最近中国関係のスパイ疑惑報道をよく耳にする。
1 1等海曹が海自内部情報持ち出す、上海に無断渡航も(読売新聞)
海上自衛隊上対馬警備所の1等海曹(45)が、無届けで中国・上海への渡航を繰り返したうえ、持ち出し禁止の内部情報をCDにコピーして自宅官舎に保管していたことが1日、明らかになった。
上海への渡航目的は、日本人向けカラオケ店に勤めていた中国人女性に会うためで、このカラオケ店は、在上海日本総領事館員自殺問題で登場した中国人女性が勤めていた店だった。1等海曹は海自の調査に中国側への情報提供を否定しているが、警察当局は情報漏えいの可能性もあると見て、1等海曹と女性の交際の実態などについて捜査を進めている。
1等海曹は2004年4月から、長崎県対馬市の上対馬警備所で海上を航行する船舶の監視員を務めていたが、先月、停職10日の懲戒処分を受け、現在は同県佐世保市にある佐世保地方総監部の管理部付となっている。
防衛庁海上幕僚監部によると、1等海曹について、「機密情報をコピーして持ち出したり、無断で中国に渡航したりしている」という内部告発があったのは今年4月。同総監部が調査したところ、上対馬警備所敷地内の自宅官舎から、周辺国の軍隊が所有する艦船や潜水艦の写真を集めた内部情報をコピーしたCDが見つかった。1等海曹は、この資料を今年2月に警備所のパソコンでコピーしたことを認めた。
さらに、自宅官舎には上海在住の中国人女性からの手紙などが保管されており、1等海曹はこの女性と会うため、今年3月までの1年3か月間に計8回も、無届けで上海に渡航していたことも判明した。
1等海曹がこの女性と知り合ったのは、昨年1月、別の部署に所属していた元3等海曹(28)と上海に旅行した際、日本人向けカラオケ店で接客を受けたことがきっかけ。カラオケ店は、一昨年5月に自殺した在上海総領事館の電信官(当時46歳)が、中国公安当局に連絡役に仕立てあげられたとされる女性と知り合った店だった。
海幕によると、CDにコピーされた内部情報は「識別参考資料」と呼ばれ、他国の艦船を監視する際などに利用されている。防衛庁の秘密情報は「機密」「極秘」「秘」の3段階で、識別参考資料は、その下の「注意」にあたり、外部に持ち出した場合、自衛隊法には抵触しないが、内規違反にあたる。
同総監部の調べに対し、1等海曹は「自室で勉強するためにCDを持ち出した」などと説明。1等海曹のパソコンや、携帯電話の通話記録、中国人女性との手紙の内容などを分析した結果、識別参考資料が中国に持ち出された形跡は確認できなかったが、警察当局では他の資料も含め流出の有無を調べている。
海幕広報室は「上海で現地調査することは事実上不可能。中国人女性がどんな人物で、背後関係があるかどうかについては調べられなかった」と話している
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060802it01.htm?from=top)
2 無断渡航自衛官自殺(NIBニュース)
中国の上海などに無断渡航を繰り返したとして内部調査を受けていた42歳の海上自衛隊員が、けさ、自殺していたことが明らかになりました。
自殺したのは、佐世保総監部所属護衛艦「あさゆき」の42歳の自衛官で、けさ艦内で首つり自殺をしているのが発見されました。この自衛官は、中国と韓国にあわせて10数回無断渡航していたことがわかり、海上自衛隊の内部調査を受けていました。防衛庁では、海上自衛隊の別の自衛官が上海の女性と交際し、内部資料を持ち出した問題で、他にも無断渡航者がいないか調査を進めていました。
(http://www.nib.jp/data/news/200608/20060810.html)
3 「ハニー・トラップ」とは?(ZAKZAK)
上海領事館の職員がワナにはめられて自殺に追い込まれ、海上自衛隊の1等海曹も同様の手口で内部資料を不正コピーして持ち出したことが発覚するなど、中国公安当局の露骨なスパイ懐柔作戦が明るみに出ている。色仕掛けで懐柔し、機密情報を引き出す「ハニー・トラップ」は、諜報(ちょうほう)関係者の間では基本的な手法の1つだった。専門家が「一度、中国に弱みをつかまれると大変。今回の問題は氷山の一角」と指摘する、悪質な中国の“くノ一作戦”を検証する。
防衛庁の調べだと、問題の1曹(45)は中国に土地勘のある元3曹(28)と昨年1月、上海へ遊びに行った。その際、大使館や高級住宅が並ぶ虹橋(ホンチャオ)地区にあるカラオケ店へ案内され、店のホステスと交際がスタート。今年3月まで合計8回、無断で中国へ渡航した。
1曹は外国船舶の写真が収められた「注意文書」をCDにコピーし、自宅へ持ち帰ったことが分かっているが、「情報を漏らしていない」と説明しているという。
一方でこのカラオケ店、実は女スパイの“巣窟(そうくつ)”だった。2004年5月、在上海総領事館で電信員として勤務する館員=当時(46)=が館内で自殺した。
館員は同店でホステスとねんごろとなったが、公安当局がホステスを売春容疑で拘束。これをきっかけに館員はホステスへの「買春」をダシに公安関係者から執拗(しつよう)に機密情報の提供を求められた。そして「このままでは中国を出られない」などと脅迫され、追い詰められた末に自殺したのだ。
くしくも同じ店で同じ手口で引っかかった1曹。元公安調査庁第2部部長の菅沼光弘氏は手口について「いわゆる『ハニー・トラップ』。どこの国でもやっている、常識ともいえる手法」と説明する。
「最初は観光客で行く。そしてガイドが『カラオケに行きませんか』と言う。その『カラオケ』は日本で考えるカラオケと違う。要するに売春で公には非合法。そうした場所には、公安当局や国家安全部といった情報機関の手先となる女性がたくさんいる」というのだ。
そもそもなぜ女スパイがいとも簡単に“育成”できるのか。菅沼氏は「そういう場所の女性も非合法の仕事をやっているわけだから公安当局に脅されている。だから『海自の隊員だから引っかけろ』となる」と当局の巧妙なカラクリを明かす。菅沼氏は「中国当局は海自の情報に一番興味と関心を持っている。しかも東シナ海、中国との接触のある部署でしょ。そこから中国に旅行にきているとなると、いうなればカモだった」と切って捨てる。
「海自は友好国であろうと敵対国であろうと周辺諸国から狙われている。その一方で隊員は防諜(ぼうちょう)の自覚がない。だから簡単に引っかかってしまう。これは氷山の一角で、同様の事例はもっとたくさんあると思う」という菅沼氏の予測も現実味を帯びている。
(http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006081001.html)
・・・コメントは次回以降に・・・
1 1等海曹が海自内部情報持ち出す、上海に無断渡航も(読売新聞)
海上自衛隊上対馬警備所の1等海曹(45)が、無届けで中国・上海への渡航を繰り返したうえ、持ち出し禁止の内部情報をCDにコピーして自宅官舎に保管していたことが1日、明らかになった。
上海への渡航目的は、日本人向けカラオケ店に勤めていた中国人女性に会うためで、このカラオケ店は、在上海日本総領事館員自殺問題で登場した中国人女性が勤めていた店だった。1等海曹は海自の調査に中国側への情報提供を否定しているが、警察当局は情報漏えいの可能性もあると見て、1等海曹と女性の交際の実態などについて捜査を進めている。
1等海曹は2004年4月から、長崎県対馬市の上対馬警備所で海上を航行する船舶の監視員を務めていたが、先月、停職10日の懲戒処分を受け、現在は同県佐世保市にある佐世保地方総監部の管理部付となっている。
防衛庁海上幕僚監部によると、1等海曹について、「機密情報をコピーして持ち出したり、無断で中国に渡航したりしている」という内部告発があったのは今年4月。同総監部が調査したところ、上対馬警備所敷地内の自宅官舎から、周辺国の軍隊が所有する艦船や潜水艦の写真を集めた内部情報をコピーしたCDが見つかった。1等海曹は、この資料を今年2月に警備所のパソコンでコピーしたことを認めた。
さらに、自宅官舎には上海在住の中国人女性からの手紙などが保管されており、1等海曹はこの女性と会うため、今年3月までの1年3か月間に計8回も、無届けで上海に渡航していたことも判明した。
1等海曹がこの女性と知り合ったのは、昨年1月、別の部署に所属していた元3等海曹(28)と上海に旅行した際、日本人向けカラオケ店で接客を受けたことがきっかけ。カラオケ店は、一昨年5月に自殺した在上海総領事館の電信官(当時46歳)が、中国公安当局に連絡役に仕立てあげられたとされる女性と知り合った店だった。
海幕によると、CDにコピーされた内部情報は「識別参考資料」と呼ばれ、他国の艦船を監視する際などに利用されている。防衛庁の秘密情報は「機密」「極秘」「秘」の3段階で、識別参考資料は、その下の「注意」にあたり、外部に持ち出した場合、自衛隊法には抵触しないが、内規違反にあたる。
同総監部の調べに対し、1等海曹は「自室で勉強するためにCDを持ち出した」などと説明。1等海曹のパソコンや、携帯電話の通話記録、中国人女性との手紙の内容などを分析した結果、識別参考資料が中国に持ち出された形跡は確認できなかったが、警察当局では他の資料も含め流出の有無を調べている。
海幕広報室は「上海で現地調査することは事実上不可能。中国人女性がどんな人物で、背後関係があるかどうかについては調べられなかった」と話している
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060802it01.htm?from=top)
2 無断渡航自衛官自殺(NIBニュース)
中国の上海などに無断渡航を繰り返したとして内部調査を受けていた42歳の海上自衛隊員が、けさ、自殺していたことが明らかになりました。
自殺したのは、佐世保総監部所属護衛艦「あさゆき」の42歳の自衛官で、けさ艦内で首つり自殺をしているのが発見されました。この自衛官は、中国と韓国にあわせて10数回無断渡航していたことがわかり、海上自衛隊の内部調査を受けていました。防衛庁では、海上自衛隊の別の自衛官が上海の女性と交際し、内部資料を持ち出した問題で、他にも無断渡航者がいないか調査を進めていました。
(http://www.nib.jp/data/news/200608/20060810.html)
3 「ハニー・トラップ」とは?(ZAKZAK)
上海領事館の職員がワナにはめられて自殺に追い込まれ、海上自衛隊の1等海曹も同様の手口で内部資料を不正コピーして持ち出したことが発覚するなど、中国公安当局の露骨なスパイ懐柔作戦が明るみに出ている。色仕掛けで懐柔し、機密情報を引き出す「ハニー・トラップ」は、諜報(ちょうほう)関係者の間では基本的な手法の1つだった。専門家が「一度、中国に弱みをつかまれると大変。今回の問題は氷山の一角」と指摘する、悪質な中国の“くノ一作戦”を検証する。
防衛庁の調べだと、問題の1曹(45)は中国に土地勘のある元3曹(28)と昨年1月、上海へ遊びに行った。その際、大使館や高級住宅が並ぶ虹橋(ホンチャオ)地区にあるカラオケ店へ案内され、店のホステスと交際がスタート。今年3月まで合計8回、無断で中国へ渡航した。
1曹は外国船舶の写真が収められた「注意文書」をCDにコピーし、自宅へ持ち帰ったことが分かっているが、「情報を漏らしていない」と説明しているという。
一方でこのカラオケ店、実は女スパイの“巣窟(そうくつ)”だった。2004年5月、在上海総領事館で電信員として勤務する館員=当時(46)=が館内で自殺した。
館員は同店でホステスとねんごろとなったが、公安当局がホステスを売春容疑で拘束。これをきっかけに館員はホステスへの「買春」をダシに公安関係者から執拗(しつよう)に機密情報の提供を求められた。そして「このままでは中国を出られない」などと脅迫され、追い詰められた末に自殺したのだ。
くしくも同じ店で同じ手口で引っかかった1曹。元公安調査庁第2部部長の菅沼光弘氏は手口について「いわゆる『ハニー・トラップ』。どこの国でもやっている、常識ともいえる手法」と説明する。
「最初は観光客で行く。そしてガイドが『カラオケに行きませんか』と言う。その『カラオケ』は日本で考えるカラオケと違う。要するに売春で公には非合法。そうした場所には、公安当局や国家安全部といった情報機関の手先となる女性がたくさんいる」というのだ。
そもそもなぜ女スパイがいとも簡単に“育成”できるのか。菅沼氏は「そういう場所の女性も非合法の仕事をやっているわけだから公安当局に脅されている。だから『海自の隊員だから引っかけろ』となる」と当局の巧妙なカラクリを明かす。菅沼氏は「中国当局は海自の情報に一番興味と関心を持っている。しかも東シナ海、中国との接触のある部署でしょ。そこから中国に旅行にきているとなると、いうなればカモだった」と切って捨てる。
「海自は友好国であろうと敵対国であろうと周辺諸国から狙われている。その一方で隊員は防諜(ぼうちょう)の自覚がない。だから簡単に引っかかってしまう。これは氷山の一角で、同様の事例はもっとたくさんあると思う」という菅沼氏の予測も現実味を帯びている。
(http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006081001.html)
・・・コメントは次回以降に・・・