山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

コタニワタリ(チャセンシダ科)

2020年12月18日 | シダ類
 渓谷沿いの潤湿な林床や岩壁に生育する常緑性のシダである。葉は単葉で披針形、葉身基部は心形でで側面は耳状になることが多い。大きな個体では葉の側面は波打っている。葉質は厚く表面は光沢があり、裏面のソーラスは線上で長く、中軸に広い角度で付く。日本では長野県、新潟県など北側寄りの地域に生育しており山梨県が南限である。身延町の1ヶ所でのみ生育が確認されていたが大菩薩・小金沢連峰方面でも発見された。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省なし


    コタニワタリ 平成2年11月 身延町で撮影


    生育していた斜面が崩落して絶滅したかと思われたが同じ水系で生育を確認した。


    線状の大きなソーラス。中軸に対して広い角度で付く。


    渓谷を見下ろすコタニワタリ


    大菩薩・小金沢連峰方面で発見されたコタニワタリ。平成2年12月撮影。


    同上 大株が護岸工事の施されたセメントの壁に着生していた。


    下側から見るソーラス

 新たな場所で発見されたことから、他の場所でも生育している可能性が出て来た。

 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~


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富士川町林道からの剣ヶ峰ダイヤモンド富士  令和2年12月18日

2020年12月18日 | ダイヤモンド富士
 富士川町高下からのダイヤモンド富士は冬至を間近に控えて見ごろを迎えている。撮影に行こうと思った日があったのだが、朝の寒さと眠気に負けて行けず仕舞いになっている。今朝も空が晴れてライブカメラでスッキリした富士山が見える絶好のダイヤモンド日和となった。眠気を堪えて撮影に出かけるが、本日向かったのは高下では無くてさらにその上にある林道である。カシミール3Dを使っての計算が間違っていなければ、展望地から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士が見られるはずである。


    ダイヤまであと10分ほど。山頂周辺が輝き出す。


    富士山はスッキリと見えていて空気の透明度は良いように見える。しかしこの光りの広がり方は?嫌な予感がする。


    ダイヤが始まった。


    割れているように見えるが、上側に光芒が出ない。


    やはり・・・裏側に薄雲があるか、空気が淀んでいるか。チカリと輝くダイヤにはならない。


    剣ヶ峰に昇るダイヤモンド富士


    それでもダイヤはダイヤだ。


    一番光芒が出やすいボーグ200㎜レンズ。


    少し右に寄った剣ヶ峰ダイヤになってしまった。それでも、空気の条件が良ければチカリと光ったはずだ。


    残念ながらダイヤモンドは輝かず。


    570㎜望遠。


    こちらは全く光芒が出ず。


    太陽の輪郭が見えてしまっている。ほとんどキャッツアイ。


    残念。

 今日は絶対に行けると思って早起きしたのだが残念ながら思ったようなダイヤにはならなかった。富士山との距離が遠くて空気の層が厚いため、少しでも霞が入るとなかなか輝いてくれない。昨年も同じような現象に悩まされ、チカリと輝く満足の行く割れるダイヤは一度も撮れずに終わっている。年内いっぱいくらいが高下、この林道とも割れるダイヤ撮影のチャンスである。条件が揃ってくれること、そして早起きできることを願いたい。

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細月と木星・土星が接近 忍野農道  令和2年12月17日

2020年12月18日 | 月富士
 午後4時には忍野農道でのキャッツアイ撮影を終えて一旦機材を撤収した。同じ場所でも富士山山頂あたりに沈む細い月は撮影出来たのだが、次の撮影は試してみたいことがあって出来るだけ富士山に距離が近いほうが良い。しかし、花の都公園近傍では良い撮影場所が無く、忍野農道付近で少しだけ富士山に近い位置に移動する。他にも7~8人のカメラマンがダイヤの撮影にやって来ていたが、皆考えていることは同じでダイヤが終わっても帰る人は居ない。3台のカメラの設置は終わったが陽が沈むと一気に冷え込んできた。午前の仕事を終えたまま普通のスラックスを履いて撮影にやって来たのだが足元が寒くて耐えられない。車のエアコンをかけて暖をとりながらカメラと車を行ったり来たりの撮影となる。それでも撮影の時は寒さが辛く、登山靴を履いてスパッツを付けてなんとか足元の寒さを防ぐが、それでも耐えきれないほど寒い。


    富士山に棚引く雲が夕日に染まった。雲が広がって来ることを恐れていたが、どうやら大丈夫のようだ。


    本日試してみたいこととは、この小さく見える鳥居のところに月を沈めて鳥居のシルエットを浮かび上がらせようという試み。


    トリーミングした山頂の鳥居。しかし思っていたよりも左のほうに鳥居がある。これは計算してきた位置では月の軌道が合わないのでは?

 航空写真から見た鳥居の位置はもっと白山岳に近い位置にあるように見えた。そして鳥居を大きく撮るには出来るだけ位置が富士山に近いほうが有利、かつ鳥居が隠れ無い角度でなければならない。山中湖のほとりが良いのだがなかなか良い月の日に晴れなかったり日程が合わなかったりと計画倒れになっていた。まずはどんな感じなのか、本日は試し撮りである。


    暗くなるにつれて木星と土星の輝きもはっきりと見えてきた。


    富士山頂に迫る月


    富士山頂の月と接近した木星・土星


    もう1台のカメラ。


    富士山頂に輝く月と木星・土星


    月が富士山に着地。


    半分沈んだ月。しかしその位置は・・・鳥居から完全に離れている。


    さて。こちらが富士山頂にかかる月を超望遠レンズで捉えたもの。鳥居は画像の真ん中下の方に位置している。


    しかし月が着地した場所は・・・完全に鳥居の右側。


    月の端っこが鳥居にかかるかと期待していたのだが完全に外れた。

 素晴らしい輝きの月と木星・土星の接近だった。先日の月と金星の接近といい、ここのところ良い天体ショーを続けて見ることが出来てラッキーである。細い月を大きく撮るのはレンズの性能に大きく左右され、現在使っているボーグ570㎜に2倍のエクステンダーを装着するとF値が10くらいの暗いレンズになってしまうため、どうしてもIso感度を2000以上まで上げないと撮影が難しい。600㎜以上の明るいレンズは高価なので今のレンズで工夫をしながら今後も撮影に挑みたいと思う。今回は大幅に位置がずれたが、これは立ち位置を決める際の鳥居の位置情報が間違っていたためで、次に挑戦する時はきっちりと位置を修正して撮影に挑みたいと思う。

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忍野農道からのキャッツアイ 令和2年12月17日

2020年12月18日 | ダイヤモンド富士
 この日の夕方は細い月と木星・土星が接近して南西の空に沈んで行く日である。木星と土星は約20年ごとに接近するらしいが、12月21日に最接近するこの2つの惑星はこれほど接近するのは800年ぶりらしい。この2つの惑星に月が接近したこの日の現象を逃すわけには行かない。その前に、折角忍野まで行くのだから久しぶりに白山岳に沈むキャッツアイを狙ってみた。3台のカメラをセットして撮影に臨む。


    まずは70㎜で撮影した画像。


    白山岳に夕陽が沈む。


    なんとなく双子になっている太陽


    少しだけ影富士


    いつもの改造絞りを入れたBorg200mm


    双子になっているが・・・


    右が大きいキャッツアイ。若干右に寄り過ぎたようだ。


    あっという間に終わり。


    Borg570mmにフルサイズのEosRP。もうすぐキャッツアイだが・・・


    これも猫の目??


    少し右に寄り過ぎてしまった。2秒インターバルで撮影したら肝心のところが写っていなかった。失敗。


    久しぶりに狙うとたいていは失敗するものだが、これだけ撮れていれば上出来。

 ほぼGPSに登録してきた場所から撮影したが、立ち位置が少し右に寄ってしまい均等なキャッツアイにはならなかった。しかしこれは撮ってみないと分からないので止む無しである。まあ、これだけ撮れていれば上出来、天候にも恵まれた。陽が沈むと細い月が肉眼で見えるようになってきた。場所を変えて月と木星・土星の撮影に挑む。

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自宅のベランダから見るふたご座流星群 令和2年12月14日

2020年12月18日 | 星空
 竜ヶ岳から下山して職場に立ち寄り、撮影データをパソコンに落としてカメラの電池を充電して自宅に帰ったのは午後4時になった。6時ごろから一旦寝て10時に目を覚ます。この日の深夜から明け方にかけてが今年のふたご座流星群が最も観察し易い時間帯である。目を覚ましたがまだかなり眠いうえに体がだるい。さっそく富士山ライブカメラをチェックするが予想していた通り富士山は雲に隠れてしまっている。外に出て空を見上げると、星は見えているものの雲が多い。この日に流星群を撮るならば明朝のダイヤモンド富士を含めて富士川町高下に行こうと決めていたが富士山が見えないうえにこの空模様では撮影はままならない。明日は普通に仕事があるのでその体力も考えて、ここは自宅のベランダからふたご座流星群を狙ってみることにした。1台は甲府の町灯りを入れた視野で固定、もう1台は簡易赤道儀に乗せて冬の大六角形を追尾してみる。雲が多いうえに町灯りと近くにある街灯の明かりが邪魔して条件は良く無い。セットしている間に流星が流れて行くのが見える。30分ほど空を眺めて3個くらい流星を見ることができ、そのうちのひとつは固定したカメラの視野に流れてくれた。セットしたままであとはカメラにお任せで寝ることにする。


    甲府盆地の町灯りを入れて固定したカメラ。大きな流星が左側を流れたが町灯りに飲まれて薄くなってしまった。


    その後3時間ほど撮影したが写っていたのはその1個のみ。この視野には大きな流星は流れなかった。


    もう1台の簡易赤道儀に乗せて冬の大六角形を追尾した画像。


    冬の大六角形


    ふたご座の右を流れた大き目の流星


    プロキオンの左を流れた流星


    カペラをかすめて流れた流星

 3時間で約10個の流星が写っており、それらをステライメージというソフトでコンポジットしてみるが、画像の収差が大きいことと雲が流れて流星が隠れてしまうことで全くうまく行かない。止む無し、不自然にはなるがフォトショップを使って合成してみる。


    ステライメージで流星の写っていた7枚をコンポジットするが、流星が見えなくなってしまった。収差も大きい。


    比較明合成。これもいまいち。ソフトを使い慣れていないこともある。


    フォトショップで流れた流星を切り抜いて合成する。不自然ではあるがこのほうが流星の流れる様子が分かる。


    ふたご座の少し上あたりにある放射点から流れて来る様子が分かる。

 ふたご座の放射点から流星が流れてくる様子は昨年も試してみたが失敗に終わっている。追尾していてもレンズの収差が大きく出てしまうのが分かってきた。綺麗な放射画像を撮っている人たちはどうやっているのか、不思議である。またチャレンジしたいと思う。

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