岐阜県の中山道沿いの馬篭宿や妻篭宿は観光地として復元され、多くの人々が訪れています。
しかし同じ中山道でも奈良井宿はひっそりと江戸時代の雰囲気を残しています。観光客も少なく、静かに散策出来ます。江戸時代にタイムスリップしたような不思議な感じを受けるところです。
とにかく遠いのです。
東京から車で中央高速道路で長野県の塩尻まで行きます。
塩尻から木曾谷へ国道19号線を木曽福島の方向へ20km位走ります。すると昔の中仙道の奈良井宿が右手に見えて来ます。奈良井へ入る道の案内看板があり、駐車場があります(一回500円)。車を預け、江戸時代の宿場町を静かに散歩するのです。江戸時代のままの旅籠や店を再現し、保存している900m位の通りを散歩するのです。
奈良井宿は鎌倉時代から宿駅として栄えていました。木曽路の分水嶺、鳥居峠の北側のこの付近に土豪、奈良井氏が居館を構えていたのです。
戦国時代は木曽一族と甲斐の武田一族の戦いの場所であったため、付近には多数の戦死者を葬った沢が「葬沢」という名前で残っています。
江戸時代になり徳川家康により慶長7年(1602年)中仙道の宿駅が決められたそうです。それ以来、260年間、中仙道は江戸と京都を結ぶ重要な街道でした。
奈良井宿は木曽11宿で一番大きな宿であり、中山道、全67宿の中でも有数の規模を誇っていたそうです。
明治維新の時も幸い火災にもあわず江戸時代の家屋が残ったのです。戦後、昭和30年頃から、修理、復元の努力を続けて来ました。そして昭和53年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されたのです。
同じ木曽路の馬籠宿と妻籠宿ほど有名でないのが幸いして、観光客も少なく落ち着いた雰囲気です。人影の無い宿場町を風が通り過ぎて行きます。現代風の服装をした人々も居ないので、本当に江戸時代に生まれ変わったような不思議な気分になります。 東京から日帰りの出来る小さな旅です。
静かな木曽蕎麦の「盛り」と五平餅の昼食にすることをお勧めです。ソバそのものの味を楽しむには「盛り」が良いと思います。
この奈良井宿へは数回訪れています。下に示した写真は2008年6月1日に家内が撮影しました。
(奈良井宿の観光情報のURL:http://www.naraijyuku.com は良く出来ているので是非ご覧下さい。特に建物の特徴が面白いです))
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