山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

金ヶ岳一夜(2日目)

2011年04月11日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年3月26-27日

 金ヶ岳の夜は予想以上に寒かった。冬型の気圧配置になったこの日は前年の1月に泊った時よりもずっと寒く感じた。温度計は持って行かなかったが、おそらくは-10℃くらいになったのではないだろうか。フリース、ダウン、そしてオーバージャケットを着込んでシュラフに潜ったにもかかわらず、寒くて2時間ほどで目が覚めてしまう。止む無くバーナーを焚きながら横になっていると、そのまま眠ってしまい、気がつけば起床予定の午前3時半だ。バーナーに触れなかったから良かったものの、一歩間違えばテントが火事になっていたかもしれない。気をつけなければ。

    甲府盆地に昇る月 15mm diagonal fisheye


    同上 月の右側にうっすらと天の川が見える。その右の星座がさそり座。

 テントの外に出ると月が昇り始めていた。さそり座の尻尾のあたりに昇る月で、天の川が流れているあたりになるのだが、この日の月は明るすぎて天の川は見えない。写真に撮ってみると、少しだけ天の川が写っていた。富士山と茅ヶ岳を並べてこの月を撮影したかったので、300mほど下った崩落地点に移動して三脚を構える。山の上から見る甲府盆地の明かりは本当にきれいだ。

    薄明の甲府盆地に昇る月


    茅ヶ岳、富士、そして月

 やがて水平線がオレンジ色に染まり始め、空が明るみ始める。瑠璃色に染まる空、そこに輝く月、今回見たかった景色が広がる。ふと後ろを見ると八ヶ岳の空にEarth shadowが出ている。もっと鮮やかだったのは南アルプスだが、残念ながらこの位置からだと木が邪魔になって山がうまく見えない。そして、白い山々に朝日が射し始め、日の出を迎える。風が止んで穏やかな朝になった。

    八ヶ岳とEarth shadow


    夜明けの南アルプス


    朝日射す八ヶ岳


    朝の茅ヶ岳と富士


    茅ヶ岳の上に立つ朝富士(金ヶ岳北峰山頂から)


    朝の南アルプス(金ヶ岳北峰から)


    茅ヶ岳の左に立つ富士(金ヶ岳南峰中腹から)

 テントに戻って朝食後、テント撤収して茅ヶ岳に向う。腕の調子次第ではそのまま下山と思っていたのだが、朝起きた時点ではほとんど左腕の症状がない。これならば距離が長くなるが茅ヶ岳から千本桜ルートで下山しても大丈夫という判断で、茅ヶ岳の標柱を見て行くことにした。8時金ヶ岳北峰を出発、雪があるので軽アイゼンを装着したが、必要だったのは金ヶ岳北峰と南峰の間だけでその他はほとんど土が露出しており、アイゼン無しでも歩けた。9時20分茅ヶ岳山頂到着。ツインタワーは元気に立っていた。持ってきたラッカースプレーを噴霧して標柱整備を行なう。10時ごろまで山頂でのんびりしていたが、この日は誰も登ってこなかった。

    茅ヶ岳と金ヶ岳の間にあるトンネル岩


    茅ヶ岳ツインタワーと金峰山

 千本桜ルートは、最初は急下りだがやがてなだらかな尾根道になる。3つ4つ小コブを越えると再び急下りとなり、下り切ると千本桜公園に到着する。道はしっかりしていて歩きやすいのだが、深田公園側のルートに比べると距離が長い。11時25分、千本桜公園到着。ルート中間点あたりで左手の筋力が尽きて腕が萎えてしまった。左腕は筋力だけでなく、持久力も相当衰えているようだ。公園から駐車場まではすぐだろうと思っていたが甘かったようで、林道は谷間を大きく回りこんでいて、50分ほど歩いてようやく到着した。12時半、無事下山。

    茅ヶ岳から見る南アルプス


    金ヶ岳と八ヶ岳


    茅ヶ岳から見る富士山

 昨年秋以来、行こうと思いつつも何度も断念していた金ヶ岳1泊山行、ようやく行くことができた。テント泊などしなくても登るだけなら簡単に行ける山だが、甲府盆地の夜景、カノープス、月、そしてさそり座と天の川など、この山は夜の魅力満載の山だ。空気の澄んだ日に、今度は肉眼で甲府盆地の上に輝くカノープス、そして空を横切る天の川を眺めてみたいものだ。

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