おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

「シェルブールの雨傘」(古きよき映画シリーズその2)

2012-11-04 12:55:14 | 素晴らしき映画
監督・脚本: ジャック・ドゥミ
音楽: ミシェル・ルグラン
 
出演: カトリーヌ・ドヌーヴ
   ニーノ・カステルヌオーヴォ
   マルク・ミシェル
   エレン・ファルナー
   アンヌ・ヴェルノン
 1964(昭和39)年制作のフランス映画。まだ高校生の時。考えてみたら東京オリンピック開催の年。JR錦糸町駅近くの映画館で観たのかもしれない。その頃は、けっこう映画を観ていた。
 1957年から1963年まで。アルジェリア戦争(フランスからの独立戦争)の最中。戦争(召集)をはさんでの恋人同士の物語。
 ラストシーン。クリスマス前の雪の夜、ギィの経営するガソリンスタンドに入ってきた車の運転席にはかつての恋人・ジュヌヴィエーヴ、助手席には娘のフランソワーズ(実は自分との間の子)。短い言葉を交わし、車はスタンドを出ていく。俯瞰撮影に重なって降りしきる雪の中、テーマソングが流れる。
 日常会話など台詞すべてが旋律に乗って語られる。流れるようなフランス語の響き。最初観たときにはその新鮮さに驚いた。ミシェル・ルグランの音楽がすばらしい。ずいぶんと若い頃観た映画だが、ふとしたときに、旋律が浮かんでくることがあった。そんな映画を何十年ぶりに・・・。
 オープニングの雨傘の行き交う港町の風情。一転して自動車修理工の激しいリズムに変わっていく、その音楽的なつながり・・・。
 シュルブールは、重要な軍港の一つ。第二次世界大戦中にはドイツ軍によって占領された。1944年、連合国によるヨーロッパ侵攻にあたって、シェルブール港は重要な攻略目標となり、ノルマンディー上陸作戦に引き続いて、激しい攻防戦の舞台となったという歴史を持つ港町。そこを舞台にしたということに大変興味を持った記憶がある。当時、オリンピックをきっかけにして、戦後の混乱期を乗り越え、高度経済成長へのただ中にあった時期でもあったか。一方で、戦争によって引き裂かれた二人。シェルブール駅での別れの場面の感動も、年老いて再び蘇ってきた。今観てもストーリー的にそれほど複雑な展開もなく、予定調和的。しかし、音楽的な美しさをまったく失わせていないことに改めて感動。

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