山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

八ケ岳に咲く花を訪れる  令和4年7月9日

2022年07月12日 | 山に咲く花
 先週に続いて八ヶ岳に咲いている花を訪問してみる。今回は主にラン科の植物を中心に見て歩いた。


    ニシキウツギは盛期を少し過ぎていた。


    イブキジャコウソウは満開であちらこちらに咲いている。


    ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)がパラパラと咲いている。群生はしていない。


    ニッコウキスゲの花


    驚いたのがこのケブカツルカコソウの群生


    毎年鹿の食害を受けて小さな個体がわずかしか出なかったが、今年はたくさん咲いてくれた。このまま無事に結実してくれることを願う。


    昨年は外れ年でほとんど花を咲かせなかったヤマトキソウが今年は結構花を咲かせてくれた。


    ヤマトキソウの花


    なかなか花を開いてくれないが、運良く開いているものがあった。


    ヤマサギソウ。距が長く真直ぐに伸びて先端部が少し曲がる。上萼片はバンザイするように開く。


    タカネサギソウ。長い距は弧を描くように強く湾曲する。ヤマサギソウに比べて花が大きく背が低い。


    ミヤマチドリ。タカネサギソウに似ているがこちらは上萼片が開かず距がきわめて短い。


    タカネアオチドリ。花が鈴なりにたくさん付く。唇弁の先端部が3裂する。


    テガタチドリ。だいぶ個体数が減ってしまっているが今年はそこそこに咲いていた。


    ハクサンチドリ。かつてはたくさんあったのだが今では草地の中に時々見かける程度である。


    ニョホウチドリ。ハクサンチドリに似るが唇弁や上萼片の先端部が尖らず円くなっている。昨年はほとんど花が見当たらなかったが今年はそこそこに咲いてくれた。


    カモメラン。生育地が崩れて個体数はだいぶ減ってしまっている。昨年とほぼ同様に咲いたのは3株のみだった。


    ヒメムヨウラン。今年はあまり見かけなかったが年によって増減がある。


    笹薮の中に咲いていたコハクラン


    樹林の林床に咲いていたコハクラン


    草むらの中に咲いていたコハクラン。会えればラッキーと思ったほうが良い個体数が少ないランである。昨年見かけた場所では確認出来なかった。


    ヒメスズムシソウ。今年は小さな個体ばかりである。


    やや訪問時期が遅かった。個体数は昨年よりも減少しているように見受けられる。


    崩れそうな土手の際に咲いていたヒメスズムシソウ。下側の株は花がたくさん付いた奇形と思われる。


    岩壁にイトイが咲いていた。小さくて白くて可愛らしい花。


    ミヤマハンショウヅルが岩壁からぶら下がっていた。


    ミヤマウラボシとナヨシダ。この場所のナヨシダは大きくて背が高い。


    たぶんタカネウシノケグサ


    おそらくタカネノガリヤス。イネ科の植物は同定するのが難し過ぎる。


    リシリカニツリ。茎に毛がたくさん生えている。


    コウリンタンポポ。外来種で本来八ヶ岳には無いはずの植物。これが生えているのはまずい・・・。

 ラン科の植物だけでなく他の花や木々も見て回ってきた。今年はラン科の植物は比較的当たり年のように見え、いつもは見かけない場所に咲いていたり花数が多かったりと、楽しく散策することが出来た。しかし、ヒメスズムシソウが減ってしまっていることはだいぶ心配である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キンセイラン満開、しかし失われた花も・・・  令和4年7月7日

2022年07月12日 | 山に咲く花
 そろそろ見ごろを迎えているであろうキンセイランを見に行ってみる。


    今年も咲いてくれたキンセイラン


    ちょうど見頃である。


    まだ花を咲かせない若い葉もたくさんある。


    やや小型の株


    1株から2本花柄を出した株


    キンセイランの花


    上品な薄黄色の花

 今年のキンセイランは当たり年のようで株数も花数もまずまずのように見受けられる。一安心である。

 さて、もう1ヶ所オオヤマサギソウが咲く場所を訪れてみる。そこそこに個体数があったのを6月に確認しており、そろそろ花が咲いている頃だと思う。しかし、訪問してみてビックリ!あったはずの株が見当たらない。


    ここには4~5株生えていたはずだが無い。


    保護柵の中。昨年は10株以上出ていたはずだが全く見当たらない。


    若葉が数枚


    花穂を出していたのはこの1株だけである。

 確認していた株は10株くらいあったはずだがそっくり消失している。食害ならば葉だけが食われているはずだが何も無い。しかも設置した保護柵の中の株まで消失している。これはどう見ても盗掘であろう。これほど大量の株を持って行くということはおそらく園芸採取であろう。保護柵を設置してやっと個体数が増えてきた矢先にこの盗掘である。なんともやるせない思いでいっぱいである。


    保護柵の外で倒れかかっていたオオヤマサギソウ


    これは鹿の食害か、葉が千切れた株

 再生に何年かかるのか、あるいはそれほどの個体は残っていないのか?地中にまだ芽を出していない根が残っていることを期待したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする