田中宇というジャーナリストがいる。共同通信の出身で、どうやら国際情勢を論じることを業としている人のようであるが、胡散臭いことこの上ない。以下は、ちと長いが、噴飯ものの記事(昨年の衆院選前後)の例(太字は特におかしな箇所)である。
たとえば小泉さんの靖国神社参拝は「個人の信仰」を表向きの理由としているが、中国が日本との関係を強化したいと接近してくるたびに参拝を実施したり意思表明したりしており、真の理由は日中関係を制御することであろう。
アメリカはもともと世界を多極化するために自滅的な単独覇権主義を続けているのではないかというのが従来からの私の見方でもあるが、この分析が正しいとしたら、小泉さんの対米徹底従属は、アメリカの真意を見誤ったものであり、最初から失敗が運命づけられていたことになる。
休会に入った6カ国協議でのアメリカの熱心さを見ると、日本人の多くが(大嫌いだと思わされるような報道に接しているので)大嫌いな北朝鮮とも、いずれ日本は国交を回復しなければならなくなると予測される。
アメリカは賛同したが、北朝鮮の賛同が今一つ得られなかった中国案では、アメリカと北朝鮮、日本と北朝鮮はそれぞれ国交を正常化することが盛り込まれている。アメリカが北朝鮮と国交を正常化したら、たとえ日本の全国民が北朝鮮を嫌いでも、日本政府は北朝鮮と国交を正常化しなければならないだろう。さもないと、日本はアメリカと反米諸国の両方から、のけ者にされかねない。今回の6カ国協議では、日本はすでに半分のけ者にされていた。
東アジア共同体への日本の協力を必要としている中国や韓国は、日本の政権が代わったら、再び戦略対話を申し入れる動きをとるだろう。選挙で誰が勝っても、日本の次政権はおそらくそれに乗るだろうから、今後は日本と近隣諸国との関係は改善されていくと予測される。今回の解散総選挙は、日本が世界の多極化の動きに追いつくための契機となるだろう、というのが私の見方である。
・・・バーディーは大学時代、政治学を専攻しており、特に外交史は得意であったから、国際政治については一家言持っているつもりである。その目で見ると、田中氏の言説は余りにも(中国・朝鮮寄りに)偏向しており、バランスを欠いているのみならず、いわゆる短絡的な「陰謀説」を基調に世界観が形成されており、底の浅さが明らかである。というよりも、根本的に物の見方が間違っているといった方がよく、そのことは、上記の記事を見ても分かる。
チベット、モンゴルやウイグルを見ても分かるとおり、氏が力説する「東アジア共同体」なるものは、決して実現されてはならない悪夢であり、東アジアの歴史自体が、中国を中心とする「冊封体制」への抵抗として綴られてきたものなのである。
たとえば小泉さんの靖国神社参拝は「個人の信仰」を表向きの理由としているが、中国が日本との関係を強化したいと接近してくるたびに参拝を実施したり意思表明したりしており、真の理由は日中関係を制御することであろう。
アメリカはもともと世界を多極化するために自滅的な単独覇権主義を続けているのではないかというのが従来からの私の見方でもあるが、この分析が正しいとしたら、小泉さんの対米徹底従属は、アメリカの真意を見誤ったものであり、最初から失敗が運命づけられていたことになる。
休会に入った6カ国協議でのアメリカの熱心さを見ると、日本人の多くが(大嫌いだと思わされるような報道に接しているので)大嫌いな北朝鮮とも、いずれ日本は国交を回復しなければならなくなると予測される。
アメリカは賛同したが、北朝鮮の賛同が今一つ得られなかった中国案では、アメリカと北朝鮮、日本と北朝鮮はそれぞれ国交を正常化することが盛り込まれている。アメリカが北朝鮮と国交を正常化したら、たとえ日本の全国民が北朝鮮を嫌いでも、日本政府は北朝鮮と国交を正常化しなければならないだろう。さもないと、日本はアメリカと反米諸国の両方から、のけ者にされかねない。今回の6カ国協議では、日本はすでに半分のけ者にされていた。
東アジア共同体への日本の協力を必要としている中国や韓国は、日本の政権が代わったら、再び戦略対話を申し入れる動きをとるだろう。選挙で誰が勝っても、日本の次政権はおそらくそれに乗るだろうから、今後は日本と近隣諸国との関係は改善されていくと予測される。今回の解散総選挙は、日本が世界の多極化の動きに追いつくための契機となるだろう、というのが私の見方である。
・・・バーディーは大学時代、政治学を専攻しており、特に外交史は得意であったから、国際政治については一家言持っているつもりである。その目で見ると、田中氏の言説は余りにも(中国・朝鮮寄りに)偏向しており、バランスを欠いているのみならず、いわゆる短絡的な「陰謀説」を基調に世界観が形成されており、底の浅さが明らかである。というよりも、根本的に物の見方が間違っているといった方がよく、そのことは、上記の記事を見ても分かる。
チベット、モンゴルやウイグルを見ても分かるとおり、氏が力説する「東アジア共同体」なるものは、決して実現されてはならない悪夢であり、東アジアの歴史自体が、中国を中心とする「冊封体制」への抵抗として綴られてきたものなのである。