山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山梨県の絶滅危惧の水生植物一覧

2020年12月08日 | 絶滅危惧種
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている山梨県の絶滅危惧の水生植物はおおむね以下の通りである。

絶滅危惧ⅠA類(CR)

 タヌキモ科 タヌキモ (2005山梨県CR 2017環境省NT)

 ガマ科 ミクリ (2005山梨県CR 2017環境省NT)

 ガマ科 ナガエミクリ (2005山梨県EN 2017環境省NT)

絶滅危惧ⅠB類(EN)

 スイレン科 ヒツジグサ (2005山梨県EN 2017環境省-)

 トチカガミ科 ミズオオバコ (2005山梨県EN 2017環境省VU)

 ヒルムシロ科 イトモ (2005山梨県EN 2017環境省NT)

絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 オモダカ科 アギナシ (2005山梨県VU 2017環境省NT)

 ヒルムシロ科 フトヒルムシロ (2005山梨県VU 2017環境省-)


準絶滅危惧種(NT)

 オモダカ科 ヘラオモダカ (2005山梨県NT 2017環境省-)

情報不足(DD)

 トチカガミ科 イトイバラモ (2005山梨県- 2017環境省VU)
 ミソハギ科 ヒメキカシグサ (2005山梨県- 2017環境省CR)
 ミソハギ科 ミズキカシグサ (2005山梨県DD 2017環境省VU)

 ミソハギ科 ヒシ (2005山梨県- 2017環境省-)

 ミズアオイ科 ミズアオイ (2005山梨県- 2017環境省NT)

 まだ見ていない植物が多数あり情報も少なく、課題が多い。


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南部町の渓谷のシダ探索(その3)  令和2年12月7日

2020年12月08日 | シダの仲間
 さて、本日3ヶ所目の探索は林道脇に生えるシダである。博士と仰ぐ植物の大家の花仲間がこちらでも山梨県での初物のシダを見つけ出してきてくれた。数が少ないようなので探すには少しばかり苦労しそうである。


    ホラシノブ さほど珍しくは無いようだが私はここでしか見たことが無い。


    アマクサシダ 先ほどのオオバノアマクサシダに比べると半分以下の大きさ。


    オオカナワラビは結構普通に見かける。


    ヘラシダ 南部町では良く見かける。


    探していたのはこのシダ。一見すると少し変わり者のヤブソテツのように見える。


    これも南方系のシダ、タカサゴキジノオ。


    羽片の軸に付着する部分に特徴があり、タカサゴキジノオは上側の部分が広く軸に流れて付着する。キジノオシダは下側の部分が広く付く。

 見つけたのは2株のみでもう1株は小さな個体だった。このシダもまた地球温暖化とともに山梨県に新たに入り込んできた可能性がある。シダの生育の変化を観察することで地球温暖化の進行具合が把握できるのかも知れない。


    既に胞子を飛ばしてしまってガラになっている菌従属栄養植物のランにも出会えた。今年は花に出会えなかったので来年こそは花を見てみたい。

 いろいろな面白いシダに出会えて大いに勉強になった南部町シダ探しの1日だった。案内していただいた師匠とお付き合いいただいた花仲間、そして情報提供していただいた植物博士に感謝である。

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南部町の渓谷のシダ探索(その2)  令和2年12月7日

2020年12月08日 | シダの仲間
 本日はシダの師匠と花仲間と私の3人で南部町の渓谷に生育するシダの探索である。ひとつめの渓谷の探索をお昼前に終えて次の渓谷に移動する。今度の場所も以前に探索したことがある渓谷であるが、その際に白い縞模様の入った奇怪なシダに遭遇した。その時はオオバノハチジョウシダの幼体であろうと思ったのだが、最近になってオオバノアマクサシダというシダが山梨県で発見され、これもひょっとしてオオバノアマクサシダではないかと疑いを持つようになった。既に私が博士と仰ぐ花仲間が調査に歩いてくれており、報告書をいただいている。おそらくはオオバノアマクサシダと見て間違い無さそうである。今回はその確認を含めて、シダの宝庫であるその渓谷を探索に行ってみる。


    本日2ヶ所目はこのシダが生い茂るジャングルのような渓谷。ヤマヒルが出ないこの季節は歩き易い。


    ナガバノイタチシダ。南方系のこのシダは山梨県では南部町界隈に生育している。


    これが今年の早い時期に見かけた白い縞模様が入ったシダ。その時はオオバノハチジョウシダの幼体だと思ったのだが・・・。


    少し大きくなったのがこれ。まだ葉の先のほうに少し白い縞模様が残っており、周辺には幼体が生えている。


    さて、これはオオバノハチジョウシダなのか、それともオオバノアマクサシダなのか?


    さらに成長した個体を発見したがソーラスは付いておらず、成熟した個体では無いようである。


    羽片のいちばん近位部の下向き小羽片が著しく長い。形から見てオオバノアマクサシダでほぼ間違い無さそうである。

 オオバノハチジョウシダは山梨県絶滅危惧Ⅱ類のシダで山梨県に生育していることが確認されているがオオバノアマクサシダはまだ報告されていないシダである。おそらくは地球温暖化とともに山梨県に新たに入り込んできたシダなのではないかと思われる。

 他にもこの渓谷には面白いシダが多数生育している。


    シケチシダ。あまり珍しいものでは無いらしいが私がこのシダを見るのは2度目である。最下羽片が弧状に湾曲する形の特徴がある。


    長楕円形のやや不規則なソーラスが付着する。


    クリハランの群生


    突起のある葉の形と独特の緑色をしたメヤブソテツ。


    葉に突起がある。


    最も特徴的なのが葉の辺縁の細かい棘のような鋸歯である。


    虫がたくさん付着しているようにも見えるソーラス。


    ヤブソテツの仲間でも特別に美しいメヤブソテツにすっかり魅せられた。


    さらにピカピカしたツヤのある緑色鮮やかなシダを師匠に案内していただいた。


    ナガバヤブソテツ。葉の辺縁は鋸歯状である。

 白い縞模様が入った幼体のシダはおそらくはオオバノアマクサシダであろうということであるが、確定するにはもう少し観察が必用であろう。そこで、本物のオオバノハチジョウシダを見に行こうということになり私が以前に見たことがある場所に車で移動してみた。シダは大きく成長して青々と茂っていたがその成長した姿を見てビックリである。これはオオバノハチジョウシダでは無くて・・・!!


    オオバノハチジョウシダだと思っていたシダ、大きく成長した姿を見てビックリ!


    この独特の五角形の形、これはナチシダではないか。


    小さいうちは最下羽片の下向き第一小羽片が短くてナチシダのようには見えない。


    しかし成長するにつれて下向き第一小羽片が大きくなり、ナチシダの形になって行く。

 驚きのナチシダの成長過程と群落を形成し始めていることにビックリ仰天である。ナチシダも南方系のシダで静岡県が北限とされていたが、数年前に山梨県の南部町で発見され、今回が2ヶ所目の生育地ということになるようだ。増殖力が強いうえに鹿が食べないのであっという間にこの界隈はナチシダジャングルに置き換わるのかも知れない。そしてまだ私は本物のオオバノハチジョウシダを見ていないということが分かった。驚きとともに少しガッカリである。さほど珍しいシダでは無いようなのでそのうち出会えるだろう。いろいろと驚くことばかりの本日2ヶ所目のシダ探索だった。もう少し時間があるのでもう1ヶ所立ち寄ってみる。

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