カモメラン保護のため保護柵を設置してある山がどうなっているのか気になっていたが、週末毎週のように入っている植物調査のため訪問出来ずにいた。一度は午後に年休をとって登山口に向かったが途中から雨に降られて撤退している。そしてこの日、午後に時間がとれたので再び年休をとって入山する。年20日とれる年休はもう既に半分以上使ってしまった。今後どうなるのか、不安がある。
前回の保護柵点検時は霧に阻まれて発見できなかったヤシャビシャク。この木には3株着生していた。
着生植物ヤシャビシャク
別の木の株。結実して棘の生えた実が成り始めている。
保護柵に到着。ポールが傷んで傾いているところがある。かつ、柵のつなぎ目が半開き状態になっていた。
中を見て愕然とする。鹿の食害に遭っている。
レンゲショウマなどのショウマ類、ユキザサなどが被害に遭っていた。
カモメランの被害は少ないが踏み荒らされてしまっている。個体数は約40株。
咲き残っていたカモメラン。
2つ目の柵。周辺との植生の差が明らかになってきた。
ここは被害に遭っていない。オクモミジハグマがだいぶ多くなってきた。共生してくれるのかどうか?もうしばらく様子を見ることにする。
咲いた花数は約20株。
個体数自体はさほど変わっていないが確実に花数は増えている。
3つ目の柵。柵の損傷は無く鹿の食害も無し。柵の中は草が青々と茂り、周囲との植生の差が明らかになってきた。
復活してきたカモメランが昨年以上に咲いてくれている。
全盛期の頃までは行かないが、3年前の食害に遭う以前の状態くらいまで復活した。
花数は約80株、個体数は約300株。やっと元に戻って来てくれた感じである。
踏み跡が付いて減ってしまっていた場所も復活してきてくれたことは嬉しい。
3ヶ所設置した保護柵のうち1ヶ所は残念ながら柵が破損して食害に遭ってしまった。来年はもう少し高めの柵でしっかりと設置し直す必要がありそうである。他の2ヶ所は順調にカモメランが再生している。他の植物も増殖して生存競争が起こってしまっているかも知れず、今後の経過によっては他の植物を一部取り除かなければいけないのかも知れない。経過を見つつ、花に詳しい方々とも相談しつつ、今後のことを検討したいと思う。
さて、今回の一番の目的はこのカモメランであるが、もうひとつ見ておきたかったのはこの山域に生育しているユモトマムシグサである。先日見てきた櫛形山のものとどう違うのか、見ておく必要がある。さらにもうひとつ、前回訪問時に見つけたイッポンワラビと思わしきシダ、そろそろソーラスがはっきりと付いている頃だろう。
黒岳山頂付近で見かけたユモトマムシグサ。茎が長くて背が高い。
この個体は仏炎苞の高さが葉と同じくらいで櫛形山のものと似ているが、背の高さが全く違う。これがヤマナシテンナンショウとの違いと思われる。
オシダ(右)とミヤマクマワラビ(左)。並べてみると大きさと葉軸の色が全く違う。
真ん中から茎の長い葉が出ている。
その葉が胞子葉。細長いソーラスの痕跡が出ており、これはミヤマシケシダと思われる。
やや大きめのシダが群生。これが確認したかったイッポンワラビと思わしきシダ。
茶色いソーラスが小羽片中軸寄りに付着。イッポンワラビで間違い無さそうである。櫛形山で見たハコネシケチシダと思わしきものとは別物。
もう1種類、確認しておきたかったイノデの仲間。葉のツヤが少ない。
幅広い鱗片
葉軸中央から上の部分に付着する鱗片。ソーラスは葉の上のほうに付着する。
鱗片の拡大。幅広のものもあるのだが大部分は次第に先細りしている。これはイワシロイノデと思われる。
自信は無いが、おそらくこのイノデは櫛形山で見たものと同じくイワシロイノデなのではないかと思われる。確認に行ってみないと分からないが、高座山近傍の林の中で見かけたものはツヤナシイノデではないかと思っている。では焼山沢で見たものは?八ヶ岳で見たものは?次々と疑問が湧いてくる。やっと見るべきポイントが分かってきたイノデの仲間は一度見ただけではまだ見分けられるだけの実力を持ち合わせていない。何度も見に行っていつか分かるようになってくるのではないかと思っている。
キンポウゲだが何かちょっと違う気がする。茎や葉に毛が多い、良く見れば根元近くに出ている葉の先端が丸っこい。たぶんグンナイキンポウゲだろう。
前回の保護柵点検時は霧に阻まれて発見できなかったヤシャビシャク。この木には3株着生していた。
着生植物ヤシャビシャク
別の木の株。結実して棘の生えた実が成り始めている。
保護柵に到着。ポールが傷んで傾いているところがある。かつ、柵のつなぎ目が半開き状態になっていた。
中を見て愕然とする。鹿の食害に遭っている。
レンゲショウマなどのショウマ類、ユキザサなどが被害に遭っていた。
カモメランの被害は少ないが踏み荒らされてしまっている。個体数は約40株。
咲き残っていたカモメラン。
2つ目の柵。周辺との植生の差が明らかになってきた。
ここは被害に遭っていない。オクモミジハグマがだいぶ多くなってきた。共生してくれるのかどうか?もうしばらく様子を見ることにする。
咲いた花数は約20株。
個体数自体はさほど変わっていないが確実に花数は増えている。
3つ目の柵。柵の損傷は無く鹿の食害も無し。柵の中は草が青々と茂り、周囲との植生の差が明らかになってきた。
復活してきたカモメランが昨年以上に咲いてくれている。
全盛期の頃までは行かないが、3年前の食害に遭う以前の状態くらいまで復活した。
花数は約80株、個体数は約300株。やっと元に戻って来てくれた感じである。
踏み跡が付いて減ってしまっていた場所も復活してきてくれたことは嬉しい。
3ヶ所設置した保護柵のうち1ヶ所は残念ながら柵が破損して食害に遭ってしまった。来年はもう少し高めの柵でしっかりと設置し直す必要がありそうである。他の2ヶ所は順調にカモメランが再生している。他の植物も増殖して生存競争が起こってしまっているかも知れず、今後の経過によっては他の植物を一部取り除かなければいけないのかも知れない。経過を見つつ、花に詳しい方々とも相談しつつ、今後のことを検討したいと思う。
さて、今回の一番の目的はこのカモメランであるが、もうひとつ見ておきたかったのはこの山域に生育しているユモトマムシグサである。先日見てきた櫛形山のものとどう違うのか、見ておく必要がある。さらにもうひとつ、前回訪問時に見つけたイッポンワラビと思わしきシダ、そろそろソーラスがはっきりと付いている頃だろう。
黒岳山頂付近で見かけたユモトマムシグサ。茎が長くて背が高い。
この個体は仏炎苞の高さが葉と同じくらいで櫛形山のものと似ているが、背の高さが全く違う。これがヤマナシテンナンショウとの違いと思われる。
オシダ(右)とミヤマクマワラビ(左)。並べてみると大きさと葉軸の色が全く違う。
真ん中から茎の長い葉が出ている。
その葉が胞子葉。細長いソーラスの痕跡が出ており、これはミヤマシケシダと思われる。
やや大きめのシダが群生。これが確認したかったイッポンワラビと思わしきシダ。
茶色いソーラスが小羽片中軸寄りに付着。イッポンワラビで間違い無さそうである。櫛形山で見たハコネシケチシダと思わしきものとは別物。
もう1種類、確認しておきたかったイノデの仲間。葉のツヤが少ない。
幅広い鱗片
葉軸中央から上の部分に付着する鱗片。ソーラスは葉の上のほうに付着する。
鱗片の拡大。幅広のものもあるのだが大部分は次第に先細りしている。これはイワシロイノデと思われる。
自信は無いが、おそらくこのイノデは櫛形山で見たものと同じくイワシロイノデなのではないかと思われる。確認に行ってみないと分からないが、高座山近傍の林の中で見かけたものはツヤナシイノデではないかと思っている。では焼山沢で見たものは?八ヶ岳で見たものは?次々と疑問が湧いてくる。やっと見るべきポイントが分かってきたイノデの仲間は一度見ただけではまだ見分けられるだけの実力を持ち合わせていない。何度も見に行っていつか分かるようになってくるのではないかと思っている。
キンポウゲだが何かちょっと違う気がする。茎や葉に毛が多い、良く見れば根元近くに出ている葉の先端が丸っこい。たぶんグンナイキンポウゲだろう。