所沢にある航空公園は日本で初めて、1911年(明治44年)に飛行場が出来たところです。
その公園の中に「所沢航空発祥記念館」があります。数々の昔の飛行機が展示してあります。その隣に大型映像館もあります。
この航空展示館は日本の航空技術とアメリカの技術の比較が出来、考えさせられる所です。私にとっては技術史の観点から、大変興味深いところなので時々訪問します。
今日、久しぶりに行きましたところ、大型映像間でゼロ戦の開発技術と飛んでいる姿のドキュメンタリー映画をしています。つい興奮してしまい入場しました。
上映は7月1日から9月30日までで、「日本の航空技術100年」とう題目の映画です。内容は航研機とゼロ戦とYS-11の3つの部分から成っています。特にゼロ戦の部分は詳細です。
堀越二郎主任技師が昭和12年から設計を始め、昭和14年に試作一号機が完成します。
ところが試作2号機が空中分解してしまうのです。原因は尾翼の付け根にありました。問題を解決して、当時としては世界一の性能を持った戦闘機が完成するのです。戦争中14000余機製造され太平洋戦争に投入された名機でした。
この映画では、当時世界一の性能の戦闘機にするための新しい製造技術が克明に説明してあります。
エンジン馬力を大きくし、飛行機全体を軽く作り上げる技術を開発して行ったのです。その方向をあまりにも追求し過ぎて、操縦士の身を守る装甲板までも薄くしたのです。そのために熟練したパイロットをすぐに失うという結果になったのも有名な話です。
そんなことを考えながら見ると大変興味深い映画です。
更にゼロ戦の飛行中の映像がふんだんに入っています。大型映像なので自分がゼロ戦の隣りの飛行機に乗って、まじかに見ているような錯覚をおぼえます。
とにかく飛行機マニアなら必ず見て、楽しんで頂きたいドキュメンターリー映画です。
下に関連の写真を示します。まずこの「所沢航空発祥記念館」に展示してある航空機の写真です。十数機も展示してありますが、以下はその一部です。
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次に今日の上映中の映画から撮った写真を示します。不鮮明ですが内容がご想像出来ると思います。まずゼロ戦の飛んでいる姿です。
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下は展示室と大型映像間の入場料金と開場時間です。65歳以上は全て無料になります。駐車場も幾つもあり、2時間までは無料です。
20世紀の末の1990年代から「欧州連合」(EU)という巨大で、不思議な組織が世界の経済や国際政治へ大きな力を発揮しています。
文化的に個性豊かだったフランスやドイツやイタリアやイギリスがフラン、マルク、リラ、ポンドなどというお金の単位を捨てて、「ユーロ」という単位に統一されました。
フラン、マルク、ポンド、リラなどはそれぞれの国の文化や歴史を背負った印象深い名前だったのです。紙幣もその国の国王や元首、歴史的建造物などが描かれていて、とても興味深いものでした。それが無味乾燥な「ユーロ」になってしまったのです。人間はお金のためなら何でもすると宣言しているようで淋しい限りです。
このEUの加盟国は現在27ケ国です。スイスとノルウエイは加盟していません。
トルコやモロッコやイスラエルは加盟を希望しましたが却下されています。イスラム教のトルコとモロッコはいけません。ユダヤ教のイスラエルもいけません。
断る理由は宗教ではないと主張されています。1993年に出来た「コペンハーゲン基準」で加盟資格を決めるというのです。
それではリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国は加盟しているのにベラルーシ、ロシア、ウクライナ、などのロシア正教の国々を加盟させないのは何故でしょうか?
元来、「欧州連合」は加盟国同士の自由貿易と経済振興が目的でした。しかし人間の作る組織ですからどうしても作る人々の感情が入りこみます。イスラム教はけしからん。ユダヤ人はキリストを処刑した。ロシアはヨーロッパではない。こんな本音をヨーロッパ人は確信を持って否定出来るでしょうか?
もとユーゴスラビアだった地域のスロベニアだけが加盟していて他の国々が加盟していないのは何故でしょうか?この地域はイスラム教徒が多いので背景に複雑な事情が多いようです。
同じヨーロッパ人が移民したアメリカ、カナダ、南米諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどは加盟できません。「ヨーロッパ圏」の外にあるからです。移民国家だからでしょうか?
「欧州連合」を考える度に何故か淋しい思いをいたします。
国々のそれぞれの文化や歴史に目をつぶり、とりあえず経済的利潤を第一に考えているような雰囲気があるのです。淋しいです。
キリスト教だけを大切するような宗教差別の匂いがするのです。淋しいです。
古いヨーロッパの国々だけが団結しているのです。淋しい感じがいたします。
ヨーロッパ連合が現在の世界経済の足を引っ張っていると言います。
しかし私は経済的な役割よりもこの不思議な巨大組織の文化的なマイナスを淋しく思っています。自由で個性的なそれぞれの国々の伝統や文化を無視するような雰囲気がいけません。自由で個性的な文化こそがヨーロッパを燦然と輝かせていたのです。多くの人々はそんなヨーロッパを尊敬し、憧れていたのです。残念です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
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参考資料:
コペンハーゲン基準(コペンハーゲンきじゅん)とは、ある国が欧州連合に加盟するのに適しているかを判断する基準。この基準では加盟を希望する国に対して民主的な統治や人権を尊重し、市場経済が機能する体制を有することと、欧州連合の義務と目的を受け入れることを求めている。この加盟基準は1993年6月のデンマーク・コペンハーゲンでの欧州理事会において決定され、このため加盟基準にコペンハーゲンの名前がつけられている。
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加盟国の出典は、Wikipedea:「欧州連合加盟国」です。
加盟国
国旗 | 国章 | 国名 | 正式国名 | 加盟日 | 人口 | 首都 | ||
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![]() |
オーストリア | オーストリア共和国 | 1995年 | &00000000083319300000008,331,930 | &000000000008387100000 | ウィーン | ||
![]() |
ベルギー | ベルギー王国 | 1958年 | &000000001066686600000010,666,866 | &0000000000030528000000 | ブリュッセル | ||
![]() |
ブルガリア | ブルガリア共和国 | 2007年 | &00000000076402380000007,640,238 | &0000000000110910000000 | ソフィア | ||
![]() |
キプロス | キプロス共和国 | 2004年 | &0000000000789258000000789,258 | &0000000000009251000000 | ニコシア | ||
![]() |
チェコ | チェコ共和国 | 2004年 | &000000001038113000000010,381,130 | &0000000000078866000000 | プラハ | ||
![]() |
デンマーク | デンマーク王国 | 1973年 | &00000000054757910000005,475,791 | &0000000000043094000000 | コペンハーゲン | ||
![]() |
エストニア | エストニア共和国 | 2004年 | &00000000013409350000001,340,935 | &0000000000045226000000 | タリン | ||
![]() |
フィンランド | フィンランド共和国 | 1995年 | &00000000053004840000005,300,484 | &0000000000338145000000 | ヘルシンキ | ||
![]() |
フランス | フランス共和国 | 1958年 | &000000006375314000000063,753,140[t 4] | &0000000000674843000000 | パリ |