山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

探索失敗 富士山麓の山  令和2年12月27日

2020年12月29日 | 山梨無名山
 富士山麓の寄生火山で以前に一度だけ見たことがあるスギランという木に着生するシダがあるのだが、その後いくら探しても発見出来ずにいる。最近になって別の寄生火山で花仲間がそのシダを探し出してきてくれた。常緑性のそのシダは木の葉が落ちたこの季節のほうが探しやすい。おおよその場所は教えていただいたのでたぶん見つかるだろう・・・と、望遠レンズをザックに詰め込んで探索に出かける。しかし自宅では妻と娘が年末の大掃除をしていて、少しだけ手伝っていると出発時間が遅くなってしまった。さて、探し出せるかどうか?


    さすがにこの季節は何も生えていない。殺風景な急斜面をひたすら上を目指して登る。


    頂上近くなると傾斜が緩くなって来る。主にブナの森だがまだ細くて若いブナの木がほとんどである。


    山頂到着。既に午後2時を過ぎている。


    山頂は展望が無く、木々の向こうに富士山が少し見える。


    しかしその先の展望地まで行くと目の前に聳える素晴らしい富士山の姿を見ることが出来る。


    午後になってもこれほどスッキリと立つ富士山が見られる日はあまり多く無い。


    さて、現地に到着したが既に午後2時半を過ぎた。登り返して下山を考えると残された時間は1時間有るか無いか・・・。


    スギランが生えているとすればこんな苔の生えた木の上のはず。


    これは冬期で葉を丸めているオシャグジデンダ。


    苔の生えた大きな木の幹を探すが見つからず。


    木の又のあたりが怪しいかと思ったがやはり見当たらない。


    着生しているのはオシャグジデンダばかり。

 双眼鏡片手に木の幹の上の方を探してみたがとうとうスギランは発見できず、時刻はあっという間に午後3時半になってしまった。残念、斜面を登り返して撤退である。

 駐車場に到着した頃にはもう日没を過ぎて暗くなっていた。私の車の横に出発した時とは別の車が止まっており、なんと、今回のスギランを発見した花仲間だった。私の車を見つけて下山して来るのを待っていてくれたようである。詳細な場所を聞いてみると、どうやら探した場所と木は間違っていなかったようであるが、想定していたよりも高い位置に着生していたようである。今度はもう少し時間の余裕を持って探索に行ってみたいと思う。

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オオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダ(後編) 南部町  令和2年12月26日

2020年12月29日 | シダの仲間
 山梨県にはオオバノハチジョウシダは生育しているがオオバノアマクサシダは生育していないと思っていたのだが、今年オオバノアマクサシダの生育が確認された。そこで生育が確認された場所を植物の博士に教えていただき訪問してみると、それらしきシダは容易に発見できた。しかし良く見ると2種類のシダが生育しているようである。それではこの2種類はどこがどう違うのだろうか?林道を歩いていると同じような環境のところに生育しており、最初は良く判らなかったが帰り道でじっくりと観察してみるとその違いが分かってきた。


    オオバノハチジョウシダと思わしきシダ。


    こちらがオオバノアマクサシダと思わしきシダ。この2つは良く似ており、生育環境もほぼ同じである。


    幼体だが、これはおそらくオオバノアマクサシダ。周辺に生えていた成長した個体はオオバノアマクサシダと思われるものだった。

 良く似たこの2種類のシダ、どこがどう違うのか?観察してきてだんだん区別できるようになってきた。


    こちらがオオバノハチジョウシダと思われる個体。


    同じくオオバノハチジョウシダ。


    最下羽片の下向き第一小羽片は大きなものではさらに切れ込んでいる。しかし小さな個体では切れ込んでいないものが多い。


    注目すべきは頂羽片のすぐ下に出る羽片の形。上向きの小羽片と下向きの小羽片はほぼ同じくらいの長さか、上向きが若干短い程度である。


    こちらが典型的なオオバノアマクサシダの個体。


    第一羽片の下向き最下小羽片は切れ込んでいないか、根元近い部分がわずかに切れ込んでいる程度。


    そして一番の違いは上のほうにある羽片の形。上向きに出る小羽片が明らかに下向きの小羽片よりも短いか、あるいは発育していないものもある。

 成長した個体ではおそらくこの上向きと下向きの小羽片のバランスで見分けることが出来るだろうと思うが小さな個体では難しいかも知れない。今回はオオバノハチジョウシダの幼体は確認出来なかったが、ひょっとしたら白い筋が入っているかどうかで見分けが付くのかもしれないが、それは今後の課題である。


    季節を変えて訪問するときっとまた新しい出会いがあるだろう。

 また来年の春に訪れてみたいと思う。

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