オペラも結構好きなのですが、実際のステージはなかなか観ることができないので、DVDの鑑賞中心です。その関連で、加藤浩子著「オペラでわかるヨーロッパ史」を読みました。
著者の加藤浩子さんは、慶應義塾大学大学院を修了(音楽史専攻)し、同大学講師(音楽学)で音楽評論家です。著述、公演活動のほか、オペラや音楽ツァーの企画・同行も行っている方です。
目次は次のとおり。本書のコピーです。
オペラの紹介とともに、オペラの背景なども描きヨーロッパ史を解きほぐしてくれるところがあり、面白い本です。第1部「イタリアの光と影」、第2部「イギリス王室の舞台裏」はいくつかの作品でその国の歴史を俯瞰しています。通史がある程度わかっていると一層面白いと思います。
第3部「大国の栄光と没落」は、実際の歴史とオペラの筋立ての違いなどもわかりやすく、興味深く読みました。第4部「フランス革命がもたらしたもの」は、「椿姫」は別ですが、革命の名のもとに行われた凄惨な出来事を扱っています。
【この本に登場する作品と作曲者】
手に入らない「カルメル会修道女の対話」を除きDVDやブルーレイを揃えたので、ぼつぼつと観ています。
(第1部 イタリアの光と影)
シチリアの晩鐘(ヴェルディ)
カヴァレリア・ルスティカーナ(マスカーニ)
シモン・ボッカネグラ(ヴェルディ)
二人のフォスカリ(ヴェルディ)
リゴレット(ヴェルディ)
トスカ(プッチーニ)
(第2部 イギリス王室の舞台裏)
アンナ・ボレーナ(ドニゼッティ)
マリア・ストゥアルダ(ドニゼッティ)
ロベルト・デヴィリュー(ドニゼッティ)
(第3部 大国の栄光と没落 スペイン、ロシア、スウェーデン)
ドン・カルロ(ヴェルディ)
ボリス・ゴドゥノフ(ムソルグスキー)
仮面舞踏会(ヴェルディ)
(第4部 フランス革命がもたらしたもの)
アンドレア・シェニエ(ジョルダーノ)
カルメル会修道女の対話(プーランク)
椿姫(ヴェルディ)
【「仮面舞踏会」を観ました】
スウェーデンを舞台とした「仮面舞踏会」は1792年に起こった史実のグスタフ三世の暗殺を軸に政治に恋愛を絡み合わせてストーリーがうまく作ってあり、音楽も充実しています。観たDVDはキャストも揃った秀作でした。
パヴァロッティ、ミッロ、ヌッチほか、レヴァイン指揮 メラーノ演出、メトロポリタン歌劇場管弦楽団 合唱団 (DECCA → ディアゴスティーニ)
【グスタフ三世の死を悼み、ヨーゼフ・マルティン・クラウスが作曲した交響曲ハ短調「葬送交響曲】
クラウスは1756年ドイツ生まれで、スウェーデンで活躍し、グスタフ三世に仕えた作曲家です。生年はモーツァルトと同じです。三世の死を悼み「葬送交響曲」を残しました。NAXOSのCDで聴くことができます。
日本語のリーフレット。