後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

薬草の花々をお送り致します

2014年07月07日 | 写真

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上はキク科キクイモモドキです。

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上はセイヨウニンジンボク。ヨーロッパの民間薬だそうです。

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上はシソ科カッコウチョロギ。ヨーロッパの民間薬、乾燥して粉末が頭痛、鎮痛に効くそうです。

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上はシソ科サルビア・ガラニティカ。日本ではメドウセージという名で流通しています。

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上はホタルブクロです。 撮影は2014年7月2日、東京薬用植物園です。


ローマ法王フランシスコ著、「信仰の光」から読み取れる「ニーチェの神は死んだ」への解答

2014年07月07日 | 日記・エッセイ・コラム

私は現在のローマ法王のフランシスコさんが大好きです。それでつい彼が出版した「信仰の光」という本をネットで購入しました。900円でした。

書評を書くべく一読しましたが、文章が神学的に難解で全部はとても理解出来ません。理解出来なくて書評など書けませんのでこの本の一部だけをご紹介します。

一般の方々へは是非お買いになってお読みくださいと言いたくなる本ではありません。神学や宗教に興味のある方々にはお薦めしたい内容の本です。

このような神学的な文章になったのはこの本の草稿を神学者であり前の教皇であったベネデクト16世が書いたからでしょう。

貧しい人々や教育の受けられなかった人々に常に寄り添うフランシスコ教皇ならもっと誰にでも理解しやすい文章で書いたはずです。

この本を少しでも理解する鍵は、第二章、「信じなければ、あなたがたは理解しない」ということです。

そしてそれ故に信仰の無い者が神学を研究しても、その神学はむなしいというのです。

私は一応カトリックの信者なので意味が理解出来る文章には全て納得します。賛成です。深く同感です。

しかし神学者のベネデクト16世が書いたのでやたらに聖人や哲学者や神学者の名前が出てきて、そのたびに自分の知識の無さにあきれてしまうのです。困ったものです。

そこで序文に書いてある「幻想の光?」と題するニーチェに対する反論の部分だけをご紹介します。

ニーチェは19世紀末頃に、「神は死んだ」と言い、鋭いキリスト教批判をしたことで有名です。理路整然とした論理を展開して神の存在を否定したのです。その論鋒は鋭く、論理的な反論は容易ではありません。詳しくは「神は死んだ」というキーワードで検索するといろいろ情報があります。

そして同じ19世紀末頃、カール・マルクスが共産主義を発表して宗教を完全に否定しました。革命の成功したソ連では教会や修道院が破壊されたのです。

これらは西洋文化の歴史の中で驚くべき「キリスト教受難」の事件だったのです。

今回のフランシスコ教皇の本ではまず序文の「幻想の光?」と題する一小節の部分のみを下に示します。

・・・若きニーチェ(1844-1900)は妹のエリーザベトをこう招きます。危険を冒しなさい。「独り立ちでふらふらしながら・・・・新しい道を進んでゆきなさい」と。ニーチェは続けて云います。「ここで人間の歩む道は分かれるのだ。おまえが魂の安らぎと幸福とを得ようと努めるのなら、信仰を持つがいい。もし真理の使徒であろうとするのなら、探究するがいい」。信仰と探求は相いれない。このことから出発して、ニィーチェはキリスト教批判を展開することになります。キリスト教は、人間存在から力を奪い、人生から新しさと冒険を取り去るというのです。こうして信仰は、解放された人間が未来に向かう妨げとなる幻想の光となるのです。・・・・・

そしてこの本の以下の各章で、ニーチェのような論理的理解が間違っていることを丁寧に示しているのです。宗教は論理でなくて信じなければ理解できないのです。そして信仰の光が人間の行くべき道を照らしてくれるのです。

この本の理解出来た部分だけから言えば次のようになります。

ニーチェ自身も言っているように人間が幸福になるには信仰を持つのが良いのです。魂の安らぎも得られます。人間が科学的に探究できる範囲には限度があります。それを越えるのが信仰の光なのです。

ニーチェの言う・・・キリスト教は、人間存在から力を奪い、人生から新しさと冒険を取り去るのです。こうして信仰は、解放された人間が未来に向かう妨げとなる幻想の光となるのです。・・・・・の部分は全く間違っています。

私も間違っていると思います。

キリスト教は、人間存在へ力を与え、人生に新しさと冒険を与え続けるのです。こうして信仰は、解放された人間が未来に向かう希望の光となるのです。と私も理解しています。

以上はこの本の一部の紹介です。カトリックの信者や宗教に興味のある方々は買って、読んだ方が良い本です。教皇がフランシスコさんになってから、時々一般信者へ教会を通してメッセージを送ったり、本を販売するようになりました。とても親しみの感じるローマ法王です。

今日の挿絵代わりの写真は世界遺産のケルンの大聖堂の写真です。ケルン教区は敗戦後に東京大司教区を経済的に支援してくれた恩義があります。絶対に忘れません。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。

後藤和弘(藤山杜人)

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写真の出典は、http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage556 です。