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上にあるヨットの写真は小生が風上45度の方向へ登っている様子を家内が岸壁から撮った写真です。
その下は空に浮かんで飛んでいる大きなジェット旅客機です。先月、北海度の函館へ行った時乗った飛行機と同じ型です。写真はWikipedeaの「ジャンボ機」の項目からお借りしました。
その下は機内の様子です。函館まで飛んだ時、自分で撮った写真です。お客が500人くらいも乗っていました。
何故ヨットは風上45度の方向までなら、風に逆らって登って行けるのでしょうか?
何故、あんなに巨大で重い旅客機が空に浮かぶ事が出来るのでしょうか?
私には不思議で仕方がありません。何度その理由を聞いても理解出来ないのです。実感として理解出来ません。
私は26年間、趣味でヨットをしていました。確かに風上に向かって45度までは登れるのです。時々船首の方向を左右に変えれば、ジグザクとした形にはなりますが、風に向かって真っ直ぐ登って行けるのです。
毎回、その不思議さに感動していました。
同じように飛行機に乗る度に本当に飛べるのか心配になります。
しかし何十トンも重い金属性の物体が間違いなく離陸するのです。その度にその不思議さに感動します。
どちらも同じ原理で風に向かって前進したり、空に舞い上がると説明されています。
実感として私は理解出来ませんが、その説明を以下にご紹介しておきます。
皆様はベルヌイーイの定理というものを学校で習います。
「早く流れる空気は遅く流れている空気より気圧が低い」という現象を一般化し、空気を流体と置き換えて表現します。
簡単な実験で証明出来ます。
模型の飛行機を作ります。羽根の断面の上面を曲面にして、下面を平らにします。その模型飛行機を前後に動かないように垂直な長い釘で3ケ所くらいを止めておきます。この時、釘でとめる穴は大きめにして模型飛行機はスルスルと上下には動けるようにしておきます。
その飛行機へ向かって前のほうから風を送ってやります。風を次第に強くして行くと模型飛行機は浮きあがり始めます。
風をもっと強くすると長い釘の一番上まで揚がって止まります。中空に浮いているのです。
この模型による実験は所沢の航空記念公園の展示館で何度も見たことがあります。
さて風を送る代わりに、飛行機自身がプロペラを回して前進すれば同じ原理で浮き上がります。プロペラをジェットエンジンにしても同じことです。
ですから飛行機は前進することによって空に浮き上がるのです。前進する速度が大きいほど浮き上がる力が大きくなります。ジェットエンジンの出力が大きいほど多量の荷物と客が積めるのです。
この飛行機の羽根の形をヨットの帆で作ります。
ヨットでは飛行機の羽根を半分に折って、立てたような形にして使います。マストのてっぺんが羽根の先端です。前の帆と後ろの帆の2枚です。
その帆の形を丸みを持った形にします。
そうすると外側は空気の流速が大きいので、外側に吸いつけられるのです。
ですから風の来る方向に対して45度までは登れます。45度以上風上に向けると、今度は風の力で後に押し戻されます。そのギリギリの境目が45度なのです。
これはいろいろな形の帆を作って、数多くの実験で得た経験則なのです。
この境界の角度は帆の形と船の形によって決まります。大体、遊び用のヨットは45度まで登れますが、大型帆船は50度から60度くらいまでしか登れません。
説明している本人が理解していないので、お読みになっても分からないかもしれません。
世の中には自分が理解出来ない癖に偉そうに説明したり、説教する人が多いものです。私もその一人と白状しますので、お許し下さい。(続く)