山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山剣ヶ峰に昇る細月と金星 朝霧高原  令和2年12月13日

2020年12月15日 | 月富士
 この日の早朝は月と金星が接近して昇って来る日である。先月も富士山頂に昇って来る月と金星を狙ったが月の現れる時間が遅く、夜明けの空の明るさに負けて思ったような地球照の月になってくれなかった。今回はそれよりも少し早い時間帯に富士山の上に現れる月を狙う。雨ヶ岳の山頂が良かったのだがテントを担いであの場所まで登る根性が出ず、今回はその下にある貯水池の近傍から剣ヶ峰に昇って来る月と金星を狙う作戦に出る。しかし、未明から富士山は不機嫌で雲がかかってしまっている。現れない公算が高いだろうと思いつつ、カメラ2台と三脚を担いで現地に向かう。予定通りに月の昇る15分前に現地到着したが・・・やっぱり富士山は雲隠れ。これはダメだろうと半分あきらめていたのだが・・・!!


    富士山剣ヶ峰に現れる月と金星を狙って貯水池の近傍までやって来たが、富士山は雲隠れ。しかもピンボケ。こりゃダメだと思っていたら・・・


    星でフォーカスを合わせている間に富士山が姿を現していた。月の出まであと10分を切っている。


    急いで1台をセットしてもう1台のセットに取りかかる。しかし、その間に金星が昇ってしまう。焦る。


    先にセットしたほうは何とか間に合ったが露出がオーバーで調整するが・・・。


    それでも露出オーバー、シャッタースピードが遅すぎる。


    焦りつつも、昇って来た金星で富士山の位置を確認しなんとか間に合ったもう1台のカメラ。こっちが本命である。


    剣ヶ峰に昇る細月と金星。1,140㎜望遠の視野だとあっという間に金星が画角の外に出てしまう。


    位置を直して再写。これだけ写れば上等だが、ポジションはもう少し右で良かった。


    剣ヶ峰から離れて行く月


    エクステンダーを外して570㎜。


    素晴らしき輝きを放つ地球照の月と金星。


    さらにレンズを変えて月と金星を追いかける。


    富士山からは離れてしまったが、この景色に見とれながらシャッターを切る。


    素晴らしき天体ショーだった。

 一時は無理だろうと諦めていたのだが、現地に行ってみないと分からないもの、待ってみないと分からないものである。大抵は不発に終わってしまうのだが時としてこんな景色に出会ってしまうのが写真撮影の面白いところであろう。寝不足で目がショボかったがこの景色を見てすっかり目が覚めた。少しばかり元気も出たことだし、さて、ダイヤモンドでも見に行ってみよう。

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1日早いふたご座流星群は? 本栖湖  令和2年12月12日-13日

2020年12月15日 | 星空
 ふたご座流星群のピークは翌日13日の14時ごろである。観察するならば13日の夜のほうが有利ではあるが天気がいまいちのようである。しかもその翌日は月曜日なのであまり夜更かしも出来ない。そこで、1日早い12日に本栖湖湖畔にカメラをセットしてインターバル撮影しつつ、車中泊しながら朝を迎える作戦に出た。好天を期待していたのだが空模様はいまいちで空には次々に雲が流れて行く。果たしてこれでふたご座流星群は現れるのか?


    本栖湖展望台に立ち寄る。下に見えるのはテントサイトの明かり。凄い数のテントが張られている。


    別角度から見るテントサイト。賑わっている声が聞こえてくる。


    あまり知られていない細い道を下って湖畔に下りる。誰もおらず、一人で静かに撮影に臨む。オリオン座が昇って来たが雲が多くて流星見えず。


    空が晴れ出して雲の上を流れた流星


    もう1台のカメラが捉えて同じ流星


    オリオン座の左を流れた小さな流星


    本日見た一番大きな流星。


    もう1台のカメラの画像。富士山が雲に隠れてしまったのが残念である。

 雲の間を流れる大きな流星を期待していたのだが、1時間ほど空を眺めていて肉眼で確認できたのは5個ほど、しかもほとんどがカメラの視野に入っていない。午後10時ごろから1時間ほどの間は雲が晴れて綺麗な星空となったのだが、その時間帯は大きな流星は全く流れてくれなかった。


    10時ごろから雲が晴れて綺麗な星空となった。しかし流れたのは小さな流星ばかり。


    おそらく小さいわけでは無いのだろうが、薄い霞に邪魔されて輝いてくれないのだと思う。


    富士山の左上に昇って来た明るい星はおおいぬ座シリウス。


    富士山の真上に立ち昇って来るおおいぬ座を貫くふたご座流星群をイメージしていたのだが、大きな流星は流れてくれなかった。


    左側を小さな流星が2個。


    左端を流れた流星


    西の空にオリオン座と冬の大三角形が沈んで行く。白い筋は人工衛星。

 インターバル撮影にセットしたまま深夜12時ごろに車に戻って一旦寝て、翌朝は午前4時に起床する。早朝起きた頃には富士山は雲に巻かれてしまって姿は見えなくなっていた。もう1台セットしておいたスカイメモSで追尾したカメラはほとんど雲しか写っておらず、しかも途中でスカイメモSが電池切れとなって追尾していなかった。小さな流星が数個写ったのみで流星群をコンポジット合成する試みはまたしても失敗に終わる。


    スカイメモSで冬の大六角形を追尾・・・したつもりだったが、写ったのはほとんど雲ばかり。


    しかも途中で電池切れとなって追尾していなかった。もっとも、湖畔から北極星が見えず極軸が合っていなかったので正確な追尾は困難だった。

 ここ数年は前日からのふたご座流星群の撮影に挑んでいるが、そこそこの流星は流れてくれていた。しかし今年はかなり少ないという感触である。明日は流れてくれるのかどうか?まずは天気が心配なことと、この寝不足の状態で撮影に出かける気力・体力が残っているのかどうか?

 さて、この日の朝は細い月と金星が接近して昇って来る日である。カメラを撤収して次のポイントに移動する。

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新たに見つかったコタニワタリ  令和2年12月12日

2020年12月15日 | シダの仲間
 花仲間から私のブログに掲載されているものと良く似たシダが見つかったとメールが届いた。驚いたことにそのシダはどう見てもコタニワタリである。山梨県では県南部の1ヶ所でしか生育が知られていなかったが、見つかったのは大菩薩連邦方面である。別の花仲間も見に行ってくれてコタニワタリであることを確認してきてくれた。遅ればせながら私も見に行ってみることにした。


    教えていただいた場所で見つかったコタニワタリ。右下に幼弱な株がある。


    生えていたのは壁面工事が施行されているセメントの壁の上。


    見上げるとその上にはもっと大きな個体があった。


    別角度から見るコタニワタリ

 見つかったのはこの3株だけであるが、セメントの壁の上に生えているということはこの個体は比較的新しく生えてきたものであろう。どこかにもっと古い個体があるはずである。壁の上のほうを双眼鏡で探してみたり、少し上に登って谷の隙間を覗き込んでみたりしたがそれらしきものは見当たらない。下を流れる渓谷の岩壁に付いているかも知れないので、渓谷に下りて双眼鏡で探しながら下ってみる。


    上に登って岩壁を覗き込む。付いていたのはツルデンダだった。


    渓谷に下りてみる。何度か渡渉しながら下ってみる。


    本流の堰堤


    支脈を覗き込んでみるとそこにも堰堤。この渓谷は堰堤工事だらけだ。


    岩壁を双眼鏡で覗き込みながら下行する。


    生えているのはイタチシダの仲間やクマワラビ、ミヤマクマワラビなどでコタニワタリの姿は見当たらない。


    ミヤマクマワラビ


    工事用の林道が渓谷の横に付いていた。


    大きな堰堤


    こんな岩壁に居そうだが・・・見当たらず。


    やがて大きな林道に出た。ここを下るとゲートがあってその先にはアスファルトの道が走っていた。

 おそらくこの周辺の渓谷に生育している可能性が高いであろうが、残念ながら今回は教えていただいた場所の3株しか発見できなかった。機会を見て今度は上流を探してみたいと思う。

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