200円~300円くらいで、京都に関連する古本を
楽しみにして、ネットで購入しております(笑)。
ということなのですが、今年になって
入江敦彦著「読む京都」(本の雑誌社・2018年)をひらき、
そこに、格好の水先案内人と出合った気分になりました。
その「まえがきにかえて」で、こう指摘してます。
「ただ京都の場合、問題は百冊ではなく千冊、万冊の書籍が
あるってことだ。千冊の中から、どこを百読するか査定するのが
難しい。しかもかなりの割合で粗製乱造された本も混じっている。
百読どころか百毒である。」(p14)
うん。やはり高い古本も必要なのだ。
ということで、「読む京都」から気になった箇所を引用。
「『劇場型言語』の妙味」と題する数ページがありまして、
そのはじまりは
「京言葉は演技を前提としている。わたしは手前味噌の
造語だけれど【劇場型言語】と呼んでいる。」(p71)
「シェイクスピア戯曲はイギリス英語だからこそ
生命を吹きこまれ得たし、『源氏物語』は共通語の
言語領域からは決して生まれてはこなかったろう。・・・」
このあとに、『京料理のこころみ』(柴田書店)をとりあげて
「『京料理のこころみ』が京都という都市/文化を読み解くうえで
最も重要なテクストのひとつだと考える理由は、そこで紹介される
料理の技法や哲学、美意識以上に著者である6人の名料理人が交わす
会話を余さず収録しているところにある。
『生粋の京都人』などという表現が陳腐に聞こえるほど
骨の髄まで京都的な彼らの丁々発止は無形文化財に指定
したくなるほど面白い。・・・」(p72)
はい。この言葉を頼りに、ネット古書を検索すると
ありました。あるにはあったのですが、安くても
4000円~5000円。けれどもあった。
検索すれども見あたらない古本はあるのですから、
ここは、腹を決めて買うことにします(笑)。
うん。無形文化財に指定したくなるほどの丁々発止を
ぜひとも読みたくなりました。
そうだ、京都 読もう。