山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

雨の中のシダ探索  令和2年6月14日

2020年06月17日 | シダの仲間
 朝から雨の中を椹池、および近傍の池を巡ってきたが時刻はまだ午後3時である。空模様が悪く夕方のように暗いが、時折部分的に青空が見える不順な天気である。日が長くなったことだし、かねてからシダ探しに行ってみたいと思っていた渓谷に立ち寄ってみることにした。一旦は小降りになった雨だったが渓谷の駐車場に到着した頃から再び雨足が強くなってきた。カッパを着て傘を差して探索に出かける。


    渓谷の流れは濁っているが、土砂降りでは無いので水量はさほど多くは無い。


    キヨタキシダに似た大き目のシダに出会う。


    羽片の根元の柄は短い。これは先日の昇仙峡で見てきたものと同じ、ヤマイヌワラビであろう。


    茶色い鱗片はあまり密では無い。


    小羽片根元近くに付着するフック型のソーラス、やはりヤマイヌワラビ。


    クマワラビの胞子を付ける先端部の葉はもう脱落している。


    ミヤマクマワラビはオクマワラビと似ている。


    小羽片のやや辺縁寄りに付着するソーラス


    黒い鱗片は短めでオクマワラビほど密では無い。


    イノデだが・・・普通のイノデか?


    幅広の茶色い鱗片が密に付着


    小羽片真ん中あたりに付くソーラス。普通のイノデだと思う。


    最初はシラネワラビだと思って通り過ぎたがちょっと違う。第一羽片の下向き最下小羽片が大きいが第2羽片のものも大きい。


    大き目のソーラスが付着。これはホソバナライシダだろう。


    探していたのはこのシダである。


    羽片の付け根付近が融合していて特徴的な形のシダ。


    エビラシダ。本日いちばん感動した出合い。


    意外とあっさりと見つかった。


    裏側を拝見。


    このソーラスも独特である。

 以前から見たいと思っていたエビラシダは、もっと標高の高いところにあるのではないかと思っていたのだが以外にも渓谷沿いに生育していた。探すのに苦労するのではないかと思っていたのだが、シダの師匠に場所を聞いていたことがあり、またひとつ絶滅危惧のシダを見ることが出来た。感謝である。

 日が長くなったのでもう1ヶ所立ち寄ってみるが、雨が降り止まずいよいよレンズが結露してしまい、いくら拭き取ってもすぐに結露して撮影がままならない。


    最後に立ち寄ったのがこのシダ。4月に訪問した時はまだ何も出ていなかった。


    まだ新鮮で青々としたシダ、キンモウワラビ。


    根元に付着したこのフサフサとした毛のような鱗片が特徴。茎の鱗片は意外と薄い。


    ソーラスも付いていたがレンズが結露して撮影がままならず。

 一旦車に戻って別のカメラとレンズで撮り直すことも考えたが、天候が天候だけに思うような撮影は出来ないだろう。空も暗くなってきたことだし、本日は念願のエビラシダにも出会えた。この場所はまた天候が良い日に再訪することとしよう。当初の予定とはだいぶ違う1日となったが、これはこれで良かったのだろう。本日はこれまでで撤退。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

甘利山近傍の高層池を訪れる  令和2年6月14日

2020年06月17日 | 番外編
 甘利山周辺には椹池の他にクリンソウがたくさん咲く大笹池や標高900mくらいのところにもいくつかの池がある。おおよその場所は地図とグーグルで確認してあり、椹池の探索が予定よりも早く終わったので立ち寄ってみることにする。相変わらず雨は降り続いているが少し小降りになってきた。傘を差して散策に行く。


    目的の池のほとりに到着。少し水が淀んでいる池。


    池の周辺には天然のものはあまり見かけない植物が生えていた。


    これはホオズキだろう。


    かつてここには集落があったようで、民家の跡らしき石積があった。


    これはキジカクシの仲間だが、民家で栽培されていたアスパラガスのほうか?


    池の周辺の湿地帯、というよりは泥沼といったほうが良いかも知れない。


    クモキリソウ


    池のほとりの木の枝に付いていた白い泡のようなもの。モリアオガエルの卵。


    池の底には藻のようなものが生えている。


    これから水面に葉を出すようになるのかどうか?枯れた葉のようなものが水中に見える。


    こちらには水草の葉が浮いている。


    紡錘形の葉でヒルムシロと思われる。

 椹池で何度か探したがどうしても見つからないのがヒツジグサである。かつては椹池に生育していたらしいのだがもう無くなってしまったらしい。こちらの池にあるのではないかと見に来たのだが残念ながら発見できなかった。まだ少し時期が早いのかも知れない。

 池はこれだけではなく近傍にあと2つある。次の池に行ってみる。


    霧が湧き真っ白になった2つ目の池。枯れた木が池の中に立っているところを見ると、これは人工池なのか?


    ぐるりと池を回ったところでやっと霧が晴れてきた。池の周りは泥沼である。


    池の底には藻らしき緑色のものが沈んでいる。


    この茂っている草の中に、ひょっとしたら探しているが見つかっていないマツカサススキなどが混じっているかも知れない。


    お目当ての水草は見当たらなかった。

 3つ目の池はこの池のさらに奥にあるらしいのだが、足元にまとわりついてくるヤマヒルを気にして歩いているうちに通り過ぎてしまった。天候が悪く沼の周辺がぬかるんでいて歩きにくく、本日は3つ目の池はあきらめる。時期を変えて訪問してみるとまた違う姿が見られるであろうから、再訪してみたいと思う。


    途中の伐採地に茂っていたこのシダは何?


    ヒメシダか何かかと思ったが形が違うし、こちらのほうが頑丈そうに見える。ソーラスはまだ付いていない。


    やや幅広の鱗片がまばらに付着しておりオシダとも違う。これはメニッコウシダか?ソーラスを確認しないと分からないが、確認しても分からないかも知れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする