休みの日にあまり当たることが無いために滅多に撮影に行けない丹沢山系のパール富士だが、今回は都合良いことにゴールデンウィーク中に塔ノ岳で撮影のチャンスがやって来た。しかし、都合が悪いことに自分の愛車が修理中で代車にはカーナビが付いていないうえに車中泊するにはあまり向かない軽自動車である。一旦はあきらめて一緒に行く予定だったのぞむ先生に不参加の連絡を入れた。しかし、天気予報を見る限りでは好条件が揃い過ぎている。では現地までどうやって行くか?レンタカーを借りるか、妻の車を借りるか等、いろいろ考えた末に、山用のガーミンGPSに車道の軌道を登録しておいてそれに従って大倉の駐車場まで行くことにした。27日に一応尊仏山荘に泊まれるかどうか連絡を入れてみるが当然満室である。さらに花立山荘、鍋割小屋にも電話してみたがいずれも繋がらず、大倉の駐車場で仮眠して夜中に登ることに決める。山を歩くことよりも無事に駐車場までたどり着けるのかどうか、車中泊で眠れるのかどうかのほうが不安だった。
4月29日の午後5時、何ヶ所か道を間違えながらも秦野戸川公園の駐車場に到着した。車を駐車して改めて駐車場の案内板を見ると、夜間駐車は禁止と書かれている。しかし今さら泊まれる宿など確保できるはずもなく、周辺の駐車場情報も何も持っていない。もはやここで仮眠するしか選択肢が無い。ルール違反は承知で駐車場のいちばん隅に車を止めさせてもらい、6時に寝る。11時に起きて出発するはずだったが、やはりあまり眠れずに9時半に目が覚めてしまう。そのまま横になっていたがもはや眠れそうも無く、10時半に準備を始めて11時前に出発した。ルートは明瞭で迷う場所など無かったが、想定していた通りに長いルート、かつ延々と続く木道と木の階段道には体力を消耗した。
花立山荘の下から見る神奈川の夜景。
しかし、どこまで続くこの階段道。歩幅の調節が難しく体力を使う。
花立山あたりから見る富士山。雲海の上に富士山が浮かんでいる素晴らしい情景が広がる。月の左横に輝く明るい星は木星。
山頂に近付くにつれて風が強くなってきた。体感温度もかなり寒くカッパを着込み、それでも寒いのでフリースのジャケットも着込んだ。4時間半かかって未明3時半に塔ノ岳山頂に到着した。既に10本以上の三脚が立ち並んでいるが広い塔ノ岳山頂は十分な撮影スペースがある。GPSを取り出して登録してきたムーン・キャッツアイが撮影可能な座標点を探すのだが、強風のためかGPSの感度が悪く座標が20~30mくらい簡単にずれてしまう。カメラマンの皆さんが構えている場所とは違う場所で一人カメラを構えるが、強風のため折角担ぎ上げたBorg570mm 望遠レンズは風でブレてしまい使い物にならず、もう1本の70‐200㎜ズームを使うことにする。時折雲が湧き上がって富士山が見えなくなることもあるのだが、それにしても凄い雲海の景色が広がったものである。
雲海が広がった塔ノ岳の富士山。
凄い景色である。
Borg570mm はシャッタースピードを速くすれば月はなんとか撮れる。強風で空気が淀み、月の輪郭が波打っている。
しかし富士山に露出を合わせてシャッタースピードが遅くなると強風で揺れてブレまくり、使い物にならない。あきらめて別のレンズをセットする。
このまま雲海上のパール富士いただき!と思ったのだが・・・
富士山の向こう側に雲が出ていて月が隠れ始めてしまう。
隠れ始めた黄金の月。200㎜望遠ズーム。
なんとか月が現われてくれたものの、雲に遮られて不鮮明。
同上
富士山頂に接地した頃。
同上
白山岳に月が沈んで行く。
ムーン・キャッツアイは・・・20mくらいズレている。今回はGPSがうまく作動しなかった。
夜明けの富士山
霞が多かったためか、あまり焼けなかった。
日の出
影塔ノ岳と富士山
カメラマンの中にはのぞむ先生の他に彼の知り合いの著名なブロガーたちが何人も撮影に来ていた。軽く朝食をとって、のぞむ先生と一緒に長い大倉尾根を下山する。
山頂から見る富士山
花立山荘の前から見る富士山。今朝もこのくらい晴れていてくれれば・・・。
オキナグサが大倉尾根にあったのには驚き。
1本だけキンランにも出会えた。
山頂の寒さは嘘のように高度を下げると暑くなってきた。途中のお茶屋でかき氷を食べてコーヒーをいただき、少し眠気を覚まして10時に下山した。それにしても人気の高い山だけあって、続々とやって来る登山者の多さには驚かされた。午前10時、無事に下山。車での帰り道はやはり道が全くわからず、ルートを大きく外れてしまいガーミンGPSも役に立たない。山の景色を見ながらたぶんあっちの方向・・・と道を進んで行くと、運良く東名高速道路の案内板が出てきたのでなんとか高速に乗ることが出来た。足柄サービスエリアで1時間ほど仮眠して帰路についた。
稀にしか出会えない雲海上のパール富士撮影の大チャンスだったが、なかなかうまく行ってくれないものである。しかし、パール富士にはならずとも、その前の時間に見た雲海上の富士山に輝く月と木星の景色は滅多にお目にかかることが出来ない素晴らしい景色だった。パール富士ならずとも十分に満足である。
4月29日の午後5時、何ヶ所か道を間違えながらも秦野戸川公園の駐車場に到着した。車を駐車して改めて駐車場の案内板を見ると、夜間駐車は禁止と書かれている。しかし今さら泊まれる宿など確保できるはずもなく、周辺の駐車場情報も何も持っていない。もはやここで仮眠するしか選択肢が無い。ルール違反は承知で駐車場のいちばん隅に車を止めさせてもらい、6時に寝る。11時に起きて出発するはずだったが、やはりあまり眠れずに9時半に目が覚めてしまう。そのまま横になっていたがもはや眠れそうも無く、10時半に準備を始めて11時前に出発した。ルートは明瞭で迷う場所など無かったが、想定していた通りに長いルート、かつ延々と続く木道と木の階段道には体力を消耗した。
花立山荘の下から見る神奈川の夜景。
しかし、どこまで続くこの階段道。歩幅の調節が難しく体力を使う。
花立山あたりから見る富士山。雲海の上に富士山が浮かんでいる素晴らしい情景が広がる。月の左横に輝く明るい星は木星。
山頂に近付くにつれて風が強くなってきた。体感温度もかなり寒くカッパを着込み、それでも寒いのでフリースのジャケットも着込んだ。4時間半かかって未明3時半に塔ノ岳山頂に到着した。既に10本以上の三脚が立ち並んでいるが広い塔ノ岳山頂は十分な撮影スペースがある。GPSを取り出して登録してきたムーン・キャッツアイが撮影可能な座標点を探すのだが、強風のためかGPSの感度が悪く座標が20~30mくらい簡単にずれてしまう。カメラマンの皆さんが構えている場所とは違う場所で一人カメラを構えるが、強風のため折角担ぎ上げたBorg570mm 望遠レンズは風でブレてしまい使い物にならず、もう1本の70‐200㎜ズームを使うことにする。時折雲が湧き上がって富士山が見えなくなることもあるのだが、それにしても凄い雲海の景色が広がったものである。
雲海が広がった塔ノ岳の富士山。
凄い景色である。
Borg570mm はシャッタースピードを速くすれば月はなんとか撮れる。強風で空気が淀み、月の輪郭が波打っている。
しかし富士山に露出を合わせてシャッタースピードが遅くなると強風で揺れてブレまくり、使い物にならない。あきらめて別のレンズをセットする。
このまま雲海上のパール富士いただき!と思ったのだが・・・
富士山の向こう側に雲が出ていて月が隠れ始めてしまう。
隠れ始めた黄金の月。200㎜望遠ズーム。
なんとか月が現われてくれたものの、雲に遮られて不鮮明。
同上
富士山頂に接地した頃。
同上
白山岳に月が沈んで行く。
ムーン・キャッツアイは・・・20mくらいズレている。今回はGPSがうまく作動しなかった。
夜明けの富士山
霞が多かったためか、あまり焼けなかった。
日の出
影塔ノ岳と富士山
カメラマンの中にはのぞむ先生の他に彼の知り合いの著名なブロガーたちが何人も撮影に来ていた。軽く朝食をとって、のぞむ先生と一緒に長い大倉尾根を下山する。
山頂から見る富士山
花立山荘の前から見る富士山。今朝もこのくらい晴れていてくれれば・・・。
オキナグサが大倉尾根にあったのには驚き。
1本だけキンランにも出会えた。
山頂の寒さは嘘のように高度を下げると暑くなってきた。途中のお茶屋でかき氷を食べてコーヒーをいただき、少し眠気を覚まして10時に下山した。それにしても人気の高い山だけあって、続々とやって来る登山者の多さには驚かされた。午前10時、無事に下山。車での帰り道はやはり道が全くわからず、ルートを大きく外れてしまいガーミンGPSも役に立たない。山の景色を見ながらたぶんあっちの方向・・・と道を進んで行くと、運良く東名高速道路の案内板が出てきたのでなんとか高速に乗ることが出来た。足柄サービスエリアで1時間ほど仮眠して帰路についた。
稀にしか出会えない雲海上のパール富士撮影の大チャンスだったが、なかなかうまく行ってくれないものである。しかし、パール富士にはならずとも、その前の時間に見た雲海上の富士山に輝く月と木星の景色は滅多にお目にかかることが出来ない素晴らしい景色だった。パール富士ならずとも十分に満足である。
皆さん本当にすごい方たちばかりなので強風の山頂も心強かったです。
パールは少し残念でしたがその前の雲海は幻想的で苦労して登った甲斐がありました。
あの雲海上の富士山と月はそうめったに見られる景色では無いので、あれを見られただけでも十分だったと思います。
また、キンランとオキナグサのカットもステキです。私とは花への愛が違うのかなぁ。
かき氷ごちそうさまでした。山で食べると街中よりも2割増しで美味しかったです。