山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山に咲くフジハタザオ  令和4年6月28日

2022年07月03日 | 山に咲く花
 富士山に生育しているフジハタザオは富士山に行けば良く見かけるあまり珍しいものではないが、山梨県では絶滅危惧種にはいっている。葉や咲き終えた種は何度も見ているが、咲いている花はまだ見たことが無い。富士吉田に出張があったので午後から富士山を訪れてみる。


    5合目駐車場から見上げる富士山。だいぶ雪が無くなり夏らしい富士山になった。


    駐車場の石垣に生えているハタザオの仲間


    葉を見てみると細長く、葉には柄が付いている。これはミヤマハタザオであろう。ヤマハタザオは葉が茎を抱く。


    ヤナギも生えている。


    おそらくこれはミヤマヤナギであろう。


    フジハタザオが咲く岩場を見に行ってみる。大部分が散ってしまっており辛うじて花が残っていた。


    根生葉はサジ状で切れ込みがあり、葉の表面には星状毛が多数付いている。


    遊歩道を歩いてみると岩壁に満開のフジハタザオが生えていた。


    林道脇の土手にも咲いていた。あちらこちらで見かけることが出来る。


    フジハタザオの花。花弁は4枚だが雄しべは6本見える。


    圧巻のコケモモ群落。あちらこちらにたくさん咲いている。


    咲き始めのベニバナイチヤクソウ。葉はたくさん見かけるが花はこれからである。


    コフタバランが咲いていた。少し痛み気味である。


    ミヤマフタバランはまだ蕾だった。


    ミヤマハンノキ。ハンノキのように高くはならない。珍しいものでは無いがじっくりと見たことが無い。


    ミヤマハンノキの若い実と葉。ではハンノキの葉はどんな形だったか?覚えていない。


    このヤナギの木も確認しておきたかった。これはミヤマヤナギのはずだ。シライヤナギやコマイワヤナギとの違いをしっかり見ておきたい。


    果穂の長さは明らかに短く、実は大き目。葉には光沢があり幅が広く、先端は細長くならない。


    若い木は地面を這うように伸びるようである。シライヤナギやコマイワヤナギとは葉の感じがだいぶ違うのが分かった。


    あまり見たことが無い花が咲いていた。


    葉の脈上に毛が生えておりウスノキと思われる。


    雲の向こうの南アルプス


    新緑のカラマツと夏富士

 下界は猛暑であるが富士山の5合目あたりまで来るとちょうど良いくらいの体感温度である。暑い日の里山や低山歩きは出来るだけ避けたいものである。


    再三探してやっと見つけたこの小さな植物


    まだ葉を十分に展開していない。これはミヤマハナワラビというシダの仲間。


    少し大きくなった個体を発見。何故か虫が行ったり来たりしている。


    まだ幼弱な胞子穂が付いている。

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これがトヨグチイノデ? 川俣川東沢を探索  令和4年6月27日

2022年07月03日 | 渓谷
 花仲間の情報によるとトヨグチイノデという変わったシダが川俣川東沢に生育しているらしく、今年も確認してきたとのことである。場所は詳細に聞いたのだが、判別が難しいイノデの仲間だけに、見ただけで分かるのかどうかが問題である。


    沢沿いに咲いていたアジサイの仲間


    ノリウツギと思われる。


    コアジサイがたくさん咲いている。


    ノイバラが満開


    赤い実が成っているニワトコ


    この渓谷沿いにはナツツバキがたくさん生育している。


    花を期待していたのだが、下から見上げると花は見えにくく、まだ時期が早いのかひとつも見つからなかった。


    小型のイノデを発見


    たぶんこれがトヨグチイノデではないかと思う。


    鱗片は薄茶色でやや細め


    小型だがしっかりとソーラスが付いている。


    裂片の辺縁寄りにソーラスが付着している。


    やや大型のものがあった。根元に近付くほど羽片が小さくなっている。


    鱗片は先ほどの小型のものとほぼ同じ。これもトヨグチイノデであろう。


    普通のイノデと同じくらい大きなこの個体はどうなのだろうか?


    ソーラスの配列はほぼ同じように見える。


    鱗片は前2者よりも幅広く見える。これは普通のイノデではないかと思う。

 やはりイノデの仲間は判別が難しく、確信は持てないが、小型のイノデのほうはトヨグチイノデとみて間違いないのではないかと思う。さらに渓谷の周辺を探索してみる。


    初めて見るスゲを発見。


    長い嘴がある。これはザラツキシラスゲ(別名チチブシラスゲ)という珍しいスゲと思われる。


    こちらがこの渓谷で普通に見かけるテキリスゲ。果胞の形が全く違う。

 さらにもう1ヶ所、そろそろ見ごろになっているであろうランを見に行ってみる。


    ちょうど満開になっていたこの花、ヒロハトンボソウ。


    薄緑色の花、トンボの目が付いているように見える。


    富士山の展望の良い場所に行き、空が焼けないかと待ってみたがあまり焼けなかった。

 ホザキヤドリギは遅かったがヒロハトンボソウはちょうど良い時期に訪問することが出来た。そしてあるという話だけ聞いていたザラツキシラスゲという稀少なスゲに出会うことが出来た。午後からの探索だったが、日没までたっぷりと植物探索した充実した日となった。

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