山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

白山岳で割れるダイヤモンド富士 高下最終章  平成28年12月28日

2016年12月28日 | 番外編
 月齢28の細月が早朝東の空に昇って来るこの日は、端足峠から見ると富士山の白山岳の上に昇って来るはずだった。予定では端足峠経由で竜ヶ岳・・・だったのだが、前日風邪をひいたらしく、1日中鼻水と涙が止まらずにひどい思いをした。この日の早朝にはだいぶ回復していたのだが、さすがに山に登る気にはなれず、高下からこの細月を眺め、さらに割れるダイヤモンド富士を狙うことにした。月の出の1時間前に現地到着できるように目覚まし時計を午前4時にセットしたが、3時過ぎに目が覚めてしまう。もはや二度寝入りできるような時間では無く、そのまま準備して3時半に自宅を出る。

 4時45分ごろに目的地に到着すると、駐車場はまだ数代の車しか止まっておらず、GPSで位置確認して座標点通りのところに三脚を構える。若干雲が出ているがおおむね眺望は良好、しかしその後どうなるかはダイヤの時間まではわからない。


    10㎜広角レンズで捉えた星空。右上の明るい星が木星、その下にある明るい星はおとめ座のスピカ。


    新しく調達した70-200㎜f2.8レンズの調整を行う。解像度は申し分無さそうだ。


    富士山の裾野から月が昇って来た。 


    朝焼けの空に追われるように昇って行く月齢28の地球照の細月


    17-55㎜ f2.8 レンズ


    夜明けの明かりの中に地球照は次第に消えて行く


    やがて細い月も夜明けの明かりに消える。

 地球照の細月が夜明けの明かりに消えた後、ダイヤモンド富士の時間まで約1時間ある。寒いので車の中にいったん戻ってエンジンをかけて暖をとって時を待つ。しかし、その後富士山の周辺に暗い雲が出始め、時々富士山の山頂を隠してしまうようになってしまう。タイミングが悪いと撮影が難しい状況になってきた。さらに、この日は富士山の裏側に大きく雪煙が舞っており、割れるダイヤの撮影は難しい状況になってきた。


    雲が出始めたうえに、富士山山頂は雪煙が大きく出始めてしまった。


    こんな雲が湧いてしまってはダイヤモンド富士は無理か?と一時は思ったが、ダイヤの時間には雲が通り過ぎてくれた。


    白山岳が輝き出した。左側にはもう太陽が出ている。


    右側にも光が漏れているところだと思う。


    完全に2つに割れているはずだが、やはり雪煙が邪魔してしまっている。


    それでも、白山岳で割れていることは明らかにわかる。


    新調した70-200㎜レンズ(200㎜で使用)。


    8枚羽根の絞りは期待した通りに8方向の光芒が出てくれた。


    見事に割れてくれた。注目してほしいのは緑色に出ているゴーストの部分。白山岳の頂部に朝日が現われているのがわかる。


    もうそろそろ終わり。


    新調したレンズもフレアが出てしまうが、このくらいなら良しとしよう。


    一方、Borg300mm はレンズの構成が前後に2枚だけの単純な構造なので、フレアがほとんど出ない。ダイヤの撮影にはこちらのほうが有利である。

 何度か軌道修正し、高下ならば今回の軌道でほぼ確実に割れることが証明された。欲を言うなら、あと3~5mほど右に寄っても良いかも知れない。

 高下で割れるダイヤモンド富士が撮影できるのは明日の12月29日までである。本日はまだ激混雑とまでは行かなかったが、明日以降はきっと相当混雑することが予想される。高下での今年の撮影はここまでとして、明日は天候が許せば別の場所から割れるダイヤを狙ってみたいと思う。今期7度通い、撮影出来たのは3回、3勝4敗の負け越しだが、負けたうちの1回は完全に軌道計算のミス、2回は天候不良、1回は軌道は合っていたものの雪煙に邪魔されて撮れなかったもので、これは引き分けといっても良いかも知れない。納得の行く画像が撮れたわけでは無いが、軌道の計算と撮影の感触はほぼつかめたと言える。来期は気象条件さえ許せば、確実に撮影できると確信している。今回の高下攻略はこれにて終了である。
コメント (8)
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