安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

萩原朔太郎の詩集を持って前橋のブックカフェ・バー「月に開く」へ

2020-03-05 20:04:02 | 読書

萩原朔太郎の詩を学生時代に読んで、衝撃を受けたことが忘れられない。それは都会志向と田舎への嫌悪といった感情が表出されていて、僕にもそんな気持ちがあって共感したからです。例えば、

詩集「青猫」の「群衆の中を求めて歩く」には、
私はいつも都会をもとめる
都会のにぎやかな群衆の中に居ることをもとめる

また、詩集「月に吠える」の「田舎を恐れる」には、
わたしは田舎をおそれる、
田舎の人気のない水田の中にふるへて、
ほそながくのびる苗の列をおそれる。

という一節があり、保守的な田舎に嫌気がさしたのだと思ったものでした。しかし、生まれ育った故郷の文物には愛着もあって次のような詩も残しています。

詩集「純情小曲集」の郷土望景詩の「中学の校庭」は
われの中学にありたる日は
艶(なま)めく情熱になやみたり
いかりて書物をなげすて
ひとり校庭の草に寝ころび居しが
なにものの哀傷ぞ
はるかに青きを飛びさり
天日直射して熱く帽子に照りぬ。

と、アンビバレントな屈折した気持ちをもっていたのだと今は考えるようになりました。ともあれ、言葉とイメージが情緒を湛えて流れ出しているのには憧れます。そこで、萩原朔太郎の生まれた街、前橋を散策し、ブックカフェ・バー「月に開く」に立ち寄ってみました。

弁天商店街。土曜日の午後3時ごろですが、ほとんど人が歩いていません。

看板。入ってみようという気持ちになる良い看板です。

お店の外観。瀟洒な感じのデザインがよいです。

店内。壁には蔵書がたくさん。

広いカウンターがあり、居心地がよさそうです。

萩原朔太郎全集や太宰治全集がありました。

クリームソーダを注文。ちょっとレトロな感じで似合っている飲み物かと。

ソフトクリームと氷がたくさん。

お店では読書会が開かれていて、まさにブックカフェ・バーというに相応しい。ゆっくりとまた行きたいお店です。

【ブックカフェ&バー  月に開く】

住所:群馬県前橋市千代田町3丁目3−22
電話:0070-1483-4472
ホームページ:twitter.com/tsukinihiraku  (ツイッターです。他にお店のfacebookもあります。)

【萩原朔太郎詩集(新潮文庫)】

   

表紙

   

裏面の説明

ブログ書きながら、夜のお茶しています。お茶うけはイチゴ。

甘酸っぱい苺が、この中の「純情小曲集」の詩情に似合います。

イチゴの種類は、「博多あまおう」です。