昨日、小沢氏が党首になって「国民の生活が第一」という新しい政党が結成されました。党員は総数49人で、民主党の342人、自民党の202人に続いて第三番目の政党が出来上がったのです。
消費税に反対投票をして、民主党の処分にあい、除籍させらてたので出来上がった政党です。どたばたと急に作った様子が現在の日本の政治の混迷を象徴しているようで憂慮にたえません。
小沢氏は過去に、新生党(1993年結成)、新進党(1994年)、自由党(1998年)、と3つの政党を自分で作り、自分で解散してきました。
そして今回の「国民の生活が第一」の結成です。
以前からこのブログでは小沢氏に、外交戦略が無いことを非難してきました。財政再建の具体的提案の無いことも非難してきました。
そして今回は「原発反対」も掲げています。多くの国民は原発に反対です。
そして党名を「国民の生活が第一」としています。
国民は誰でも自分の生活を少しで楽にしようと汗水たらして働いています。国民の生活が第一などと言われなくてもそれは当然過ぎることです。
日本人は原発は危険だから止めにしたいと皆が思っています。しかし停電で家の中が真っ暗になるのは嫌です。工場の生産が止まり、経済不況になるのも困ります。
ですからそうならないようにしながら原発を次第に火力発電に換えて行かねばならないのです。水力発電や太陽電池も活用しなければいけません。
そんな事は誰でも分かっています。問題は何年後に原発の割合を20%まで減少させるか?その時の火力発電の燃料コストはどのくらいに増大するのか?太陽電池推進のどのような政策を作るのか?などという具体的な提案や指針の発表が無いのです。
それにしても、いかにも国民に迎合したような、党名と原発反対を掲げたものです。
すべて思いつきのようです。安易過ぎます。
政治とは一時的には国民の反対を無視しても長期的な国益を深く考え、信念を持って実行してゆくべきです。
目先の自分の権力維持だけで右往左往しては国民の生活が楽になりません。
野田総理が偉いように見えるのは目先の増税反対に逆らって消費税増額の政策を衆議院を通過させたからです。それも自民党と公明党を説得して賛成に回ってもらったのです。このような国会運営はここしばらく無かったことです。良い政策を提案すれば、野党も賛成してくれるのです。
そして原発反対の合唱に逆らって大飯原発を再稼働させたのです。この夏の関西地域の停電を防止するためです。それは勇気ある決断です。大飯原発を再稼働したからといって、休止中の48ヶ所の全ての原発を動かすとは決断していないようです。
そのように慎重に現実の問題に対処してゆく野田氏の政治姿勢に比較すると小沢氏の政治姿勢は残念に思います。
勿論、小沢氏を支持し、支援している国民が多くいることも事実でしょう。それが民主主義なのです。ですから小沢氏を憎んだり、個人攻撃をすることは尊敬できません。あくまでも小沢氏の政策や政治姿勢だけを非難したり、支持したりすべきと思います。それにしても最近の政治の混迷ぶりは憂えざるを得ません。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)