山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ほとんど写らなくなったレナード彗星 九鬼山リニア展望台 令和4年1月3日

2022年01月08日 | 星空
 年末・年始ずっと追いかけているレナード彗星(C/2021 A1)であるが、そろそろ光度を下げてきている頃で、今回が最後の撮影となるかも知れない。まだ満足の行く画像は撮れておらず、どうやったらうまく撮れるのかも詮索している途中である。本日撮影予定地の九鬼山リニア展望台までは歩いて20~30分ほどの行程である。どういう機材を持って行くかいろいろ考えたのだが、さほどの距離でも無いので簡易赤道儀も持ってカメラ3台を持って行くことにする。日没を過ぎた5時ごろに展望台に到着する。


    日没の頃の富士山。雲は無く天候は良好。展望台はもう少し先だ。


    リニア展望台に到着。展望台というよりも登山道脇の開けたところといった感じである。


    夕暮れの富士山。さっそくカメラのセットに取りかかる。


    1台はこの画角でしっかりと固定。


    もう1台はこの画角。いちばん明るいF2.8のレンズ。


    さらにもう1台はクロスカットフィルターで木星を使って星にフォーカスを合わせ、簡易赤道儀で追尾する。

 3台のカメラのセットが終わり、レナード彗星を探す。ところが、どこをどう探しても彗星が写ってこない。個体したカメラのモニターに写ってくるはずなので再三モニターで確認するがやはり見えない。確か富士山頂に沈んで行くのは5時50分ごろだったと記憶しているが・・・??


    そろそろ写って来ても良いはずだが?


    全く見えない。


    たぶんもう沈んでいる時間。


    もう1台のカメラも全く写ってこない。


    どうなっているのだろうか?


    追尾したカメラにもその姿は入って来なかった。


    どこに行ったのだろうか?時間を間違えたか、場所を間違えたか??

 とうとうレナード彗星の姿は捉えることが出来なかった。自宅に帰ってからステライメージで位置と場所を確認してみると、九鬼山リニア展望台からだとちょうど富士山真ん中に彗星が沈んで行き、時間は5時45分だった。その頃に撮影した画像を確認してトリーミングしてみる。


    5時42分に撮影した画像のトリーミング。山頂左上に小さなボヤけた光が写っている。おそらくこれがレナード彗星。

 だいぶ小さくなってしまったようで、もはや私が使っているカメラ装備で撮影するのは難しくなってしまったようである。楽しませてくれたレナード彗星を追いかけるのは今回が最後になるであろう。


    簡易赤道儀に載せたカメラで撮影した木星(トリーミングあり)。衛星が3個写っている。


    夜景を見て撤退。

 カメラ機材を片付けようとしている時に携帯が鳴った。見たことが無い電話番号である。九鬼山中腹にライトが見えるが〇〇さんでしょうか?という電話だった。何で?と思ったら、登山口に置いてあった車を見て遭難したのではないかと誰かが警察に通報してくれたらしく、都留警察署からの確認の電話だった。正月から遭難騒ぎである。彗星を撮影しに来ていて、もうすぐ下山する旨を伝えた。茅ヶ岳、春日山に続いてこれで3度目の警察沙汰である。夜中に星を撮る者の宿命かも知れないが、心配されるだけ良いと思ったほうが良いのであろう。7時に無事下山した。

 今回のレナード彗星撮影はいろいろと課題を残した。いちばんの課題は暗い中でのフォーカス合わせだろう。景色を入れてワンショットで撮影するのであれば遠景の景色でフォーカスを合わせれば良いが、星には微妙に合わないことが分かった。おそらくクロスカットフィルターで合わせれば問題は解決するであろうが、まだ撮影は出来ていない。もうひとつはシャッタースピードであるが、これはレンズの性能とカメラのIso感度の調整を検討する必要がある。さらにコンポジットであるが、自動編集モードではダメなものが多くソフトの使い方に習熟する必要がある。次の彗星がやって来た時に生かして行きたいと思う。

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大木に着生するシダに会いに行く 大室山  令和4年1月3日

2022年01月08日 | シダの仲間
 一昨年の年末から昨年の年始にかけて、富士山寄生火山の大室山に3度登り、3度目の正直でやっと出会えたのが今回見に行くシダである。午後になると日が当たりにくくなって撮影しにくくなるため、お昼までにはなんとか到着したい。富士本栖リゾートでダイヤモンド富士を見てから登山口に移動し、9時に出発する。


    相変わらず1株だけ生えているオオクボシダ


    何となく違和感が・・・見上げてみればあったはずの木が無くなっている。


    ベニカヤランが着生していた木が根元でボッキリと折れてしまっていた。残念。


    ヤドリギが着生する木


    ヤドリギは常緑性で、冬になるとある程度は落葉するが全て葉が落ちてしまうことは無い。緑色の実が残っている。


    こちらはホザキヤドリギが着生する木。他に無いか探しているがこの界隈ではこの木1本しか見つからない。


    ホザキヤドリギは落葉樹で冬になると葉は全て落ちる。既に実も全て落ちてしまっている。


    カラマツの林。たぶん植林帯。


    大室山の斜面は主にコナラとブナが生育している。こちら側の斜面は若いブナの木が多い。


    大室山山頂。樹林の中のピークで展望は無い。


    その先の少し下がったところに三角点と展望地がある。


    雄大な富士山がドンと聳えて見える。眺望が良く雄大である。


    目的のシダが着生する木に到着する。木の影で陰ってしまっていたが、少し待っていると陽が射してきた。


    目的のシダ、スギラン。


    かなりの大株である。


    角度を変えて撮影。天候が良くうまく日が当たってくれたため、超望遠撮影でも撮影し易い。


    さらに角度を変えて撮影。他に無いかどうか探してみるが見つからない。

 富士本栖リゾート周辺にはコンビニが無く、持って来たのは昨日の残りのパンが少しとお菓子だけだった。半分ほど食べて下山するが、下りは登って来たところとは別の道無き斜面を探索しながら下りてみる。


    スギランが着生していないかと双眼鏡で覗き込みながら下山するが見つからない。


    ヤドリギはたくさんあるがホザキヤドリギは見つからなかった。


    本栖風穴。この場所の近くに下りてくるはずだったが、途中でGPSが位置を拾わなくなり、通り過ぎてしまって戻ることになる。

 ベニカヤランがたくさん着生していた木が折れて無くなってしまったのは残念だったが、スギランはしっかりと生育してくれていた。着生植物は木の状態によって突然無くなってしまうことがあるのが難しいところだと思う。

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