和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

久保紘之81歳『僕は思うんです』。

2021-01-28 | 道しるべ
雑誌Hanada(2021年3月号)。
連載「蒟蒻問答」は、今回で175回。
久保紘之氏の退院のことから話がはじまります。

久保】 二カ月間にわたって、大変ご心配、
    ご迷惑をおかけしました。

堤堯】 入院して手術したんだって?

久保】 ガンが見つかって腹を切ったんですが、
経過良好で二週間で退院できた。ところがその二週間後、
上野駅で転倒して後頭部を強打、軽い脳出血が起きちゃって
救急車で病院に逆戻り。トンマな話だけど、おかげで看護師
からはすっかりボケ老人扱いで何とか大事にされましたよ(笑)。

堤】 コロナで病院が逼迫した状況なのに、よく入院できたね。

久保】 タイミングがよかったんですね。
しかも僕が退院した直後、その病院からコロナ感染者が出て
大騒ぎになったから、運がいいといえばいい。
コロナにまで追い打ちをかけられたら、
さすがの僕でもまいちゃう(笑)。 P116


はい。これが対談のはじまりでした。
今回は、無事帰還された久保紘之氏のお話を
以下に、引用。

久保】 今回のアメリカの混乱を見て、日本の新聞は
まるでアメリカ議会を民主主義の象徴として見ており、
『そのアメリカ議会がこんなことになるとは』といった
書き方をしているところばかりだけど、笑止千万。
 ・・・・・・・・
・・新聞(1月8日付)で政治学者の
ダニエル・ジブラットはこう言っています。

『だれもが投票できるという、今では当たり前と思われている
制度が米国で成立したのは1960年代に入ってからです。

逆にこの国でそれが完成する前の40年代に、米国は
西ドイツや日本の民主化を後押しし、だれもが投票できる
社会を実現させていたというのも興味深い事実です』

つまり、戦後日本人は発言の後半の部分の印象が強いから、
現実のアメリカの制度の立ち遅れという事実を見落として
しまっているんですよ。・・・・・・
 ・・・・・・
トランプという悪役は、アメリカの議会、そして民主主義の
矛盾をあぶり出し、再び活性化させるカンフル注射的な役回り
を担っていた、という見方が成立するんじゃないかと
僕は思うんですがね。
 p122~123

久保】ヨーロッパだけでなく、オーストラリアやインドだって、
バイデンを簡単に信用できないでしょう。

久保】・・調整役が必要となり、それをできるのは誰かと
世界中を見渡すと、僕は安倍しかいないんじゃないかと思います。
・・・・たとえば安倍の辞任表明について、リチャード・
アーミテージはこう言っています。

『安倍首相は、米国の(トランプ)大統領が自由世界の
指導者とみなされなくなった時に立ち上がり、
自由世界の指導者の役割を引き受けた。
西側諸国の指導者として、ドイツや米国など各地で期待された。
これは首相の最大のレガシー(政治遺産)だ。
私が知る限り、安倍首相ほどの度量の大きさや見識を備えた
日本の首相はかつていなかた』(2020年9月5日付読売新聞)

久保】その安倍はまたもや『桜を見る会』関連で痛めつけられている。
国会中継を見ていると、安部が痛ましいというより、
日本国家が痛ましいという印象を受けますよ。
P126~127


はい。堤堯氏との丁々発止のやりとりは
これは雑誌を読んでのお楽しみなのでした(笑)。

ここでは、病院から無事帰還された久保紘之氏の
語りのみを引用させてもらいました。
コメント
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