昨日、ラウル・デュフィ展を見ようと出かけていった松本市美術館ですが、新型コロナ・ウィルスの影響で休館でした。デュフィ(1877~1953)は華やかで明るい色彩の絵画やテキスタイルデザインを残したフランスの画家です。華やかな絵やドレスを見たかったのですが、僕が迂闊でした。演奏会場の華やいだ雰囲気も伝わる作品。
MILT JACKSON (ミルト・ジャクソン)
AT THE KOSEI NENKIN (PABLO 1976年録音)
ミルト・ジャクソン(vib, 1923~1999年)は、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)の一員としての来日はありましたが、リーダーとしての来日は、1976年3月のレイ・ブラウンとの双頭クインテットが初めてでした。その来日時の実況盤ですが、乗りの良いプレイに会場が大いに沸いています。レコード2枚組で聴いています。
メンバーは、ミルト・ジャクソン(vib)、レイ・ブラウン(b)、テディ・エドワーズ(ts)、シダー・ウォルトン(p, elp)、ビリー・ヒギンズ(ds)。僕は、テナーサックスがレッド・ホロウェイに替わった翌年の来日公演を聴きましたが、このアルバムを聴くとその時のことが思い浮かびます。
曲は、「Killer Joe」、「Get Happy」、「All Blues」、「St. Thomas」、「Organ Grinder's Swing」、「Prophet Speaks」、「Bolivia」、「Birk's Works」、「Stolen Moments」、「Watch What Happens」、「Bye Bye Blackbird」の11曲。「Prophet Speaks」がミルト・ジャクソンの、「Bolivia」がシダー・ウォルトンの作になるもので、あとはよく知られた曲ばかりです。
スイングしてグルーヴィーで、いつ聴いてもハッピーになれるアルバム。ミルト・ジャクソン(vib)とレイ・ブラウン(b)の相性は抜群で、ミルトの緩急自在な演奏の背後で、しっかりとレイが支えています。ミルトの急速調のソロが素晴らしい「St. Thomas」、シダー・ウォルトン(p)がエレピで華麗な演奏を披露する「Boliva」、レイが有名曲のメロディを引用しながら長いソロをとる「Watch What Happens」、ミルトがイントロからメロディを奏し、テディ・エドワーズ(ts)の豪快なソロが続く「Bye Bye Blackbird」と時間の経つのを忘れました。
(At The Kosei Nenkin vol. 2)
同じ来日公演の残りの演奏を収録した「Centerpiece」(CDです)。残り物という感じは若干ありますが、ミルト・ジャクソンのバラード演奏などはやはり素晴らしい。「Little Girl Blue」、「Someday My Prince Will Come」、「Blue Bossa」といった曲が聴けます。
【松本市美術館の企画展ポスター】
ニースの窓辺(1928年)。油彩。
黄色いコンソール(1949年頃)。油彩。
ブラウス、スカート、ドレス テキスタイル。
【僕が聴きに行った翌1977年公演のパンフレットから】
17回の公演が行われました。東京では3回開催されています。
ミルト・ジャクソン(vib)
レイ・ブラウン(b)
レッド・ホロウェイ(ts)。レッド・ホロウェイは全く知らなかったのですが、実に味のあるプレイで、こういったセッションに向いていたことを覚えています。アクションも派手で、ソロに入るストップタイムでは、テナーサックスを上に向けたり、決まっていました。
ビリー・ヒギンズ(ds)。シダー・ウォルトン(p)。レイ・ブラウンを含め、ピアノトリオで「Stella by Starlight」を演奏してくれましたが、ピッチがばしっと揃っていて、気持ちのよい素晴らしいサウンドでした。今でも想い出します。