「新制度」の下では、医療費の「総枠」は閣議で決められることとなったが、政府予算案の決定において甚大な影響力を有しているのは、もちろん財務省である。
なので、2007年の改革は、汚職を契機として、厚労省がいわば「外部」である財務省を援用したという見方も出来そうである。
つまり、これも「『現状』を打破することを狙った外部勢力の援用」の一つのあらわれというわけである(それにしても、汚職が発覚するまで、誰も「旧制度」を変えることが出来なかったというのは怖いことである。)。
こうした事情のため、森田先生が憤慨した、診療側委員による”退席事件”(2010年)の際、診療側委員らは「財務省、財政審」を明らさまに敵視していたのだ。
この「財政審」(財政制度等審議会)は、中医協と同じく諮問機関であり、ゆえに同様の問題を抱えていることは言うまでもない。
中医協のような汚職への誘因があるかどうかは不明だが、よく言われる役所の「隠れ蓑」という批判は妥当するようだ。
例えば、歴代会長を見ると、政府寄りの財界人、又はゼミ生を沢山送り込んでいる学者のいずれかとなっている。
このように、「新制度」発足に伴って利害対立の様相が変わってきたわけだが、ある意味では分かりやすくなった。
なので、2007年の改革は、汚職を契機として、厚労省がいわば「外部」である財務省を援用したという見方も出来そうである。
つまり、これも「『現状』を打破することを狙った外部勢力の援用」の一つのあらわれというわけである(それにしても、汚職が発覚するまで、誰も「旧制度」を変えることが出来なかったというのは怖いことである。)。
こうした事情のため、森田先生が憤慨した、診療側委員による”退席事件”(2010年)の際、診療側委員らは「財務省、財政審」を明らさまに敵視していたのだ。
この「財政審」(財政制度等審議会)は、中医協と同じく諮問機関であり、ゆえに同様の問題を抱えていることは言うまでもない。
中医協のような汚職への誘因があるかどうかは不明だが、よく言われる役所の「隠れ蓑」という批判は妥当するようだ。
例えば、歴代会長を見ると、政府寄りの財界人、又はゼミ生を沢山送り込んでいる学者のいずれかとなっている。
このように、「新制度」発足に伴って利害対立の様相が変わってきたわけだが、ある意味では分かりやすくなった。
つまり、それまで背後で動いていた相対立する「外部勢力」が、表舞台に出て来たように見える。
その一つは、診療側委員の背後に控える集団=圧力団体(これを「集団X」という。)であり、もう一つは、政府側において実質的に予算を決定している集団(これを「集団Y」という。)である。
そして、最近、”日本最強の圧力団体”とも呼ばれる集団X(もっとも、実際はXに匹敵する、あるいはXを上回る影響力を持つ団体が存在することが判明しつつある)は、Yにおける「キーパーソン」をほぼ特定したようである。
財務省の95年入省組
「新型コロナウイルスの感染拡大などを受け、複雑化する国の医療関連予算を巡って、財務省の1995年(平成7年)入省同期にあたる2人のキーパーソンがいる。【本根 優】
1人は大沢元一氏。菅義偉首相が官房長官だった時代から秘書官を務め、菅政権発足では、首相秘書官に引き上げられた。・・・
もう1人は、開成高時代から秀才と呼ばれ、財務省内でも「10年に1人」と言われる逸材、一松旬氏。かつて奈良県副知事を務めた時代には「地域別診療報酬」の活用を企てたため、医療界では警戒されている人物だ。」
その一つは、診療側委員の背後に控える集団=圧力団体(これを「集団X」という。)であり、もう一つは、政府側において実質的に予算を決定している集団(これを「集団Y」という。)である。
そして、最近、”日本最強の圧力団体”とも呼ばれる集団X(もっとも、実際はXに匹敵する、あるいはXを上回る影響力を持つ団体が存在することが判明しつつある)は、Yにおける「キーパーソン」をほぼ特定したようである。
財務省の95年入省組
「新型コロナウイルスの感染拡大などを受け、複雑化する国の医療関連予算を巡って、財務省の1995年(平成7年)入省同期にあたる2人のキーパーソンがいる。【本根 優】
1人は大沢元一氏。菅義偉首相が官房長官だった時代から秘書官を務め、菅政権発足では、首相秘書官に引き上げられた。・・・
もう1人は、開成高時代から秀才と呼ばれ、財務省内でも「10年に1人」と言われる逸材、一松旬氏。かつて奈良県副知事を務めた時代には「地域別診療報酬」の活用を企てたため、医療界では警戒されている人物だ。」