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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

剣ヶ峰ダイヤモンド再び 竜ヶ岳  平成28年12月31日

2016年12月31日 | 番外編
 昨日の剣ヶ峰ダイヤモンド富士は狙った座標点通りのところから撮影したにもかかわらず左に寄り過ぎたようで、割れるダイヤにはなったものの割れ方が小さく全く満足できるものでは無かった。2日連続の早朝3時半起床は疲れるが、これでは気が済まず竜ヶ岳に連登する。

 途中の精進湖から見上げる富士山は暗闇の中ではっきりとは見えないが、雲が巻いているように見える。しかし星が綺麗に見えているのできっと富士山は見えるはず。5時10分から山頂目指して歩き始め、休まずに東屋まで行く。そこには、雲海の上に顔を出している富士山が待っていた。


    雲海の上の富士山


    さらに上に登ると霧氷になっていた。


    雲海と樹氷の富士山、思いもよらぬ素晴らしい景色が待ち受けていた。


    霧氷の向こうの御坂山塊に朝日が射し出した。

 霧氷と雲海、さらにここでダイヤモンド富士になるならば・・・霧氷の木を前景に真ん中あたりから出るダイヤでも良いのではないかと、山頂手前での撮影も頭をよぎったが・・・やはり剣ヶ峰ダイヤの軌道を確定して決着をつけたいので、予定通り山頂を越えて向こう側の撮影ポイントに行く。しかし、前日の反省を踏まえて割り出した本日の撮影ポイントは笹が深くて富士山の眺望が得られない。止む無く笹をかき分けて中に侵入してみたが、この日は霧氷と霜が著しく、胸から下は真っ白になってしまった。とてもではないが撮影など出来ず、あきらめて前日と同じポイントに三脚を構える。


    おそらく左に寄り過ぎだろうと思っていたが、予想通り左から光が現われた。


    しかし、ここまで左に寄るとは思っていなかった。


    一応割れるには割れたが・・・


    これでは到底満足できない。


    近日再訪を誓う。


    本日の座標点から再計算した太陽軌道。ここまで左では無いので、カシミール3Dの軌道はやや左寄りに出るらしい。

 この日は霧氷の景色が素晴らしく、ダイヤが終わったからといってすぐに下山する気には到底なれなかった。山頂裏側はほとんど人が来ずほぼ独占状態となった。三脚とカメラを担いでうろうろする。


    霧氷の向こうに南アルプスがずらりと並ぶ。絶景!


    霧氷と白根三山


    霧氷と荒川・赤石岳


    竜ヶ岳の霧氷。何度も登っている竜ヶ岳だが、こんな綺麗な霧氷は珍しい。


    山頂の霧氷


    霧氷と富士山


    同上。あっという間に霧氷は風に飛ばされて消えて行く。

 東屋の展望地までは三脚を担いだまま、この霧氷の景色を存分に楽しみながらゆっくりと下りた。東屋で三脚をたたみ、ザックを担いでから富士山を見上げてみると、山頂に奇妙な薄い雲が広がり始めていた。これはひょっとして・・・彩雲になるのではないか?しかし太陽の角度が悪く、出来るだけ北側(下山方向)に回り込んだほうが良さそうだ。雲の様子を見ながら下山して行くと、うっすらではあるが雲が虹色に輝いているのが見える。


    富士山頂に現れた奇妙な雲、辺縁が虹色に輝いている。


    富士山頂に現れた彩雲


    形を変えながら小さくなり、休憩ベンチに着いた頃にはもう雲は消えてしまった。

 剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は満足できるものではなかったが、雲海あり樹氷あり、さらには彩雲まで見ることが出来た盛りだくさんの竜ヶ岳だった。今年最後の山行は十分に満足することが出来た。

 年が明けてからも、竜ヶ岳のダイヤモンド富士攻略はまだまだ続ける予定である。

コメント (6)
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富士山頂に沈む本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星 大平山  平成28年12月30日

2016年12月31日 | 番外編
 前日長池山にこの彗星の試写に出かけたが、予想していた通りに7等級あるかないかの明るさの彗星は小さくて撮影が難しい。今まで撮影してきた彗星は4~5等級のものばかりで、ファインダー越しに彗星を探すとなんとか見えるものが多かったのだが、今度の彗星はファインダー越しには全く見つけることが出来ない。しかし、追尾装置スカイメモSとBorg300㎜天体望遠レンズを駆使すれば撮影は出来るのではないかと考えた。しかし、問題なのは山に持ち上げる機材の重量である。カメラ2台に三脚2本、レンズは1.4㎏ほどの300㎜と70-200㎜、それにスカイメモSが加わるわけで、ちょっとしたテント泊装備の重さに近い重量となる。遠い山の上まではとてもではないが持ち上げられる自信は無く、本日予定していた丹沢の大室山は中止してこちらに変更した。

 今回使うルートは長池から大平山に直登するルートで、以前から歩いてみたいと思っていたのだがなかなか機会が訪れなかった。湖畔の長池駐車場に車を止めて午後3時に出発する。1時間少々あれば到着するだろうと思っていたのだが、やはり荷物が重く途中でバテバテ、遠い山頂となってしまった。


    太陽はもうすぐ富士山に沈もうとしている。午後3時、長池駐車場を出発。


    案内板有り、ここから入る。しばらくはアスファルトの道。


    途中から登山道に入る。その先の右手に建物が立っていて、そのあたりから道が少しわかりずらくなってきた。


    登って行くと林の中の広場のようなところに出た。ここで道はどっちに行っているのかわからなくなった。

 途中まで看板を確認していたので道が間違っているとは思えないが、このまま真直ぐ登って良いものやらどうか?GPSで位置を確認し、左手に道(林道)があるらしいので道無き斜面を左手に登ると、明瞭な林道に出た。少し林道を進むと右手にルートを示す看板とやや不明瞭な道が続いていたので、どうやらあのまま真直ぐ進んでもこの林道に出たらしい。あとはこの林道に沿ってひたすら上に登るだけだが、足がクタクタ、息が切れ切れになってきた。


    立派な林道に出た。


    見えてきた大平山、山頂に電波塔が立っているのが見える。だいぶ歩いた気がするが、まだ遠いじゃないか!


    1時間半で山頂に到着。ちょうど日没の頃だった。

 山頂のベンチに重い荷物を降ろしてまずは休憩、息を整える。この日は月齢0.8という極細の月が日没後10分位で富士山山頂に沈むはずだったので、4時45分ごろからシャッターを切り始めたが、全く痕跡さえ写すことは出来なかった。月齢1以下の細い月はもっと距離を離して遠い山の上から写さないと撮影は難しそうだ。


    陽が暮れて金星が輝き始めた。


    山中湖の夕暮れと金星

 簡易赤道儀のスカイメモSをセットするには北極星を使って極軸を合わせなければならない。なかなか北極星が輝いてくれず、5時半過ぎにようやくセットが完了した。彗星が富士山頂に沈むのが6時18分ごろ、追尾撮影できるのは20分ほどしか無い。しかし、彗星の軌道と思わしき場所を再三撮影してもその姿をなかなか捉えられない。ようやく捉えたのは5時55分、あと10分少々で富士山の上に来てしまう。


    ようやく捉えた本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星。Iso1600、30秒追尾。しかし冷え込んだ山頂は霜が降り始め、あっという間にレンズが結露し、数カットしか撮れず。


    富士山頂に来たところを撮ろうとしたが今度は富士山が見つからず。ようやく視野が合った時はもう沈む直前だった。


    こんなこともあろうかと保険をかけておいたのが200㎜レンズ。こちらは富士山頂で完全に視野を固定しておいた。山頂左上に小さな緑色の光が出現。


    あっという間に富士山頂。


    なんとか撮影することは出来たが、それにしても小さい。


    彗星が沈み、富士山頂付近まで金星がやって来たところで本日終了。下りは林道を使って別荘地の中を下山した。

 やはり6等級より暗い彗星の撮影は天体マニアの世界であり風景と一緒に写すのは難しいということがわかる。あまり追いかけても面白い画像は得られそうにないので、この彗星は無理に追うのは止めようと思う。現在夜明けの空でネオワイズ彗星というのが予想以上に増光しているらしく、うまくすれば5等級あたりまで明るくなりそうだ。年明けはこちらの彗星の撮影が出来ればと思うのだが、低空であり短期間で暗くなってしまううえに月明かりに邪魔されそうな様相である。撮影機会が訪れるかどうか、微妙である。
    

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