昨年も10月に訪問している高層池であるが、その際に浮かんでいたタヌキモと思わしき水草の殖芽を調べてみたところ、おそらくはイヌタヌキモであろうと推測された。調べた殖芽は1個だけだったので今年はもう少し調べてみたいと思っている。そろそろ捕虫嚢が脱落して殖芽を付けている頃であろう。
水量がだいぶ少ない高層池
10月に入ってもまだヒツジグサが咲いていた。
2輪並んで咲いていたヒツジグサ
光の当たり方が悪く葉や花が白飛びしてしまった。
このあたりでそれなりに個体数を確認していたタヌキモであるが、ほとんど見当たらない。
ほとんどが沈水したようである。残っていたタヌキモをすくい上げて調べてみる。
捕虫嚢はほとんど脱落していて沈水する直前であろう。先端に楕円形の殖芽が付いている。
マクロ撮影。毛が生えているのが見えるが中軸がどうなっているかは不明。
別株。こちらはまだ捕虫嚢が少し残っている。
殖芽は楕円形をしている。色は茶色がかかった緑色であるが、これからこげ茶色になってくるのではないかと思う。
タヌキモはイヌタヌキモとオオタヌキモの雑種と言われており、実は個体数が少なくあまりお目にかかれるものでは無い。イヌタヌキモがタヌキモの仲間の中では最も多く目にするのではないかと思う。タヌキモの殖芽は球形で大きく緑色をしているのに対してイヌタヌキモは楕円形で茶色い色をしていると言われている。この池に生育しているタヌキモの殖芽は楕円形をしており、おそらくはイヌタヌキモで間違いないと思っている。分解して中軸の形態を調べればもっとはっきりと分かるのであろうが、個体数が少ないのに分解するのはあまりにも可哀そうである。自信をもって確定は出来ないが、この高層池に生育しているタヌキモの仲間はイヌタヌキモとしておきたいと思う。