山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐駒ケ岳とウィルタネン彗星 韮崎市銀河鉄道公園  平成30年12月13日

2018年12月13日 | 星空
 山梨県から富士山頂に沈むウィルタネン彗星を撮影するのは困難となったが、四方を山に囲まれた甲府盆地は他にも格好の良い山がたくさんある。そのひとつが甲斐駒ケ岳で、格好良い三角錐を描く姿は富士山にも劣らない容姿である。甲斐駒ケ岳山頂付近を舞うウィルタネン彗星を見るために軌道を計算して撮影に適している韮崎市郊外にある銀河鉄道公園を訪れた。甲斐駒ケ岳山頂に沈んで行くのが未明3時45分ごろなので2時15分に起床して現地を訪れる。


    銀河鉄道公園から見る南アルプス。右側の三角錐が甲斐駒ケ岳。その上にプレアデス星団(スバル)が輝いている。


    55㎜レンズで捉えた甲斐駒ケ岳。左上にぼんやりと輝いているのがウィルタネン彗星。

 17㎜レンズでも彗星を捉えることは出来るのだが、ぼんやりとした輝きなのでやはりあまり良い景色にはならない。赤道儀で追尾しながらの撮影も考えたが時間的にセットする余裕が無く、望遠レンズ装着してIso感度を上げてワンショットでの撮影を試みる。


    200㎜望遠、2.5秒でシャッターを切る。3秒を越えると彗星が流れて変形してしまう。Iso8000まで上げないと撮れない。


    山頂に迫るウィルタネン彗星。Iso8000ではいろいろと画像処理してもやはりノイズが多く画像が不鮮明である。


    こちらは300㎜望遠。F5.6のやや暗いレンズなので3.2秒でシャッターを切るが、やはり星が変形する。画像もきわめて不鮮明である。


    同じく山頂に迫る彗星

 予想はしていたが、やはりこの彗星をワンショットで撮影するのはかなり難しい。赤道儀で追尾してコンポジット合成するしか無いように思うが、残念ながら今のところそのような技術は持ち合わせていない。

 ふたご座流星群にはまだ早いのだがもう流れてもおかしくは無いので2台のカメラをインターバル撮影にセットし、2時間ほど撮りっぱなしにして車の中で仮眠することにする。


    比較的大きな流星が流れた。


    もう1台のカメラではセットが終わってシャッターを切った瞬間に流れたので、輝きがいまひとつだった。


    オリオン座の左上を流れた流星


    オリオン座の右上を流れた流星だが、放射する方向が違うのでふたご座流星群とは別のものかも知れない。


    もうすぐ夜明け。右上に写っている2つの星がふたご座。

 700コマほど撮影して写っていた流星は5個だった。ふたご座流星群の極大日でも50コマに1個程度なので、極大日の2日前にしてはまずまず飛んだほうだろう。ちなみに自分の目で見た流星は2個で1個はカメラ視野の外だった。15日の未明はスッキリと晴れてくれることを祈る。



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光度を増したウィルタネン彗星 ふもとっぱらと精進湖  平成30年12月12日

2018年12月13日 | 星空
 12月中旬に近日点を通過し地球に接近するウィルタネン彗星は、記憶が正しければこの日に最も太陽に近づき光度を増しているはずである。そろそろ4等級の前半まで明るくなっていることが予想され、広角レンズでもその姿は捉えられるはずであるが、核よりも周辺の光が大きい彗星のためボヤッとした光になってしまいなかなか撮影は難しい。この日は夕方の5時50分ごろ、プレアデス星団とウィルタネン彗星の間を国際宇宙ステーションISSが通り過ぎて行くという面白い現象が起きる日だったので、富士山の上をISSが通り過ぎる場所を計算してふもとっぱらに出かけた。出発時間がギリギリになってしまい、急いで2本のカメラを構えてなんとか間に合ったが、赤道儀はセットする時間が足りなかった。しかしその前に、甲府を出発する時はくっきりと見えていた富士山だったのに日没を過ぎた頃からあっという間に雲が湧き出し、肝心のISSが飛ぶ時間には空は雲に覆われてしまい、プレアデス星団とウィルタネン彗星は姿を消してしまった。


    1台目のカメラをセットした時には見えていたプレアデス星団。うっすらとウィルタネン彗星の影も写っている。


    しかしあっという間に雲が広がってしまい星は隠れてしまう。


    もう1台のカメラ。この時間はまだプレアデス星団が見えている。


    雲間に現れた国際宇宙ステーションISS。肉眼では確認できなかったがかなり明るい光を発していた。


    9枚を比較明合成。雲の中で光が見えなくなってしまった。

 プレアデス星団とウィルタネン彗星を入れてISSを撮影したかったのだが残念ながら雲に阻まれて失敗に終わる。

 富士山ライブカメラで他の場所からの画像を確認しても富士山は雲に隠れてしまっている。光度を増しているウィルタネン彗星を撮影しておきたかったのだがこれでは無理だろうと撤退したのだが、精進湖まで行くと富士山は見えないもののプレアデス星団は見えていた。これならば彗星だけなら撮影出来るのでは?と、精進湖の湖畔に行ってカメラを構える。


    精進湖の湖畔から見上げる空。中央寄り右上にギリギリでウィルタネン彗星が写っている。


    35㎜、30秒追尾で捉えたプレアデス星団、おうし座アルデバランとウィルタネン彗星。


    上記30秒×6枚=180秒を加算処理


    こちらは200㎜、60秒×5枚=5分を加算処理


    300㎜、30秒追尾


    上記7枚を加算処理

 この彗星は見かけの移動速度が速く、望遠レンズで捉えた画像を10分間加算処理すると彗星の核が流れて変形してしまうことがわかった。メトカーフコンポジットという方法があるのだが、ソフトの使い方が良くわからず何度トライしても失敗してしまう。

 山梨県から富士山頂で舞うこの彗星を捉えるのは場所的に無理になってしまった。もうすぐ迎えるふたご座流星群であるが、富士山と彗星と流星を捉えることは可能であろうが、広角レンズで捉える彗星はボヤッとした光にしかならず、インパクトのある写真にはならないだろう。赤道儀で追尾しながら、風景を無視して撮影することになりそうである。
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