山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

北岳(2日目)池山吊尾根を行く(続編2) カヤツリグサ科とイネ科の植物 令和4年7月18日

2022年07月25日 | 渓谷
 カヤツリグサ科とイネ科の植物は同定するのが非常に難しく、図鑑と見比べるだけでは分からないものが多数ある。特にイネ科の植物は分解してみないと分からないものがあり私のレベルで見分けるには困難なものが多数ある。現在勉強中の植物であり同定にも自信が無く、誤った記述が多数あるであろうがお許しいただきたいと思う。


    北岳で最も普通に見かけるカヤツリグサ科の植物、イワスゲ。


    雌小穂が全体的に細長く、鱗片は細めで芒がほとんど伸びない。


    こちらも普通に見かけるスゲ、ミヤマアシボソスゲ。


    先端部の雄小穂とその下の雌小穂がはっきり分かれる。雌小穂は全体的に丸っこく、雌鱗片にはやや長い芒が付いている。


    似ているが先端部の小穂が違うこのスゲはタカネナルコと思われる。


    先端部の小穂は先が雄で下が雌の雄雌小穂の形をしている。その下に付く雌小穂の鱗片は細めで芒が付いている。


    おそらくこれもタカネナルコ。岩場の隙間を好んで生育しているようである。


    初めて見る別のスゲに遭遇した。小穂がやや大き目で太めである。


    頂小穂はおそらく雌雄性であろう。側小穂は雌性で鱗片が黒っぽくて幅が広く、芒が無い。おそらくこれは探していたクロボスゲであろう。


    それなりに大きな個体があったが、逆光で撮影はいまいちだった。


    これはヒゲハリスゲであろう。八ヶ岳ではあまり見かけなかったが北岳ではこれでもかというくらいにたくさん生育していた。


    ショウジョウスゲか、それともオノエスゲか? 区別が難しいスゲ。


    雌小穂の鱗片を見てみると果胞と同じかやや長い。鱗片の辺縁は薄くなって白っぽくなっているように見える。これはオノエスゲであろう。


    富士山を望む好位置に生えていたこれもオノエスゲと思われるが、小穂の観察が不十分だった。


    良く見かけるミヤマアワガエリ。


    会いたかったこのイグサ科の草、クモマスズメノヒエ。


    岩の隙間にも生えるが、草地にも普通に生えていた。


    穂の先端部が垂れ下がるのが特徴である。しかし、果胞になる前の花の段階では垂れ下がらないようである。


    ガレ地に生えていたミヤマコウボウ。草地にも多く生えており、北岳では普通に見かけられる。


    これはリシリカニツリであろう。


    茎には軟毛がたくさん生えている。


    イチゴツナギの仲間のようである。


    おそらくミヤマイチゴツナギと思われるが、キタダケイチゴツナギとの区別が良く分からない。

 他にもいろいろ見てきたのだが、この日の行程が長いうえに荷物が重く、しゃがみ込むと立ち上がるのが容易ではなく十分な撮影が出来なかったのがちょっと残念である。高山帯のイネ科植物は区別するのに良い図鑑を持ち合わせておらず、間違っているものが多々あるであろうがお許しいただきたい。

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北岳(2日目)池山吊尾根を行く(続編) シダ類 令和4年7月18日

2022年07月25日 | 山に咲く花
 北岳は花だけではなく、高山性のシダ類や低地では見られないカヤツリグサ科やイネ科の植物も多種生育している。目立たない植物であまりこれらの植物を見て回っている人は少ないかも知れないが、見始めると本当に面白い植物ばかりで、特に何だか分からないものが多数あるところが面白いのではないかと思う。まだ勉強中のものが多く、今回の記事も間違っていることが多数書かれているであろうが、そのつもりでご覧いただきたい。


    北岳を代表するシダといったらこのキタダケデンダであろう。全体的に毛が多い。登山道沿いで見られるのはおそらく1ヶ所だけであろう。


    石灰岩を含んでいると思われる岩の隙間に生えるキタダケデンダ


    似ているがこちらはあまり毛が生えていないタカネシダ


    大株のタカネシダ。今まで見た中ではいちばん大きい。


    石灰岩地を好むアオチャセンシダ。常緑性のシダであるがこの季節でもまだ枯れた部分がある。下には小型のヤツガタケシノブが数株。


    草に隠れた岩棚の奥に生えていたヤツガタケシノブ。小さなシダで探すのが難しい。


    こちらも岩の隙間にひっそりと生えていたヤツガタケシノブ。先端部の胞子葉は細長いが基部の栄養葉は切れ込んだ丸みを帯びた葉の形をしている。


    石灰岩地を好むイワウサギシダ。ウサギシダに似るが最下羽片の下向き第一小羽片があまり大きくならず、全体的に細長い。


    岩棚の奥に生育しているイワウサギシダを新たに発見した。


    いつもとは別の場所で発見したコスギラン。無性芽がたくさん付いている。


    ハイマツの隙間で発見したヒカゲノカズラの仲間


    夏バテで枯れかけている。胞子穂が出ておらず確定できないのだが、これはチシマヒカゲノカズラではないかと思う。

 小さいうえに岩の隙間や岩棚を好んで生育し、発見しにくいヤツガタケシノブであるが、今年は比較的多く出会うことが出来た。キタダケデンダは例年とほとんど変わっておらず、増殖する様子も無い。他にもいろいろ撮影してきたが、ミヤマヘビノネゴザと思って撮影してきたものがミヤマメシダだったのは失敗であった。

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