月刊Hanada2012年3月号に、
新刊「2016年の週刊文春」を記念しての座談会が載ってる。
そこに、グラビアの顔面相似形写真についての語りがある。
西川清史】 ・・・くだらないことも限界までやったね。
顔面相似形なんていうのはその最たるもので、
あんなくらだないことを、あんなに一生懸命やった人は、
多分日本にいないんじゃない?
だって、グラビア班全員で資料室に籠り、百科事典をひっくり返して
メディチ家の誰それと仲代(なかだい)達矢が似てるとかさ。
・・・・・
柳澤健】 ・・・経済評論家の長谷川慶太郎さんと
作家の泡坂妻夫(あわさかつまお)さんを並べて特写した・・・
・・・
『ふむ、それで?企画の趣旨がいまひとつよくわからんのだがね。
その、先日直木賞をとられた泡坂先生と私が似ている、
ということだけで写真を撮るのだね。
対談とか、そういうことではないの?』
と評論家の長谷川慶太郎氏。
・・・・
今もっともお忙しいお二人を、このためだけに
一緒にスタジオに立っていただく・・・・
『あの、もう少しお顔を寄せて・・・。
あ、似てらっしゃる、似てらっしゃしゃしゃる』
(p170)
西川】 昔はさ、会社に変人奇人がいっぱいいたよね。
柳澤】 はい。
花田】 俺は『異能力士』と言ってるわけ。昔の文春には、
岩風とか若浪とか陸奥嵐とか舞の海とか宇良(うら)みたいな
異能力士がいっぱいいたから、おもしろかった。
いまや、異能力士を飼っておける風土じゃなくなったからね
こうして語り合う座談のしめくくりもいいのですが、
これを引用したんじゃ、買って読む方に申し訳ない。
さてっと、この座談を読んで、私が印象深かったのは
グラビア「顔面相似形」の箇所でした。
うん。わたしが、こうしてgoo ブログでの書き込みしてるのは、
活字の相似形をみつけて、あった、あったと言っているのでした。
あ。この文章の、この箇所と、あの文章の、あの箇所と
『あ、似てらしゃる、似てらっしゃしゃしゃる』。