1990年前後のバブル経済の崩壊から後を「伝統文化の変革期」と私は定義したいと思います。それは江戸時代から明治、大正、昭和と続いた日本人の伝統的な価値観や民族特有の文化がどんどん変化している時期だからです。
いろいろな新しい社会現象が起きています。
今日はその一例として「自然葬の普及」について考えてみます。
日本人は遺骨は決められた墓地以外に埋めると、刑法190条により「遺骨遺棄罪」になると思っています。この刑法を支えているのが戦後の昭和23年に出来た「墓地、埋葬等に関する法律」の規定です。
しかし、1991年に「葬送の自由をすすめる会」が神奈川県の相模湾で海への散骨をしたのです。その後、この会は全国に12の支部を作り、会員も12000人になります。
15年後の2006年までに全国で1137回の自然葬を行い、1945人の遺骨を自然へ還しています。現在は毎年100回程の自然葬を行い200人ほどの遺骨を自然へ還しています。
1991年、我が国で初めての海への散骨葬が行われたのは画期的な事でした。そのすぐ後、法務省と厚生省は刑法190条と墓地、埋葬等に関する法律に関して新しい解釈を発表し、「葬送の自由をすすめる会」の葬送は違法ではないという趣旨を公にしたのです。
適切な方法なら海への散骨だけでなく樹林葬や桜葬や山岳などなどへの散骨葬は違法でないという解釈です。
「適切な方法」は具体的に規定していません。
しかし法務省や厚生省の法律への新見解以後、多くの宗教団体や業者が「自然葬」を斡旋し、代行する事業を始めたのです。東京都立小平霊園でも現在、樹木葬のような自然葬の受付をしています。
私は先日以来、「適切な方法」とは具体的にどのような方法か調べてきました。数多くの自然葬実施団体の実行方法を検索してしらべました。
そこで判ったことでは、自然葬では以下のような条件が必要なのです。
(1)火葬にした遺骨は必ず米粒以下の粒子か粉にすること。一見して遺骨と判らないようにし、海水中や土中へ溶けやすい状態にすること。(遺骨はリン酸カルシュームが主成分で水には難溶性です)
(2)海への散骨は海水浴場や湾内の養殖筏の近辺はいけない。沖でも漁場に使われる海域はいけない。風評で魚が売れなくなることへ充分配慮する。
(3)陸上での散骨は土地の所有者の承諾を得ること。自分の所有する山でもキノコや山菜取りの入会権へ充分配慮する。自分の別荘の庭に散骨するのは別荘が他人の手に渡った場合についても充分な配慮をする。(アメリカでその為に不動産価格が下がって裁判になった例がある)
(4)国有林は広大で散骨に適しているが、管理している農水省や国土交通省の明確な見解が発表されていない。NPO葬送の自由を進める会が現在、国有林の散骨葬への解放運動をしている。
僻地の町や村の所有する山林はその役場に願い出ると許可される場合もある。
以上、結論的に言えば他人の迷惑にならないようにすることが「適切な方法」となります。
その具体的な相談に乗ってくれそうないろいろな団体のURLを下にしめします。
自然葬を行っている団体の数例:
風という会社:http://sankotsu-kaze.com/about/index.html
NPO葬送の自由を進める会:http://www.shizensou.net/
家族葬の会:自然葬(海洋葬・里山葬):http://www.npo-kazokusou.net/support/nature.html
7つの海で海洋散骨:http://shizensou.com/
そして下に実際に東京湾と湘南の7つの海域で散骨葬をしている場所の例を写真で示します。昨日掲載した、今日は曇り、後雨の暗い日なので晴天の日の写真をお送りします。の中の3枚の写真とあわせてご覧ください。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
上は東京湾です。下は熱海湾です。
下は沖の方です。実際に散骨葬に使うモーターボートが写っています。
写真の出典は、7つの海で海洋散骨:http://shizensou.com/です。