと、本の話(笑)。
本の値段が気になっておりました。
せっかく買っても、読みとおせない。
それが、最近はネット古本で、安く、
しかも、自宅に配達までしてくれる。

これは私のような、読みとおせない者に、
朗報以外のなにものでもありませんでした。

パラパラ読みから、次の本へと飛び乗る。
うん。その醍醐味(笑)。
何よりも、古本が安いので罪悪感がありません。
最後まで読まなきゃという、気持ちからの解放。

そういえば、と本棚から取り出したのは、
本居宣長の「うひ山ふみ」(岩波文庫)。
はい、何よりも薄いのが気にいります(笑)。
そこから、この箇所を引用。

「・・・いづれの書をよむとても、
初心のほどは、かたはしより
文義を解せんとはすべからず、
まづ大抵にさらさらと見て、
他の書にうつり、
これやかやと読ては、
又さきによみたる書へ立かへりつつ、
幾遍もよむうちには、
はじめ聞えざりし事も、
そろそろと聞こゆるやうになりゆくもの也。

さて件(くだん)の書どもを、
数遍よむ間には、
その外のよむべき書どものことも、
学びやうの法なども、だんだんに
自分の料簡のできるものなれば、
その末の事は、いちいちさとし教るに及ばず、

心にまかせて、力の及ばむかぎり、
古きをも後の書をも、
ひろくも見るべく、又簡約にして、
さのみ広くはわたらずしてもありぬべし。
・・・語釈は緊要にあらず・・・」(p19)

はい。

 坊(ぼん)さんが へをこいた
 においだら くさかった

と、口ずさんでいると、なにやら
ブクブクと、浮かんできた、
記憶に残る、本の数行なのでした(笑)。




コメント
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