山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キジノオシダとオオキジノオ 南部町シダ探索(続き) 令和4年

2022年01月19日 | 渓谷
 最近になってタカサゴキジノオという南方系のシダが南部町で発見された。これも地球温暖化の影響なのかもしれないが、先日確認に行ってきたものの、それが本当にタカサゴキジノオなのか、それともキジノオシダなのか私の目では判別が出来ず、保留になっている。では本物のキジノオシダはどんな感じだっただろうか?一昨年発見したキジノオシダとオオキジノオを確認に行ってみる。


    だいぶ葉が大きくなって成長したクリハラン


    キジノオシダの前にヤブソテツを見て回る。これは普通のヤブソテツで、光沢があるタイプ。テリハヤブソテツとも呼ぶようだ。


    こちらはさらに光沢が強く、濃い緑色が鮮やかなナガバヤブソテツ。


    辺縁は波打つ程度で細かい鋸歯は無い。


    ソーラスは葉の裏側全体に散在する。


    こちらはメヤブソテツ。光沢はあまり目立たず、上品な黄緑色の美しいシダ。


    この場所では用水路の周辺を好んで生育している。


    葉の先端は尖り、葉の辺縁に細かい鋭鋸歯がある。羽片の基部上側に尖った耳状の突起がある。


    問題のキジノオシダ。2年前に比べると数が増えたように見受けられる。


    胞子葉が枯れ残っていた。


    先端部にある頂羽片がしっかりしており、これはキジノオシダで良いのではないかと思う。


    羽片を見てみると、上側に羽片の付け根が軸に流れて付着している。


    こちらはオオキジノオ。


    羽片の付け根部分には柄があって羽片は軸に流れない。

 これがキジノオシダで間違いないのであれば、先日見てきた個体もおそらくはキジノオシダで良いのではないかと思う。冬期で少し葉が傷んでいることがあり、もっと状態の良い時に再訪して確認してみたいと思っている。


    南部町から見る残照の富士山と月


    残照富士

 この日は早めにシダの観察を終えて富士宮市の白糸の滝あたりでパール富士を撮る予定だったが、なかなか思ったようにシダの撮影と同定が進まず時間がかかってしまい、パール富士には間に合わなくなってしまった。残照の紅富士と月を眺めることが出来たのでこれで良しとしたい。シダはまだまだ勉強不足である。

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オニカナワラビかミドリカナワラビか? 南部町シダ探索  令和4年1月16日

2022年01月19日 | シダの仲間
 シダを含めて植物は分からないことだらけである。ずっと分からないでいるのがミドリカナワラビとオニカナワラビの違いである。以前に見たものでミドリカナワラビだと思っていたシダは大部分がオニカナワラビなのではないかとずっと疑問を抱いている。おそらくじっくりと観察して、かつ季節を変えて見に行かないと答えは出ないのではないかと思っている。ヤマヒルが居ないこの季節の南部町は歩き易くて常緑のシダを観察するには良い季節ではあるが、反面痛んでいるシダが多くてソーラスが付いていないことがあるのが難点である。何度も訪問している場所であるが、果たしてこの2種類のシダの区別が出来るのかどうか、他にも見ておきたいシダが多数あり、訪問してみる。


    林道脇に生えていたアリドオシ。山梨県では絶滅危惧種であるが、南部町に行くと良く見かける。


    ヘラシダ。3年前に比べるとずいぶん大きくなった。


    中肋と鈍角に付着する線状のソーラス


    コモチシダ


    この場所ではあまり多くは生育していない。このシダも南部町では比較的良く目にする。


    フモトシダ。どこにでも普通にあるのであまり撮影したことが無いが、それなりに美しいシダである。


    ナチシダ。南方系のシダであるが数年前に山梨県にも入り込んできた。


    本来は常緑性のシダのはずだが、山梨県では冬期に大部分枯れるようだ。


    ナガバノイタチシダ。ミヤマイタチシダに非常に良く似ている。西俣川や大城川で見たものもこれかも知れず、再確認の必要がありそうだ。


    側面から見たナガバノイタチシダ。長い柄があるのが特徴である。


    ソーラスは円形でやや大き目。

 さて、問題のミドリカナワラビとオニカナワラビであるが、明らかにオニカナワラビと分かるものは何株か確認しており、まずはそれを見に行ってみる。


    何度も見ている株。これはオニカナワラビで間違いない、はずだ。


    頂羽片がはっきりしない。葉は光沢があり固めである。


    ソーラスは裂片の中肋と辺縁の中間あたりに付着する。


    鱗片は細くてこげ茶色、ないしは中央部が濃いこげ茶色をしている。


    こちらがミドリカナワラビであろうと思って観察している個体である。まだ小型でなかなか成長して来ない。


    やっとソーラスが確認出来た。先ほどのオニカナワラビに比べるとこちらの個体はソーラスが辺縁寄りに付着している。


    鱗片はこげ茶色だが、やや幅が広い。しかし、図鑑に掲載されているほどの薄茶色の鱗片では無い。

 さて、オニカナワラビは良いとして、今までミドリカナワラビと思って観察してきた個体は本当にミドリカナワラビなのかどうか?本来はかなり大きくなるはずのシダだが、あまりにも小さすぎる。ソーラスの位置は違うのだが、これが決め手として良いのかどうか?もう少し大きく成長するのを待ってから判定したいと思う。では本物のミドリカナワラビはどこにあるのだろうか?引き続き探索を続けたいと思う。


    こちらもオニカナワラビ。このシダは栄養葉と胞子葉が不完全に分かれていることが分かってきた。下のほうに斜めに生えているのが栄養葉、光沢が強い。


    胞子葉のソーラス。


    典型的なオニカナワラビのソーラスで、裂片の中肋と辺縁の中間に付着する。


    ところが、栄養葉と思わしき葉にソーラスが付着しているものがあった。これを見ると、ミドリカナワラビと思わしきものに良く似ている。どうなっているのか?


    色気を出して沢を少し登ってみる。


    ヒメカナワラビが生えていた。


    あふれんばかりの山盛りソーラス。


    鱗片は黒茶色で下向きに付着している。


    群生していたヒメカナワラビ。このシダも南部町では比較的良く目にすることが分かってきた。


    上流まで詰められそうだが、適当なところで撤退する。

 ミドリカナワラビとオニカナワラビの判別にはもう少し時間がかかりそうである。典型的なミドリカナワラビを探し出して良く観察することが必用であろう。

 もう1ヶ所、確認しておきたいシダがあって移動する。

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またまた失敗 鳥ノ胸山キャッツアイ  令和4年1月14日

2022年01月19日 | ダイヤモンド富士
 昨年11月28日にも撮影に出かけている鳥ノ胸山キャッツアイだが、カシミール3Dの設定を間違えて撮影に失敗している。今回はおそらく撮れるだろうと思っていたのだが、富士山は綺麗に現れたものの強風が吹き荒れ、富士山山腹から頂上にかけて凄い雪煙が舞っている。条件が悪いのは分かっていたが、ひょっとしたら撮れるかもしれないという思いで鳥ノ胸山に登ってみる。


    今回もまた鳥ノ胸山。ダイヤモンド富士を含めて今回が4度目になるのではないだろうか。キャッツアイの撮影にはまだ成功していない。


    何度登っても急登で辛い鳥ノ胸山の急斜面。


    グリーンロッジから約1時間半で鳥ノ胸山山頂に到着。


    太陽が富士山に近付いて来た。強風が吹き荒れており、富士山には雪煙が多量に舞っている。


    鳥ノ胸山のダイヤモンド富士。さて、キャッツアイになってくれるかどうか?







    どうもダメっぽい。

 さて、もう1台のカメラはどうだろうか?










    雪煙が多く、キャッツアイは写っていないようだ。

 途中まで見えている太陽の輪郭から見るとキャッツアイになっていておかしく無いのだが、やはり雪煙に邪魔されて写っていなかった。写っていたとしても、たぶん左側が大きなキャッツアイになったのではないかと思う。


    これだけ雪煙が舞っているとやはりキャッツアイの撮影は厳しい。


    なんとなく影富士

 山頂で食べるための軽食を持って行ったのだが、風が強くて寒く、食べずにさっさと撤退し、小走りに下りて風の少ない植林の中に逃げ込んだ。ヘッドライト点灯せずに駐車場に到着した。鳥ノ胸山キャッツアイはまたしても失敗である。懲りずにまた挑戦してみたいと思う。

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